肉派?魚派?『猫の食性』に関して知っておきたいこと3つ 愛猫の食事を理解するためのトリビア

2024-09-28 06:00

猫はとってもグルメな生き物。食事に対するこだわりや、体に必要な栄養素は犬とは大きく異なります。今回は、愛猫の健康を支えるために知っておきたい「猫の食性」に関する3つのトリビアをご紹介します。

1.猫は生粋の肉食動物

肉のニオイをかぐ猫

猫はその可愛らしい見た目とは裏腹に、実は“完全肉食動物”で、肉からしか摂取できない特定の栄養素を必要とする動物として知られています。

彼らの体は肉を中心とした食生活に適応していて、植物からは十分な栄養を得ることができません。

例えば、タウリンというアミノ酸は猫の目や心臓の健康に不可欠です。人間や他の動物は体内でタウリンを合成できますが、猫はそれができません。そのため、タウリンを多く含む肉を食べる必要があるのです。

さらに、ビタミンAやアラキドン酸といった栄養素も、猫は肉から直接摂取しなければなりません。植物から摂れるβカロテンをビタミンAに変換することができないため、肉の中に含まれている形でしか取り入れることができないのです。

2.「猫は魚が好き」は人の勝手なイメージ

魚をくわえる猫

猫といえば「魚が好き」というイメージは、昔から根強く残っています。特にアニメや絵本などでは、魚をくわえている猫ちゃんがよく描かれています。

しかし、実は猫が魚を好むというのは、日本人が作り出したイメージであって、猫の本能に基づいているわけではないんです。意外に思われるかもしれませんが、野生の猫科動物が自然の中で魚を食べることはほとんどありません。

猫が魚を食べるようになったのは、昔、人々が猫をペットとして飼い始めた頃にさかのぼります。漁村や沿岸部で暮らす人々が、余った魚を猫に与えることで、魚好きな猫のイメージが広がったと言われています。

特に日本や地中海地方など、魚食文化が根付いた地域では、猫と魚の組み合わせが日常的な光景となり、それが文化的なイメージとして定着したのです。

もちろん、魚も猫にとって悪い食材ではありません。魚には良質なタンパク質やオメガ3脂肪酸が含まれており、皮膚や毛並みを健康に保つ効果があります。しかし、魚ばかりを与えるのはおすすめできません。

なぜなら、魚にはチアミナーゼというビタミンB1を分解してしまう酵素が含まれていることがあるからです。ビタミンB1が不足すると、猫の神経系に影響を及ぼし、場合によっては深刻な健康問題を引き起こすことがあります。ただし、これは生で食べた場合ですので、加熱すれば問題ありません。

猫に魚を与える場合は、あくまで「おやつ」や「ご褒美」として、バランスを考えながら少量を与えるのがベストです。また、魚を与える際は必ず骨を取り除き、加熱してから与えるようにしましょう。

3.猫はものをすりつぶして食べられない

猫の歯

猫は食事をする際に犬のようにバリバリと噛んで食べるイメージがありますが、実は「ものをすりつぶして食べる」ということができないのです。その理由は、猫の歯の構造にあります。

まず、猫の歯は全部で30本(永久歯)しかありません。人間の歯は32本ありますから、猫の歯の本数は少ないことがわかります。その少ない歯の中でも、すりつぶす役割を持つ「臼歯」はほとんど発達していません。

猫の歯は、肉を引き裂いたり、骨を噛み砕くのに特化しているため、ものを細かくすりつぶすための形状をしていないのです。

野生の猫科動物、例えばライオンやチーターなども同じですが、猫は狩りをして食事をします。その際、まずは犬歯を使って獲物を捕まえ、噛みつくことで動きを止めます。

その後、「裂肉歯」と呼ばれる特殊な形状の臼歯を使って、獲物の肉を切り裂くようにして食べるのです。裂肉歯はハサミのような役割を果たし、肉を引き裂くのに適している形状をしています。

このように肉を裂いたとしても、飲み込むには大きいことが多いので、ザラザラの突起が付いた舌で肉をこそげとるようにして少量ずつ食べることも猫の特徴です。

そのため、猫は基本的に食べ物を「丸呑み」するような食べ方をします。硬いドライフードなども、実際にはほとんど噛み砕かずに飲み込んでいることが多いのです。

まとめ

ごはんを食べる猫

今回は、猫の食性に関する3つのトリビアをご紹介しました。

日々の食事は、愛猫の健康と幸福に直結します。彼らの本能や体の仕組みに合わせた食事を提供することで、愛猫が長く元気に過ごせるようにサポートしていきましょう。

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