【インタビュー】伊藤健太郎&本宮泰風、映画『静かなるドン2』で再タッグ 「自信を持って送り出せる作品だなと思いました」

2024-10-04 10:57

ヤクザ漫画の名作を令和に実写化した『静かなるドン』が、その好評を受けて続編としてスクリーンに帰って来た。主演はもちろん伊藤健太郎で、近藤静也として今作では迫力のアクションも披露している。伊藤と、猪首硬四郎役で総合プロデュースも務めた本宮泰風にインタビューした。

ー本宮さんは前作のインタビューで、伊藤さんが「静ドン」の主演をされたことで任侠モノの後継者が見つかったと言われていましたね。

本宮:はい。予定通りになりました(笑)。もちろん映画化の企画が始まった時はうれしかったのですが、現場に入って彼が完全に役を掴んでいる姿を見て、「もういけるな」とよりうれしくなりました。

伊藤:僕も前作で終わりたくなかったので、今回新キャストの方たちも参加してくださいましたが、なじみのメンバーと現場で再会した時はとてもうれしかったですし、帰って来た感じがあるなと思いました。みなさんとお会いすると、よりスイッチが入るなと思いました。

本宮:完全に今回は近藤静也として現場に立っていました。1の時は探り探りでやっていたと思いますが、近藤静也として初日を迎えていました。

ー今回は初めから総長として物語がスタートするので、前作とは気持ちの面でも違いがありますよね。

伊藤:前作では総長にはなりたくないという中でスタートした静也でしたが、今回は静也の想いや道はブレていないけれど、総長としてやっていく覚悟がある。いろいろなことを経験した静也なので、前作よりも総長としての風格、威厳も出して行かなければいけなかった。そこは違う部分ですが、基本的な根本の部分は変わらないですかね。

本宮:プロデューサーとしては、もちろんシリーズが行けるところまで行きたいという気持ちがありますが、当初は今健太郎が言ったように、ヤクザになりたくない、でもやらなければいけないという葛藤がテーマとしてありました。でも今回からは、ヤクザは好きじゃないけれども、抗争をなくすためにヤクザとして行くところまで行かなければいけないという。ここでしっかり走り出せればシリーズとしていい流れになっていく大事なところだと思ったので、その部分は脚本作りから気をつけていました。

ーそれに加えてアクションのみならず、恋愛、青春、ホラー要素まで、ノンジャンルなエンターテインメントに仕上がっていました。

本宮:そうですね。今回鳴瀬聖人監督にお願いしたことで、シリアスな任侠モノかと思えば、コメディーの要素もあり恋愛もあり、これを上手く乗り越せれば、この後何でも出来るだろうと。どんな話、どんなジャンルにも行けるということが見えてきたので、ここが踏ん張りどころだろうということで脚本開発をしました。

ーテイストが多岐に渡る作風という意味で、伊藤さんは主人公を演じる上で、難しさはありましたか。

伊藤:それに関しては前回からそうなのですが、僕は「静ドン」というジャンルだと思っているので、昼の静也と夜の静也では、僕の個人的な感覚では、違う現場に入っているくらいの勢いでいないと、ふり幅がブレちゃいそうだったので、そこはかなり意識していました。

本宮:でなければ、いきなりミュージカルみたいなシーンは出来ないよね(笑)。

伊藤:監督に『ラ・ラ・ランド』のイメージでと言われて、振付師の方に現場で振り入れをしてもらったんですよ(笑)。かなりびっくりしました。

本宮:しっかり対応してしまうのが、伊藤健太郎の凄さなんです(笑)。

ーノンジャンル風味でありながら、しっかりとヤクザの抗争を描いて「静かなるドン」の世界観を作り上げていますよね。

本宮:コメディとシリアスのバランスはずっと吟味しながらやっていたので、仕上がりを観て期待通りのものが出来上がったと思いました。

伊藤:「静ドン」に限らず、続編ってハードルが上がるので難しいと思いますが、撮っている時からアクション、コメディともに、とてつもなくパワーアップしているなと現場で感じていました。編集という力が加わり映像になった時に、どういう風に味付けされるのか楽しみでもあったので、初号を拝見した時とてもワクワクしました。

「静ドン」の台本って、毎回もらう時にとてもワクワクするんです。ストーリーとしての期待はもちろん、これが実際に映像になったらどうなるんだろっていう。映像になる際に妥協されることもあると思いますが、僕が台本で感じたワクワク感がよりブラッシュアップされた状態の映像をスクリーンで観ることが出来たので、すごいうれしかったですし、手応えもありました。自信を持って送り出せる作品だなと思いました。

ー今後、シリーズはどういう展開になっていくでしょうか?

本宮:もちろん何を試そうかということもありますが、シリーズ作品はお約束の形が生まれ、みんなが分かっているけれども楽しめるというものが生まれれば、シリーズ作品として成功したと言えると思うんです。それが今徐々に出来つつあるのですが、それを早く確立したいところです。その中で新しい側面を見せられたらベストかなと思います。

伊藤:氷室(※『日本統一』で本宮さんが演じているキャラクター)が出て来るみたいな(笑)。氷室と静也が戦うみたいな(笑)。

本宮:それ、俺はどうすればいいのよ(笑)。

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