大手電機メーカーのNECは、AI=人工知能を活用し、プラスチックのリサイクルに必要な熟練作業員の経験を再現する技術を公開しました。
富山県高岡市にある、リサイクル企業の丸喜産業。廃棄されたプラスチックが毎日40トンから50トンほど届けられ、プラスチック製品の元となるペレットに再生されています。
丸喜産業 小薗雄治 社長
「作業員の技術とか経験っていうところに大きく依存してるというところはまだまだございますので、非常に改善したいという思いはずっとございました」
工業製品や菓子の容器など、様々な種類の廃プラスチックを粉砕し、溶かすことで作られる再生プラスチック。硬さや色など、顧客の求める性能の再生プラスチックをつくるためには、元となる廃棄プラスチックの種類や顔料の量などを最適な配合で混ぜる必要があり、熟練作業員の知識や経験が求められるといいます。
NEC事業開発統括部 田中修吉ディレクター
「こちらが物性を予測するAI、そしてこちらが調色を予測するAIの画面となっております」
NECは、AI=人工知能を活用して最適な配合を導き出す新たな技術を開発しました。今回は、こちらの企業に蓄積されていた配合データをAIに学習させ、瞬時にAIが最適な配合量を解析します。
今年9月に行った実証実験では、このAIの活用によって配合工程にかかる時間が、経験の浅い作業員に至っては50%も短縮したということです。
この技術は今年度中に丸喜産業に本格的に導入されることになっていて、別の業者への展開も検討されています。