犯罪や非行をした人の立ち直りを支える「更生保護制度」が始まって75年。きょう、都内で記念式典が開かれ、今年5月に滋賀県大津市で殺害された保護司の男性に追悼の言葉が述べられました。
「更生保護制度」は、地域の民間ボランティアの保護司らが犯罪や非行をした人の立ち直りを支援する制度です。
きょう、この制度が始まって75周年を記念する式典が都内で開かれ、保護司らおよそ1100人のほか、牧原秀樹法務大臣や畝本直美検事総長らが出席しました。
式典では、今年5月に滋賀県大津市で保護司の新庄博志さん(60)が保護観察を担当していた男に殺害されたとされる事件を受け、出席者から新庄さんに追悼の言葉が寄せられました。
全国保護司連盟の谷垣禎一理事長は「熱い思いと高い志に応えるため、地域に貢献する更生保護の実現に向けた取り組みをさらに進めていく必要がある」としたうえで、「更生保護制度が未来に継承され、持続可能な発展を維持していくためには、変化の挑戦を絶えず続けていくことが不可欠だ」と呼びかけました。
保護司をめぐっては、法務省の検討会で保護司の安全対策などについて議論が進められています。
牧原大臣は「保護司をはじめとする更生保護関係者の方々が安全に、安心して活動できる環境の整備に一層尽力する」と話しました。
式典では、更生保護施設の慰問活動を長年続け、去年亡くなった歌手の谷村新司さんら更生保護に尽力した人たちにも感謝状などが贈られました。