先月、東京・大田区で酒に酔って路上に倒れていた男性を助け、未然に事故を防いだとして、タクシー運転手の男性に警視庁から感謝状が贈られました。運転手の“とっさの判断”が男性の保護につながりました。
重大な事故を防いだとして、警視庁大森署が感謝状を贈ったのは、国際自動車のタクシー運転手・横井智之さん(48)です。
国際自動車 タクシー運転手 横井智之さん
「危ないなと思って(保護)しただけです。一生の思い出になりました」
先月4日、午前3時半すぎ。横井さんは勤務を終え、車庫に向かうため、東京・大田区の山王通りで信号を待っていたところ、ガードレールにもたれながら路上に倒れ込む30代の男性会社員を見つけました。
警視庁によりますと、男性は酒に酔い、仕事などの疲れからもたれかかって寝てしまっていたということです。横井さんは男性が車にひかれないように、ハザードランプをつけながらタクシーを男性の後ろに止め、安全を確保しました。
国際自動車 タクシー運転手 横井智之さん
「周りに自分しかいなくて、このままでは危ないと思って、急いで助けることにしました」
その後、110番通報し、男性は事故に巻き込まれることなく、無事、保護されました。
警察庁によりますと、「路上寝込み者」の全国の死亡事故件数は去年1年間が107件で、今年は10月末の時点で、82件となっています。事故の90%近くが夜間の発生で、飲酒していた人がおよそ70%を占めています。
高橋哲大森署長は「年末年始にかけて飲酒に絡んだ事故が多くなる。何か気付いたことがあれば110番を」としています。