格差や高い失業率など、様々な問題を抱える中国経済ですが、最大の経済都市・上海で給与の未払いに抗議した従業員らが車道を占拠するという異例の行動に出ました。いったい、何が起きているのでしょうか。
【動画】「工場へ行っても座ってほらを吹くだけ」中国最大の経済都市・上海で給与未払いに抗議 一時車道を占拠
「警察がたくさんいる!」
きのう、上海で撮影されたという動画。車道に大勢の人が集まって、何か抗議活動を行っているようです。さらに警察が介入し、抗議する人を排除する様子も。
いったい何があったのか…。
記者
「抗議活動を行っていた作業員の人たちでしょうか」
JNNは、抗議活動に参加していた従業員らに話を聞くことができました。
従業員
「ストライキではなく、給与の未払いです。だから説明を求めているんです。具体的な返答はありません」
自動車の革製シートなどを製造している会社で起きた「給与の未払い」が原因でした。
別の従業員は…。
従業員
「給与は12日に支払われることになっていましたが、会社が困難に直面した場合、7日間支払いを延期することを認めました。7日後、給与が支払われたのは警備員と経営陣だけです」
従業員らによると、業績の悪化を理由に半年以上前から、本来の給与額ではなく、上海市の月の最低賃金およそ5万6000円しか受け取っていないということです。
中国ではEV=電気自動車が席巻し、EVの今年の生産台数は年間1000万台を超えました。
しかし、この会社の取引先はガソリン車がメイン。それに加え、EVの供給が過剰となっていることもあり、自動車全体の販売価格を示す指数も下がり続けていて、会社の業績悪化の一因になったとみられます。
従業員
「今は工場に行っても何もすることがない。ただ座ってホラを吹いているだけ」
香港のNGOによると、今年上半期に中国で起きたストライキや抗議活動は719件に上るといいます。
中国では連続殺傷事件が相次いでいて、経済的な問題との関連が指摘されているだけに、労働者の訴えは見過ごせない課題となりそうです。