大学などが研究中の先端技術がスパイ活動などによって海外に流出するのを防ごうと、警視庁公安部が初めて大学や研究機関を集め、セミナーを開きました。
警視庁 中島寛 公安部長
「特にアカデミア(大学や研究機関の研究職)の分野については元々の特性としてオープンであること、国際的であること、それがメリットであり長所であると思いますが、そこを悪用される、つけこまれやすい、そういう特性もあるのかと考えています」
きょう(17日)、警視庁公安部が初めて開いたのは、およそ30の大学と研究機関を対象にしたセミナーで、関係者ら117人が参加しました。
半導体やバイオ医療など国内の研究施設が持つ先端技術をめぐっては、研究員などが外国の情報機関に機密情報を漏洩する事件や、流出を狙った海外からのサイバー攻撃が相次いでいます。
こうした現状を踏まえ、公安部は、情報機関の人物が偶然を装い接触を試みたり、実在の人物や団体を名乗るメールを送り、コンピューターウイルスに感染させたりするなど、技術情報を狙うさまざまな手口があるとして注意を呼びかけました。
公安部によりますと、大学などのこうした情報を狙い、外部からの侵入や接触があった事案が過去1年間で数件あったということで、「大学や研究機関と警察が普段から連携し互いの経験を共有することが重要で、今後もアウトリーチ活動を重ねて技術流出を防ぎたい」としています。