ふだんはクールに見える猫も、私たち人間と同じように感情の変化があり、喜怒哀楽豊かに生きています。そして、もし仲間猫を失ったときには、猫の気持ちは揺さぶられ、それは行動にも影響を与えます。ここでは、仲間猫の死に残された猫に見られる行動パターンと複雑な感情について詳しく解説します。
仲間を亡くした猫に見られる5つの行動
慣れ親しんだ大切な存在を失うことは、猫にとって望まない大きな環境変化です。猫は喪失や悲しみを感じても、がんばって環境の変化に耐えるしかすべがありません。
仲間猫を亡くした猫がする行動は、そんな感情の昇華を反映している場合があります。
1.落ち着きがなくなる
仲の良い猫がいなくなったときに、残された猫に落ち着きがなくなるのは、よく見られる行動です。亡くなった猫を家中探し回るような様子も見られます。
入院中の死亡や知らないところで仲間猫が死亡した場合、残された猫にとっては、ただ突然いなくなってしまった感覚しか残りません。
ふだん行かないような場所に行ってウロウロしていても、猫にとっては「あのコ」を探しているだけなので、けっして止めさせたりせず、優しく声をかけてあげるようにしましょう。
2.食欲が落ちる
いつも一緒にいた猫がいなくなったときの喪失感は特に大きいものです。猫は、急激な環境の変化にすぐに慣れることはむずかしく、ストレスから食事量が極端に減少したり、好きなものにも反応しないほど食欲がなくなったりすることがあります。
健康な猫であれば2〜3日程度の食欲不振があっても、身体を維持するためにも本能的に食べるようになりますが、それ以上であれば獣医師の診断をあおぐ必要があります。
3.無気力・活動量の減少
仲間の猫を失いひとりになった猫は、お気に入りの昼寝の場所もひとりで過ごさなくてはいけません。お互いに毛づくろいをし、寄りかかって寝ていた相手がいなくなるため、すべてがネガティブに感じて「やる気」を失ってしまうケースが見られます。
以前よりもおもちゃ遊びや走り回って運動することに興味を示さなくなり、長い時間を寝て過ごすこともあるかもしれません。そっとしておいても構いませんが、時間がある時には寄り添って慰めてあげるようにしましょう。
4.鳴き声の変化
鳴き声が変化することもあります。これまで聞いたこともないような不安げな声で鳴いたり、鳴く頻度がやたらと増える、あるいは逆に減っておとなしくなったりすることもあります。
これは残された猫が、亡くなったコがいないという環境の変化を受け入れ始めている証拠です。仕方ないと受け入れる一方で、順応しきれていない気持ちも残るため、どこにいるのか探そうとしてしまうのです。
そのため、鳴き声をあげて亡くなった猫を呼ぶような行動をするかもしれません。いつまで鳴くかと不安になるかもしれませんが、猫はすこしずつ理解していくので心配はいりません。
5.執着行動・飼い主への依存
亡くなった猫のニオイが残るモノや場所から、片時も離れずに一日中過ごす執着行動が見られることがあります。また、以前よりも飼い主にべたべた甘えることもあります。
仲間猫がいない環境を自覚しはじめ、また同じことが起こらないように離れないようにしているのかもしれません。飼い主への甘えが過剰になると、今度は分離不安症を引き起こすおそれがあります。
お互いに心を癒すことは大切ですが、日常的なルーティンを維持することも重要です。食事の時間やお留守番の時間も、これまで通りに生活しましょう。
飼い主としてできることは?
猫が変化への対応に苦しんでいるときには、これまでの生活パターンを変更せず、できるだけ何事もなかったかのような毎日を送ることが大切です。
飼い主さんは一時的にお仕事を休んだりして、在宅することもあるかもしれませんが、それ以外は食事と睡眠の時間を基本とし、いままでのように過ごしましょう。帰宅後などに定期的に遊んでいた場合は、遊びも再開してください。猫が飛びつかなくても時間に行動することが愛猫の安心感を引き出します。
もし、残された愛猫に食欲不振が見られる場合は、すこしでも食べるよう工夫しましょう。香りが立つよう食事を人肌くらいにあたため、軽くトッピングするなどの方法があります。
ただし、メインフードごと変更するのは、逆にストレスとなります。また、3日以上の絶食は肝臓を痛めますので、まったく食べないときははやめに獣医師へ相談してください。
また、すぐに新しい猫のお迎えも、愛猫にとっては、さらなるストレスとなります。愛猫の様子は半年程度で元に戻ると言われていますので、気長に癒されることを願いましょう。
まとめ
猫の感情は、おそらく私たちが思っているよりもずっと繊細なようです。実際に猫が、死に対してどのように理解しているかはわかりません。しかし、仲良しだった相手がいなくなってしまった「異常さ」をどのように感じているかは、猫の感情と行動の変化にもあらわれるのです。
飼い主としての役割は、第一に猫の健康管理にありますが、家族として猫が感じている衝撃に寄り添って、できるだけ日常生活の安定を保つことです。
大きなショックを受けた猫も、長くて半年くらいで元の生活に戻るといわれます。回復には時間がかかる可能性があることを理解して、愛猫のペースに合わせるようにしましょう。
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