9月になっても厳しい残暑が続く中、収穫期を迎えた秋の味覚・梨に異変が起きています。
【写真を見る】数百万円の被害に農家は「ため息だけ…」 長引く残暑で秋の味覚に異変 収穫期の梨が“黒いシミ”猛暑と日照りで日焼け【news23】
福岡・太宰府市 “猛暑日の記録”また更新 3連休も暑さに注意
9月中旬になっても続く猛烈な暑さ。
猛暑日の最多記録を更新し続けている福岡県太宰府市では、最高気温37.1 度を観測。今年55日目の猛暑日となり、また記録を更新しました。
東京からの観光客
「9月に入ったので、もうちょっと涼しいと思ったんですけど」
関東でも埼玉県熊谷や久喜などで36度をこえる暑さに。
気を抜けないのが熱中症への対策です。
東京・杉並区にある保育園「Picoナーサリ久我山」。夏場は園児たちが遊ぶテラスに、屋根を取り付け、ミストのでる大型の扇風機を設置しています。
そばには高温になるとアラート音がなる温度計も置かれ、外遊びを中断する目安にしているといいます。さらに欠かせないのが水分補給。
Picoナーサリ久我山 小野田桜奈 保育士
「先週あたり一度涼しくなった時期があり、ちょっと涼しくなるかと思いきや、今週また、ぐんと暑さが戻ってきたので、油断ができないかなと」
「はあ…ため息だけ」記録的な暑さは秋の味覚「梨」にも影響
記録的な暑さは、秋の味覚にも大きな影響を与えています。
収穫間近の梨を次々と捨てる梨農家。梨を見せてもらうと、黒いシミが…
大津園 梨農家 中野津義さん(78)
「高温障害でだめ。ひどいよ、真っ赤だ。困ったもんだ、しょうがないよ…」
梨の生産が盛んな千葉県市川市では、猛暑と強い日差しの影響で実の表面が黒く変色して痛む「日焼け」の被害が出ています。
特に被害が出ているのは暑さに弱い「新高」という品種。本来、新高は実が丸く、大きいことから、彼岸の供え物や贈り物として人気が高い品種です。
この夏の猛暑によって廃棄される新高の被害額は数百万円にものぼるといいます。
大津園 梨農家 中野津義さん(78)
「大体6個入りで4000円で売れるんだから…それを計算すると、大きいですよ。いやあ…ため息だけだ、つくのは」
中野さんは新高の栽培をやめることも考えているといいます。
14日(土)も16の都府県に熱中症警戒アラートが発表されるなど、この3連休も季節外れの暑さに注意が必要です。