中東情勢が極度の緊張状態にある中、レバノンにいる日本人の退避に向け、自衛隊機が出発しました。こうした中、レバノンに滞在している日本人が取材応じ、状況を語りました。
空自輸送機 日本人退避のためヨルダンとギリシャへ
攻撃の応酬が止まりません。親イランのイスラム組織ヒズボラが拠点とするレバノンへの攻撃を強めるイスラエル軍は首都ベイルートの中心部に対し、現地時間の2日深夜から3日未明にかけて再び空爆を行いました。
地元住民
「この場所は軍とは関係ない。ここは民間人のための施設だ」
この攻撃で少なくとも6人が死亡したということです。こうした中、レバノンに滞在している日本人の退避に備え、航空自衛隊の輸送機が周辺のヨルダンとギリシャに派遣されました。
木原前防衛大臣からはヨルダン・ギリシャに待機するように命じられているそうです。外務省関係者によりますと、レバノンには現在50人ほどの日本人が滞在していて、このうち10人ほどが国外退避を希望しているといいます。
死にたくない… 退避連絡も「行けるような状態じゃない」
レバノン南部に住む日本国籍の男性から話を聞くことができました。
大塚不破土さん
「攻撃が毎日おきて学校もやられたり、もう本当にめちゃくちゃ攻撃を受けている」
今は別の町に避難しているという大塚さん。一番心配していることを聞きました。
大塚不破土さん
「死なないように頑張ってるんですよ。死にたくない。それだけ。死にたくない」
さらにイスラエルとの国境から17キロほどの町にいる日本人女性は…
レバノン南部在住 佐藤正子さん
「大使館からの退避連絡『ベイルートの大使館まで(来て)』って言われたんですけど、ベイルートまで行けません。(ベイルートまでの)いつも通る道の街が爆撃されているので、とてもじゃないけど行けるような状態じゃないんですよ」
ナスララ師 死亡前に停戦同意か
こうした状況の中、ヒズボラの指導者ナスララ師は殺害の数日前、「イスラエルとの21日間の停戦に同意していた」とアメリカCNNが報じました。
2日のインタビューでレバノンのハビブ外相が明らかにしたもので、イスラエルのネタニヤフ首相も一時的な停戦に同意していたと説明しています。
報復の連鎖が続く中東情勢は今、過去20年間で最も緊迫しているといえそうです。