東京2020オリンピック・パリ2024五輪で男子バレーボール日本代表キャプテンを務め、イタリア・セリエA ペルージャで活躍中の石川祐希を輩出した中央大学 バレーボール部 から、3人の“SVリーガー”が誕生する。
大学バレーボールリーグの強豪、中央大学は今季、春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 優勝(9年振り19回目)、第43回東日本バレーボール大学選手権大会 優勝(7年振り6回目)、秋季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 4位、第77回秩父宮賜杯全日本バレーボール大学男子選手権大会 ベスト16と好調。
そんな中央大学 バレーボール部から、澤田晶・山崎真裕 がウルフドッグス名古屋へ、柿崎晃 山根大幸 が日本製鉄堺ブレイザーズへ入団することが内定した。
12月20日に開催された内定発表会で、3人が抱負を語り、部長、監督、2チームのゼネラルマネージャーらが彼らへの期待を伝えた。
澤田晶 MB_愛工大名電高校 → 中央大 総合政策学部 → ウルフドッグス名古屋
愛知県一宮市で生まれ育った身として、地元名古屋のウルフドッグス名古屋に内定し、これまでバレーボールを続けてきて、地元チームで戦力として貢献できることをうれしく思っています。
身長2メートルという恵まれた体格からの豪快なスパイクとブロックが強みです。今後は、SVリーグでの活躍はもちろん、日本代表に選ばれるよう、がんばります。
山崎真裕 MB_星城高校 → 中央大 総合政策学部 → ウルフドッグス名古屋
小さいころから夢だった舞台でプレーできることを、いまうれしく思っています。
1本目のレシーブが乱れてもカバーできるクイックな機動力とブロックで、ウルフドッグス名古屋の勝利に貢献できる選手になるようがんばります。
イタリア セリエA チームへの海外派遣経験で、自己管理能力の大事さを学びました。また、セリエA選手たちはボールに触る前のアップや、身体をつくるトレーニングに時間をかけているところも学び、いまのプレーに活かされています。
ウルフドッグス名古屋 佐藤和哉 部長「地元とクラブをつなぐ選手として成長してほしい」
愛知県に本拠地をおくチームとして、地元出身のすばらしい選手2名がウルフドッグス名古屋に入団してくれることを、うれしく思います。
2人とも、中学時代から注目していました。愛知県の名門高校へ進学し、中央大学でもすばらしい環境と仲間たちで切磋琢磨してきた。
中央大学の取り組みである海外派遣もみて、成長を感じていました。間違いなくSV[リーグでも活躍できると。
澤田選手は、我がチームではめずらしい2メートルという身長を活かしたブロック、1対1の戦いに強い。外国人選手も増えたなか、ミドルブロックは貴重な存在です。
山崎選手は、自身も認めているブロックが強味です。アタックも広角で打ち分けられる強さがある。
2名とも、同じポジションを争うことになるので、よきライバルとして、長く地元でプレーしてほしい。
地域に根ざしたウルフドッグス名古屋ですので、バレーボール以外でも、地元とクラブをつなぐ選手として成長することを願っています。
柿崎晃 OH_北海道科学大高 → 中央大 商学部 → 日本製鉄堺ブレイザーズ
小学校2年生からバレーボールを始めて、中央大学バレーボール部で、トップレベルの環境のもとでプレーできて、SVリーグ日本製鉄堺ブレイザーズに内定し、ほんとうにうれしく思っています。器用さとレシーブの安定さが強みで、入団後も全力でがんばります。
日本製鉄堺ブレイザーズは、自分にとって新たなチャレンジ。チームの勝利に貢献し、さらに日本代表に選ばれるように挑戦していきたい。
また、イタリアセリエAチームへの短期派遣では、練習の熱量や、1本1本に全力で向き合う姿勢や、日本では体感できない高さやスピードなど、ハイレベルの環境を大学生ながら経験できたのは貴重でした。
山根大幸 MB_前橋商業高校 → 中央大 商学部 → 日本製鉄堺ブレイザーズ
あこがれの舞台でプレーできるといううれしい気持ちでいっぱいです。これからしっかり身体づくりに専念し、いままでお世話になった人に恩返しできるように精進していきます。
日本製鉄堺ブレイザーズには、野沢監督の先輩でいまも現役で活躍している松本慶彦選手がいます。松本選手の現役にこだわる姿勢にも尊敬しています。
柿崎とはポジションも違うので、互いに切磋琢磨しながら、いっしょに試合に出て戦う姿をみせられるようにがんばります。
日本製鉄堺ブレイザーズ 長谷川博之 GM 強化部長「新日鉄時代からの『鉄のブロック』を担ってほしい」
山根選手はアンダーカテゴリにきたときに、クイックの幅の広さ、非常にいいサーブを打つという印象でした。
柿崎選手はサーブレシーブ能力の高さ、ストレートとクロスを打ち分けられる力を感じました。
腕の長さを活かしたミドルブロックのブロック力は、チームにとって武器になります。
日本製鉄堺ブレイザーズは、新日鉄時代から『鉄のブロック』といわれ、ブロックの強いチームとして知られています。
この『鉄のブロック』を、2人にも担ってほしいと思います。
そして、日本製鉄堺ブレイザーズ vs ウルフドッグス名古屋で、ここにいる4人の選手全員が、ひとつのコートのなかで戦う日を楽しみにしています。
バレーボール部 斎藤和也 部長「50年以上にわたり継続してトップリーグへ送り込む強さ」
来年140周年を迎える中央大学のバレーボール部は、昭和21年に創部し来年80年目を迎えます。こうしていま、4名がトップリーグに内定し、うれしく思っています。
中央大学 バレーボール部は、57年前からトップリーグへと戦力を送り込み、昭和39年以降 累計部員数430名のうち、日本リーグやVリーグ、SVリーグなどに100名以上を超える選手を送り込んできました。
半世紀、50年以上にわたって継続してプロチームに選手を送り続けているのは、日本体育大学と中央大学だけです。
今後も、入団に満足することなく、企業人として、トップアスリートとして活躍することを期待しています。
野沢憲治監督「なによりもいい環境で、選手として、人間として成長してほしい」
中央大学 バレーボール部は、「中央大学から世界へ」という想いで、石川祐希から始まり、これまで述べ12名の学生をイタリアセリエAチームへ短期派遣させてきました。
来年は1月中旬から3月までの2か月間、1~2年生の3人がイタリアセリエAの環境下でいろいろ学ぶことになります。
舛本颯真(総合政策学部2年)がシエナ、土井柊汰(文学部2年)がサンドナ、坂本アンディー世凪(総合政策学部1年)がヴェローナへ行きます。
まずは行く前に明確な目標を持つこと。そしてなによりもいい環境で、選手として、人間として成長してほしい。期待しています。
今後も、後輩たちがこうした選手に続いてくれるよう、サポートしていきたいと思います。
「プロとしての姿勢や考え方なども体得したい」
舛本颯真:自分は海外に行くことが初めて。不安も大きいですが、いろいろな選手と人とコミュニケーション取って、友だちを50人をつくりたいです。
土井柊汰:イタリアでは、これまでのバレー人生で経験したことがないようなスキルを吸収して帰ってきたいです。イタリアの食文化も学び、日本に戻って自炊で活かしたい。
坂本アンディー世凪:各国のトップ選手たちのバレーボールをはじめ、プロとしての姿勢や考え方なども体得して、自分に還元したい。海外選手とコミュニケーションをしっかりとってプレーしたい。
―――石川祐希の背中を追いかけ、“文武両道”でさらに強くなる中央大学 バレーボール部。その活躍に今後も注目だ。