石破総理が今月29日に行う所信表明演説で、「年収103万円の壁」の引き上げや地方創生交付金の倍増を前倒しで実施することを訴えることが分かりました。
原案では▼「経済対策」について「年収103万円の壁」の見直しをめぐり、自民、公明、国民民主の3党での合意を踏まえ、「25年度税制改正の中で議論し引き上げる」と明記しました。
ガソリン減税については「いわゆる暫定税率の廃止を含む」とした上で、「自動車関係諸税全体の見直しにむけて検討し、結論を得る」としています。
また、価格転嫁が困難な中小企業への支援や学校給食費の支援に加え、新たに厳冬期の灯油支援を行うと表明します。
石破政権が看板政策に掲げる「地方創生」については、「新しい地方創生交付金の倍増を前倒しで措置する」との方針を説明します。
「安全保障」では「在日米軍施設・区域の自衛隊による共同使用を進め、駐留に伴う諸問題の解決に取り組む」とし、日米地位協定の改定にむけた意欲を示します。
サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入にむけた法案については、早期の国会提出にむけ、検討を加速する考えを表明。
自衛隊員の生活や勤務環境の改善についても改めて必要性を訴え、「若くして定年退職を迎える自衛官の新たな生涯設計を確立し、退職後も社会で活躍するための施策の方向性についても年内に結論を得て、可能なものから25年度予算に盛り込む」としています。
10月の衆院選で与党が過半数割れした結果を受け、‟他党にも丁寧に意見を聞き、幅広い合意形成が図られるよう真摯に謙虚に取り組む”との考えも表明する考えで、少数与党として、配慮と「石破カラー」を織り交ぜた所信表明演説となります。