猫の『伝染性腹膜炎(FIP)』は不治の病ではなくなりつつある?知っておくべき4つのこと

2024-11-06 11:00

「FIP(猫の伝染性腹膜炎)」は、かつては治療ができない怖い病気として知られていましたが、今では回復できる可能性が広がっています。ここでは、最近注目されている新しい治療薬の効果や、発症時の対策についてわかりやすくご紹介します!大切な猫ちゃんの健康を守るため、知っておくべき情報をぜひチェックしてみてくださいね。

1.伝染性腹膜炎(FIP)とはどんな病気?

見つめる子猫

FIP(伝染性腹膜炎)は、猫に感染するコロナウイルスが原因で発症する病気です。

すべての猫が発症するわけではなく、ウイルスが体内で変異した時にのみ病気が進行します。発症しやすいのは1歳未満の子猫で、致死性が高いことから「不治の病」とされてきました。

FIPは病態によって「滲出型」と「非滲出型」2つのタイプの症状が現れます。

滲出型は腹部や胸部に液体が溜まるのが特徴で、腹部の膨張や呼吸困難などが見られます。

非滲出型は体内に液体が溜まらないタイプで、様々な臓器に肉芽腫(炎症によって生じるしこり)を作り、様々な症状を呈します。目や神経系に問題が現れることもあります。

滲出型と非滲出型は時に同時または時間差で発症することもあり、必ずしも区別されるものではありません。

病態によって症状の特徴は異なりますが、共通するのは「食欲低下」「発熱」「嘔吐・下痢」などの症状です。両方のタイプともに進行すると命に関わる重い症状が出るため、早急の対応が必要になります。

2.新しい治療法の登場!

子猫

FIPはかつて「治せない病気」でしたが、最近では「レムデシビル」や「モルヌピラビル」といった人の新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬が、猫のFIPに対しても効果が期待できることがわかってきました。

この薬はウイルスの増殖を抑えるため、早期に治療を開始すれば、多くの猫が元気に回復するまで効果をあげているケースもみられるようになりました。

ただし、これらの抗ウイルス薬は国内で動物用に認可されておらず、新薬であるが故に治療データ数が少ないことや、人間も含め長期的な副作用が不明であることは頭に入れておかなければなりません。また、治療するには高額な費用と時間がかかるため、治療を受ける場合は獣医とよく相談する必要があります。

3.予防と日々のケアが大切

寝ている猫

FIPの直接的な予防法はまだ確立されていませんが、心身ともに猫の日々の健康を保つことが重要です。

そこで、病気の予防として取り組みたいのは「良質なフードを与える」「ストレスの少ない環境を整える」「免疫力を高める」ことです。猫が病気になりにくい体づくりを意識した毎日のケアが予防につながります。

FIPは特に多頭飼いでの発症が多いことから、不衛生な生活環境、過密空間、相性の悪い猫同士の同居といった持続的なストレスがリスク因子と考えられています。

多頭飼いの場合は、「トイレや食器を別々にし、清潔に保つ」「猫同士の相性を踏まえ、不要な接触を減らす」といった感染予防とストレス軽減の対策を取ることも意識して行うようにしましょう。

4.早期発見と治療が回復のポイント

段ボール箱に隠れるネコ

FIPは早めの治療がとても大事です。もし猫がいつもと違う様子を見せたら、すぐに動物病院で診察を受けましょう。

猫は体調不良や病気の症状を隠す傾向があり、飼い主が目に見えてわかる症状に気づく頃には、病気がすでに進行していることが少なくありません。通常とは異なる猫の違和感は、病気のサインとして疑うようにしましょう。できるだけ早く対処することで、回復するチャンスも高まります。

まとめ

上を向く子猫

FIP(伝染性腹膜炎)は、以前は治療法がない病気とされていましたが、最近の研究により新しい治療薬が登場し、回復する例が増えてきています。

ただし、これらの治療薬は日本ではまだ動物用として正式に認可されておらず、入手が難しいことや高額なため、飼い主には経済的な準備や情報取集などが必要です。

また、猫の健康を守るためには、日々の健康状態を注意深く観察し、異変に早く気づくことが非常に重要です。早期発見は、治療の成功率を高めるための鍵となります。最新の情報を取り入れ、猫の命を守るための選択肢を増やしていきましょう。

関連記事

元野良猫に爪とぎをプレゼントした結果→まさかの『コロッセオ誕生』に爆笑する人続出「芸術は爆発だw」「まさに闘技場w」と22万7000再生
『一生触れないのでオススメしない』と言われた猫を家族に迎えた結果…"8年後の姿"が78万再生 「愛って伝わるんだね」「表情が全然違う」
「みんな一緒の行動が可愛いww」たくさん水を飲んだ3匹の子猫が…"まさかの光景"に「ホームのようにw」「足痺れるw」と笑顔になる人続出
家の鍵が壊れて『閉じ込められてしまった猫』→再会したときの反応に「気持ちが伝わってくる」「素敵な家族」と16万3000再生を突破
猫が全然使ってくれない爪研ぎに『マタタビ』を塗ってみたら…まさかの変貌っぷりに驚きの声続出「恐るべし効果」「酔っ払ったおっさん」

  1. 「事故現場にいた」事故時、車には4人と判明 高1男子が横転後に逃走 埼玉栄高校グラウンドで生徒が無免許運転し横転で男子生徒死亡事故
  2. 【全文】鈴木紗理奈さん 不倫報道にコメント 「既婚者であるという様な、発言や行動が一度も無かった」「知らなかったとはいえ、ご家族の方を深く苦しませていることは、本当に申し訳なく思います」
  3. 県民に聞く…斎藤氏に投票した理由は?再選を果たした斎藤前兵庫県知事の明暗を分けたSNS支持 取材した鈴木エイト氏が感じた“違和感”とは【news23】
  4. 中国でまた暴走車 小学校前で児童らがはねられる 中国メディア「故意に学校に突入しようとしてはねた」
  5. 巨大スカウトグループ「アクセス」のリーダー男ら5人を逮捕 SNS上で勧誘した女性を風俗店にオークション形式であっせん 警視庁
  6. 群馬・桐生市の清掃センターで現金780万円見つかる 3か月を過ぎて持ち主が現れない場合は市の所有物に
  7. ロシア大統領報道官「新たな緊張段階に入った」、フランス外相「ロシア領内へのミサイル攻撃許可を検討」長距離兵器での攻撃容認報道受け
  8. 「普段から車は無施錠 鍵はダッシュボードに」車横転で生徒死亡 埼玉栄高校が会見
  9. 【斉藤由貴さん娘】 水嶋凜さん 25歳の誕生日を報告 「今後ともよろしくお願いいたします」
  10. 【貴乃花の長男】 花田優一さん 母・河野景子さんの還暦をお祝い 妹・白河れいさんも笑顔
  11. 【速報】群馬県の高崎JCT付近でしょうゆ積まれたタンクローリーが下の道路の乗用車に転落 2人がけがをして病院に搬送
  12. 冬(12月~来年2月)の気温は全国的にほぼ平年並み 日本海側は大雪の可能性も 気象庁3か月予報
×