キャッシュレス決済の普及など、お金の貯め方・使い方が大きく変化する中、ちょっと変わった銀行が登場しました。
銀行窓口を「利用していない」人は2012年から3倍以上に
南波雅俊キャスター:
現金の利用が減っているなか、銀行の利用自体にも異変が出ています。
全国銀行協会による銀行窓口の利用率の調査(2021年8月)では、「利用していない」という声が24.4%で、2012年から3倍以上に増えているとのことです。
金融関係者によると、その背景として考えられるのは、コロナ禍で混雑緩和のため予約制になり、そのまま「もう行かなくても大丈夫だ」と稼働率が減ったからだといいます。
また、インターネットバンキングが増えたことや、店舗数の減少で身近な利用が減ったことも理由にあるようです。激減というわけではないものの、この20年で400店舗ほど減ってきているといいます。
一方でSNSには、最近銀行窓口を利用した人が、次のように投稿していました。
●「大学入学共通テスト受験料の振り込みは銀行窓口一択。印を押してもらわなきゃいけない…」
●「キャッシュカードの暗証番号を間違えて入力してしまい、ロック解除の手続きに窓口へ行った」
産婦人科医 宋美玄さん:
私も銀行はたくさん利用していますが、窓口にはまったく行きません。振り込みや公共料金の支払いなどは全部ネットです。
日比麻音子キャスター:
小さいころは、銀行でもらえるメモやペンなどのノベルティがよく家にありましたが、最近見なくなりました。銀行に行かないからだなと思ったのですが…。
山内あゆキャスター:
銀行の名前が入った箱ティッシュなどありましたよね。
私も普段は行きませんが、子どもの入学手続きのときに銀行に行かなければならなかったのに、赤坂の支店が急になくなっていて、大汗をかいて町中を探したことがあります。
産婦人科医 宋美玄さん:
入学関連は、振り込んだ証拠の紙を願書に同封するなどありますものね。
○○○教室や○○屋を併設…銀行の新たな取り組みとは?
南波キャスター:
銀行の窓口業務といえば何があるか、リストに挙げてみました。
●口座開設/解約
●届出内容の変更(住所・氏名・暗証番号など)
●住宅ローン借り入れ
●相続手続き
これらはもともと窓口でしかできなかった業務ですが、今では窓口に行くことなく、インターネットバンキングなどでも手続きできる銀行が増えているようです。
とはいえ、窓口が減っても窓口しか使わないという方もいますし、窓口がなくなってしまうとそれはそれで不便だということで、「銀行に来てもらおう」という新たな取り組みをしている銀行も増えています。
主に地方銀行なのですが、まず一つ目は、山口銀行の徳山西支店です。2020年に相談窓口を縮小した際、英会話教室を併設しました。1階の半分が銀行のスペースで、もう半分が英会話教室のスペースだということです。
送り迎えの際、住宅ローンや子どもの保険の見直しなどを“ついで相談”する人もいるといいます。英会話教室はもともと取引先だったそうですが、銀行側からアプローチをして銀行内に入ってもらったということです。
また、北九州銀行の八幡中央支店では、パン屋を併設しています。おしゃれな見た目ですが、パン屋を併設するにあたって、銀行の外観・内観もリニューアルしたそうです。
ATMや相談窓口と同じスペースにパン屋があるため、パンを食べながら投資相談する人もいるということでした。非常に重大な決断ではありますが、おいしいパンを楽しみながら…。
利用している方の声を聞くと、普通の銀行より入りやすく、気軽に相談できると好評だそうです。銀行側の支店長の方などを含め、町の皆さんにどうやったら来てもらえるか、喜んでもらえるかを考えた結果、「憩いの場になるようなところもあれば楽しんでもらえるだろう」ということで、パン屋にアプローチをして入ってもらったといいます。
日比キャスター:
私は、銀行と歯医者には定期的に早めに行くということを自分に言い聞かせています。通帳の記帳など、うっかり忘れてしまうので…。でも銀行に行くと、生活の見直しのチャンスにもなるのかなと思います。
産婦人科医 宋美玄さん:
確かにそうですね。私はほったらかしなので、記帳がたまってしまうなど、税理士に怒られることがあります。
山内キャスター:
私は会社の中で一つ経理を担当していて、この間記帳したところ、利子が多くついていました。利率が上がっていて、いつも8円程度だったのが100円ぐらい入っていたので、少し嬉しかったです。
日比キャスター:
たまに銀行に行って、相談するのもいいかもしれません。
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<プロフィール>
宋美玄さん
産婦人科医 2児の母
女性の健康などのテーマを発信