引っ越しの際などに使用される言葉、それが「住めば都」です。
しかし、この言葉はどのような意味を持つのでしょうか?
ここでは「住めば都」の意味はもちろん「住まば都」との違いについても解説します。
「住めば都」とは
ここでは「住めば都」の意味を解説します。
「住めば都」の意味
「住めば都」は、どんな場所も住み慣れると居心地が良くなることの例えです。
どのような環境であってもそこで暮らしているうちに慣れ、住みやすくなってくるものだということを例えたことわざとなります。
最初は「ここで暮らしていけるのだろうか」と不安があっても、実際に住み始めるとすぐに慣れるという意味もあります。
「住めば都」の用い方
「住めば都」は住環境や引っ越しについての表現として使用します。
・例文1:あの町は電車もバスもなくて不便だけど、住めば都というように引っ越してしまえばきっと快適な生活が待っているはずだ。
・例文2:この物件の周辺には何もないけれど、いざ暮らしてみるとのどかな公園や豊かな自然があるとわかった。住めば都というもので慣れれば快適だ。
・例文3:転勤で単身赴任しなければならなくなったが、住めば都というもので新天地にすっかり馴染んでしまった。
このように「住めば都」はあまり褒められた場所ではなくとも、いざ暮らし始めたら慣れて住みやすくなるという意味で使用されます。
つまりは慣れてしまえば気楽に感じられることを指す言葉です。
転じて、辛い境遇でも慣れてしまえば苦にならないというような状況に対して使用されることもあります。
「住めば都」と「住まば都」の違い
ここからは「住めば都」と「住まば都」の違いを解説します。
「住めば都」の誤用
「住めば都」は「住まば都」と混合される場合があります。
しかし「住まば都」は「住めば都」の誤用によって生まれた言葉です。
そのため、正しくは「住めば都」となるので注意しましょう。
一方で「住まば都」という言葉も実際に使用している人がいるため、どのような違いがあるのかを知っておくことも必要です。
「住まば都」との違い
「住めば都」と「住まば都」はニュアンスが変わるので注意が必要です。
前述の通り「住めば都」は、どのような環境であっても住んでしまえばやがては慣れて快適になるものだということを意味します。
対して「住まば都」は、住むなら都会がいいということを指します。
両者はよく似た言葉ではあるものの意味合いが変わってくるので、使用する際は混合しないよう注意しましょう。
「住めば都」の類義語
ここからは「住めば都」の類義語を紹介します。
地獄も住み家
「地獄も住み家」は、どんな酷いところでも住み慣れれば大して気にならなくなることの例えです。
地獄のような酷い場所であっても、暮らし始めたら案外居心地が良くなるということを指します。
その点が「住めば都」と似ているのではないでしょうか。
ただし「住めば都」は“慣れない場所でも”という心境が前提となります。
対して「地獄も住み家」は“酷い場所でも”という状況が前提となります。
確かに「住めば都」も褒められた環境ではないことが前提となりますが、酷い場所というより慣れない場所との意味合いが強いです。
両者は似ているようで前提となる状況が変わることもあるので、その点は注意が必要となるでしょう。
まとめ
「住めば都」はどのような環境であっても、住んでしまえば意外と慣れて住み心地が良くなってくることの例えです。
例えば、引っ越しで新天地に行くとなると不安や心配が勝って「本当に暮らしていけるのか」と頭を抱えることもあります。
しかし、いざ新しい町で暮らし始めるとその生活にすっかり馴染んでしまうものです。
「住めば都」はそういった状況を例えた言葉となります。
ただし、住むなら都会の方がいいという意味の「住まば都」とは意味が変わるので、その点は注意が必要となるでしょう。
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