老後の備えとして注目されている個人型確定拠出年金=iDeCo。政府と与党は、掛金の限度額を引き上げる方向で調整に入りました。企業年金との合計の限度額を月額7000円引き上げる案などを検討しています。
「iDeCo」は公的な年金に上乗せする形で受け取れる個人型の確定拠出年金です。月5000円以上の掛け金を拠出し、運用する銘柄を選択。積立額と運用で得た利益を、原則60歳以上になったときに受け取ることができます。
iDeCoでは、▼掛け金が全額所得控除される、▼運用益が課税されない、▼受け取りの時にも一定額までが控除対象になるなどの税制優遇がもうけられていて、所得税や住民税などの節税効果があります。
これまでiDecoの掛け金は、企業型の確定拠出年金と併用する会社員の場合で、あわせて月5万5000円に達するまでが上限額でしたが、今回これを7000円引き上げて6万2000円に。さらに、企業年金のない会社員についても、これまでの月2万3000円から3万9000円引き上げて6万2000円にそろえる方針です。
iDeCoをめぐっては、これまで日本証券業協会や岸田前総理が会長を務める「資産運用立国議連」が掛け金の引き上げを求めていました。