守備のスペシャリストに贈られる「第53回三井ゴールデン・グラブ賞」が12日に発表された。投手二冠の巨人・菅野智之(35)が4年ぶりの受賞。最多得票は吉川尚輝(29、巨人)の232票だった。初受賞はプロ11年目で初となる山川穂高(32、ソフトバンク)ら、セ・リーグ6人、パ・リーグ5人の計11人。表彰式は28日に行われる。
セ・リーグでは4年ぶりにリーグ優勝に輝いた巨人から4人が選出。投手は今季リーグ最多勝利、最多勝率の菅野が4年ぶり5回目の受賞を果たした。一塁手の岡本和真(28)、三塁手の坂本勇人(35)は、過去に別のポジションで受賞歴があるが、複数ポジションではそれぞれ初受賞。両リーグ通じての最多得票は二塁手で232票を獲得し、今季リーグトップの守備率.994を誇った吉川で、こちらも初受賞となった。
26年ぶりの日本一となったDeNAからは山本祐大(26)が捕手部門で初受賞。独立リーグ出身の選手としては全ポジション含め両リーグ通じて初の快挙。外野手部門では秋山翔吾(36、広島)がセ・リーグで初受賞し、両リーグでの受賞(パ・リーグで6回)は、中田翔以来10人目となった。
4年ぶりにパ・リーグを制したソフトバンクからは球団最多タイの5人が受賞。投手部門は、小島和哉(28、ロッテ)とわずか1票差でL.モイネロ(28、ソフトバンク)が初受賞を果たした。外国人投手の受賞は元西武の郭泰源以来2人目で、同球団では千賀滉大(31、メッツ)以来となった。また、プロ11年目の一塁手・山川、外野手・周東佑京(28)らが初受賞を果たした。
遊撃手部門では西武の源田壮亮(31)が元阪急・大橋穣と並びパ・リーグ最多タイと最長タイ記録となる7年連続7回目の受賞。2022年まで6年連続で受賞の名捕手・甲斐拓也(32、ソフトバンク)は2年ぶり7回目の受賞を果たした。
外野手の辰己涼介(27、楽天)は397刺殺の球界新記録で4年連続4回目。外野手・万波中正(24、日本ハム)も両リーグ今季最多11捕殺で2年連続2回目の受賞に輝いた。
ヤクルトからは2年連続、ロッテ、オリックスは2020年以来の選出なしとなった。
<受賞者一覧>
■セントラル・リーグ
【投手】
菅野智之(35、巨人)93票※4年ぶり5回目
【捕手】
山本祐大(26、DeNA)217票※初受賞
【一塁手】
岡本和真(28、巨人)189票※初受賞(三塁手で過去2回受賞)
【二塁手】
吉川尚輝(29、巨人)232票※初受賞
【三塁手】
坂本勇人(35、巨人)168票※初受賞(遊撃手で過去5回受賞)
【遊撃手】
矢野雅哉(25、広島)218票※初受賞
【外野手】
近本光司(30、阪神)187票※4年連続4回目
岡林勇希(22、中日)190票※3年連続3回目
秋山翔吾(36、広島)211票※初受賞(パ・リーグで過去6回受賞)
■パシフィック・リーグ
【投手】
L.モイネロ(28、ソフトバンク)76票※初受賞
【捕手】
甲斐拓也(32、ソフトバンク)197票※2年ぶり7回目
【一塁手】
山川穂高(32、ソフトバンク)176票※初受賞
【二塁手】
小深田大翔(29、楽天)156票※初受賞
【三塁手】
栗原陵矢(28、ソフトバンク)217票※初受賞
【遊撃手】
源田壮亮(31、西武)145票※7年連続7回目
【外野手】
辰己涼介(27、楽天)220票※4年連続4回目
万波中正(24、日本ハム)211票※2年連続2回目
周東佑京(28、ソフトバンク)219票※初受賞
※写真は左から山川選手、菅野選手、吉川選手