今年のコメの需給見通しが公表され、生産量が1年間の需要を上回ることが明らかになりました。また、コメが品薄となった「令和のコメ騒動」の背景も分析され、今後は情報発信を強化するとしています。
農林水産省が発表した2024年産の主食用米の生産量は、去年と比べて22万トン増の683万トンになる見通しで、来年6月までの1年間の需要量およそ10万トンを上回ります。また、来年6月末の民間在庫量は、過去最低となった今年を上回る162万トンまで回復する見通しです。
一方、この夏、スーパーなどでコメが品薄となった「令和のコメ騒動」の背景について、今年7月までは去年と同じように供給されていたものの、8月に南海トラフ地震の臨時情報が出たことなどから買いだめ需要が増え、供給が追いつかなかったと説明。品薄に関する情報発信や卸売業者などへの働きかけは、すでにコメの品薄が表面化していた8月下旬からだったと分析しました。
農水省は当初、「全体需給はひっ迫していない」と繰り返していましたが、今回の分析では、スーパーなど小売り団体から「消費者は店頭からコメが消えれば、不安に感じる」との声が聞かれたとして、問題点を明らかにしました。
今後、新米が出回る端境期の前に、卸売業者などに対し販売や在庫量の調査をするほか、スーパーなどの流通状況も定期的に聞き取りし、消費者に分かりやすい情報を発信していく考えです。