三毛猫・サビ猫の毛色の神秘が解き明かされる 研究者が「DNAの欠如」を初めて確認 米国・日本

2024-12-18 06:00

米国と日本の専門家チームがそれぞれ発表した研究成果により、茶トラ・三毛・サビ猫の毛色の発生メカニズムが明らかになりました。いずれもほかの猫にはない「DNA領域の欠如」が見られたのです。

猫の毛色と性別の関係は…?

鼈甲のような模様のサビ猫

画像はイメージです

茶トラ、三毛、サビ…こうした猫の毛色は、どのような遺伝子の働きによって決まるのでしょうか。

このたび米国と日本の大学研究者が、猫の毛色発生のしくみについてそれぞれの研究結果をまとめました。

2つの研究はともに初めて「DNA変異の存在」を発見したという、画期的な内容です。研究結果は2024年11月に同時に発表されています。

黒猫と、茶トラのようにオレンジがかった茶色の被毛を持つ猫を両親にもつ「三毛猫」と「サビ猫」の存在は、長い間科学者を魅了してきました。

これらの毛色の猫はほとんどがメスであることから、三毛やサビの毛を茶色や黒にする遺伝子の変異は、性別を決定づける「X染色体」上にあるとされてきました。

メスの胎児は両親からX染色体を1つずつ受け継ぎ、X染色体を2つ持つことになりますが、各細胞はどちらか1つの染色体をランダムに選んで成長させ、選ばれなかった染色体は不活性なボール状になります(X染色体不活性化)。

三毛やサビの猫は、両親から黒のX染色体と茶のX染色体を1つずつ受け継ぎますが、体の部位ごとにどちらの染色体が不活性になるかで黒毛になるか茶毛になるかが変わり、その結果、サビ猫が発生するというわけです。

三毛猫の場合は、黒のX染色体と茶のX染色体に加え、毛を白くする「色素生成をしない遺伝子」を一部の細胞が持っているため、3色となります。

なお、黒猫と茶トラの親をもつオスの場合は、たいてい黒か茶色の「単色」になります。オスはX染色体を1つしかもたないためです。

茶トラ猫には「DNA領域の欠如」が

三毛猫と遊ぶ茶トラ猫

画像はイメージです

では、そもそも茶トラ猫の明るいオレンジがかった茶色は、どのように生まれるのでしょうか。

米国スタンフォード大学の遺伝学者Greg Barshさんらは、動物病院で茶トラ猫とそれ以外の猫の胎児4匹ずつから皮膚サンプルを採取し、皮膚細胞「メラノサイト」(「メラニン」と呼ばれる色素を産生する細胞)が生成しているRNA(※)の量を測定しました。

※RNA:DNAの遺伝情報を写し取ったり、その情報を読み取ってタンパク質を合成したりする役割を担う

その結果、茶トラ猫のメラノサイトは「Arhgap36」 と呼ばれる遺伝子から、通常の13倍ものRNAを生成していることがわかったのです。この遺伝子はX染色体上に存在しているため、研究チームはこれがオレンジ色の発現の鍵を握っていると考えました。

さらに、茶トラ猫のArhgap36の遺伝子配列を調べたところ、DNA領域の一部が欠如していることがわかりました。この欠如が、毛色を決定づけるタンパク質をどれだけ生成するかに影響すると考えられます。

この発見をもとに、研究チームは188 匹の猫のゲノムのデータベースを調査しました。そして茶トラ、三毛、サビ猫のすべてに、まったく同じ変異があることを発見したのです。

この報告は2024年11月に査読前の研究発表サイトである「bioRxiv」に投稿されています。

日本の研究者も同様の発見

三毛猫

画像はイメージです

同時期にやはり「bioRxiv」に投稿された別の研究でも、同じ発見が報告されています。日本の九州大学の佐々木宏之特名教授をリーダーとする「三毛猫遺伝子探索プロジェクト」がまとめたものです。

この実験では、日本の野良猫と飼い猫24匹、世界中から集めた猫のゲノム258匹分を調べています。そして米国の研究チームと同様に、遺伝子の欠如を確認したのです。

あわせて三毛猫の皮膚の茶色の領域には、ほかの部分よりもArghap36 RNAが多く含まれていることも発見しました。このArghap36 RNAは、X染色体不活性化の影響を受けることもわかっています。

両研究チームはおたがいの研究成果が似通っていることを知り、同時に発表することを決めました。どちらの研究でも、 Arhgap36の量が増えると「細胞内で赤い色素を生成する分子経路(※)が活性化する」ことを発見しています。

※分子経路:細胞内の複数の分子間で起こる一連の反応

必要なことは、すべて猫から学べる

猫の遺伝子を調べる研究者のイメージ

画像はイメージです

専門家はこの2つの研究結果に注目しています。

「これは画期的な研究成果です」と話すのは、米国ミズーリ大学のLeslie Lyonsさんです。

「この変異が最初に現れたのはいつなのか、ぜひ知りたいですね。エジプトでかつてミイラ化された猫が茶トラだったという証拠もあります。猫の毛色に関する研究が進み、環境が遺伝子発現にどのような影響を与えるかなど、さまざまなことが明らかになってきています。遺伝学について知る必要のあることは、すべて猫から学べるのです」と彼女はいいます。

出典:Gene behind orange fur in cats found at last

関連記事

動物病院が怖い子猫→ママのほうに向かうと…『もん絶不可避な光景』が184万再生「ため息が出ちゃうレベル」「可愛すぎて一生見てられる」
猫が「アオーン」と鳴く時の気持ち
元気に遊んでいた子猫→まさかの場所で『睡魔』に襲われて……天使のような姿が6万再生「何もかもが可愛い」「ず~っと見ていたいw」の声
猫を『濡らした歯ブラシ』で撫でると喜ぶ…?検証してみた結果→まさかの反応が105万再生「正規の使い方ww」「声出して笑った」と爆笑の嵐
猫に『カラフルな丸』を沢山見せたら『想定外』の反応で…爆笑の結末が1.4万再生「面白い発想w」「めっちゃ手間暇かかってるw」

  1. トランプ大統領 22日にゼレンスキー大統領と会談へ 米特使とプーチン大統領も同日に会談へ
  2. 声優・木村昴の“のど”をみんなで守る! 応援が健康意識につながる参加型キャンペーン
  3. 矢掛高校の探究学習がカンボジアに届けた小さな希望 なかよし学園プロジェクトとつながる学びのかたち
  4. 【速報】千代田線が全線で運転見合わせ 午前8時10分再開見込み
  5. 息子と一緒に寝転がっている犬に『ママと寝る?』と声を掛けた結果→どちらと眠るか悩んで…尊い結末が54万再生「優しさの塊」「ほっこり」
  6. 『服やったんwww』犬にAI加工をしてみた結果→思わず笑う『衝撃の最終形態』が58万再生「うちのお父さんかとww」「親分レベルの貫禄」
  7. アメリカ東部メーン州でも移民取締り作戦開始 知事は「歓迎されない」と反発
  8. ベッドの下にいたネコ→飼い主さんを見つけた『次の瞬間』…衝撃の光景に「ホラーゲームで似たようなシーン見たw」「迫力がすごい」と反響
  9. 『お母さん遅くなるよ』と猫に伝えたのに、玄関で……心がきゅっとなる瞬間に14万いいね「なんて健気なんだ…泣」「抱きしめたくなる」
  10. “さりげないキラキラ”耳・肌・歯にも「貼るだけジュエリー」が人気のワケとは?【THE TIME,】
  1. 滋賀県に「顕著な大雪情報」 彦根市で6時間に25センチの大雪
  2. ホテルで『少女に性的暴行』、自宅で「生徒にわいせつ行為」、「女性教師に抱きつく」など… 計6人の教職員を処分
  3. 【速報】千代田線が全線で運転見合わせ 午前8時10分再開見込み
  4. 平地でもドカ雪警戒 日本海側で大雪や吹雪が続き、1日で1メートルの降雪予想も
  5. “さりげないキラキラ”耳・肌・歯にも「貼るだけジュエリー」が人気のワケとは?【THE TIME,】
  6. 声優・木村昴の“のど”をみんなで守る! 応援が健康意識につながる参加型キャンペーン
  7. アメリカ東部メーン州でも移民取締り作戦開始 知事は「歓迎されない」と反発
  8. 「パワーで法を作りパワーで仕切る」秩序揺らぐ世界で日本の“3つの勝ち筋”とは?【Bizスクエア】
  9. 【速報】短期滞在のタイ国籍の女性らを派遣し売春をあっせんか 中国籍の風俗店従業員など少なくとも男女6人を逮捕 警視庁
  10. 浴槽内から全裸の男性の遺体 遺体は住人で窒息死 殺人事件として捜査 大阪市
  11. 【速報】トランプ大統領 欧州8か国への2月1日の関税「発動しない」 グリーンランドめぐりNATO事務総長と会談
  12. トランプ大統領によるFRBクック理事の解任めぐる訴訟 連邦最高裁で口頭弁論 判事からは解任の正当性に懐疑的な質問相次ぐ