旧ジャニーズ事務所の性加害問題をめぐり、「SMILE-UP.」が「当事者の会」元副代表の石丸志門さんを相手取り、1800万円を超える損害賠償を支払う義務がないとして起こした裁判がきょう、さいたま地裁で始まりました。
性被害を受けたと訴える石丸さんはこれまで、「SMILE-UP.」が設置した救済委員会から提示された1800万円という金額に同意せず、「SMILE-UP.」側が調停を申し立てていました。
しかし、調停でも両者は合意に至らず、「SMILE-UP.」側が先月、石丸さんを提訴していました。
きょう行われた第一回口頭弁論で、石丸さんは「余剰金が莫大にあるなかで、今の1800万円は受け入れられません」「(多額の余剰金があるならば)支払い対象者の750人に均等分配すべきではないでしょうか」などと主張。そのうえで、「SMILE-UP.」に対し、補償金額として1億8000万円を求めました。
これに対し、「SMILE-UP.」側は「被害者は多数であり、他の被害者との間の公平を図る必要が大きい」と主張しています。
きょうの裁判の後、石丸さんは「きょうの裁判は私に対する裁判というよりも、被害を受けた全ての方々に対する裁判でありたい」「すでにお金をもらっている方々も追加でもらえるようにしたい」と話しました。
この裁判について「SMILE-UP.」は、「今後の裁判手続においても、被害者救済委員会と相談しながら当該ご申告者との話し合いを続け、裁判所のご判断に従って、早期に補償を実施してまいる所存です」としています。