猫は、賢い動物です。クールを装いながらも、実は、まわりの状況をしっかり把握しています。今回は、冷静な観察力をもとに、まるで「空気を読む」かのごとく行動する猫の代表的なシーンを3つ紹介します。みなさんの経験に照らし合わせながら、ぜひ一読してみてください。
1.邪魔せずそっとしておいてくれる
たとえば、仕事中に愛猫に邪魔されると、多くの飼い主さんは、ちょっと困ったな、と思うはずです。しかし、本音では小躍りし、「もっと!」と叫ぶ自分もいます。
邪魔を欲しがる飼い主さんと関心を集めたい愛猫の思惑が一致し、結局、ウィンウィンの関係となって、まったく仕事が捗りません。
一方で、この世には「邪魔しない」猫も存在します。いわゆる「空気が読める」子です。
そんな猫たちは、仕事であれ、料理であれ、珍しくお片づけ中であれ、飼い主さんが集中して何かに取り組んでいるときは、決して甘えてきません。
オジャマ上等な猫からすれば、「今、邪魔しないでいつ行くんだよ!」とヤキモキする場面でしょう。
猫は、もともと単独のハンターで、鋭い観察力を武器に、獲物を襲い、ときに天敵から逃れます。まわりの状況を冷静に読み解くことは、生き残るために必須のルーティンです。飼い猫になってからも、その習性は変わりません。
何かに集中する飼い主さんを見て、愛猫が「今は、そっとしておこう」と判断するのは、そう難しいことではないはずです。空気を読まずに、気持ちのまま甘えに行くと、冷たくあしらわれてガッカリすることもあります。
在宅ワークがひと通り終わった直後、実にタイミング良く、愛猫が甘えにきたとき、飼い主さんはこう思うに違いありません。「この子は空気を読む天才かも!」。いつの間にか、仕事の疲れも吹っ飛んでいます。
これもまた、形を変えたニャンニャン(ウィンウィン)の関係です。
2.飼い主さんの様子がおかしいとき
いつも元気で笑っていられたら良いのですが、そうも言ってられません。仕事続きでくたびれたり、風邪を引いたり、人間関係のトラブルに見舞われたり、飼い主さんもいろいろと大変です。
日々、間近で見守りながら、愛猫は飼い主さんの状態をよくわかっています。判断材料は、猫自身の感覚を通してとらえる「違い」です。立ちふるまいや声のトーンなどから、愛猫は飼い主さんの微妙な変化を見抜いています。
代表例を挙げると、風邪などで体調が悪いときです。飼い主さんの異変に気づいた猫の反応は、主に2通りあります。ひとつは「心配そうに寄り添う」、もうひとつは「あえてそっとしておく」です。もちろん、それぞれの猫によって、距離感は異なります。
ただひとつ、共通しているのは、飼い主さんの変化に合わせて、愛猫が自分の行動を決めているらしい、ということです。風邪で寝込んだとき、いつもはクールなのに寄り添う、あるいは、甘えん坊なはずなのに大人っぽく遠くから見守る、といったように。
距離感がどうであれ、飼い主さんは、愛猫のやさしさを感じずにはいられないはずです。「ちゃんと見てくれているんだね」と嬉しくなる人もいるかもしれません。調子を崩したときにこそ、愛猫のさりげない行動が心に沁みます。
3.家族の危機に…
愛猫がおうちにいてくれて、「助かった」「救われた」と感じたことのある飼い主さんはきっと多いはずです。
数ある危機的状況の中でも、家族関係に亀裂が生じたときほど、愛猫の存在がクローズアップされる場面はないかもしれません。
夫婦ゲンカ、家族間の冷戦など、密接な関係性だからこそ、ちょっとしたすれ違いがきっかけで、揉め事が勃発します。愛猫がいるとわかっていても、つい大声を出して、言い争いになってしまいがちです。
通常の猫であれば、突然始まった騒ぎに驚いて、どこか安全な場所に避難するはずですが、「空気を読める」子は、その場に留まって、仲裁役を果たします。
たとえば、夫婦ゲンカで、どちらかが素直に謝れば済むのに、お互いに一歩も引かず、ムキになって激しい口論が続いているときです。
二人の間に入って、愛猫が「ニャー」とひと声鳴くだけで、燃え盛る炎を一瞬で消し去ってしまいます。愛猫の唯一の願いは、穏やかな「いつもの日常」が戻ることです。
猫の鳴き声には、家族間の険悪なムードさえも、脱力化させるパワーがあります。のちに悲しい結末につながる危機の芽を、実は、愛猫が未然に摘んでくれています。
今、この瞬間にも、世界のどこかで、「愛猫のひと声」によって、多くの飼い主さんが救われているはずです。
まとめ
一般常識では、猫は空気を読まない、と考えられがちです。空気を読まないからこそ、好き、という猫好きさんもいるでしょう。結論から言えば、空気を読める猫もいます。
代表的なシーンは、飼い主さんが「集中しているとき」「具合が悪いとき」「家族同士で揉めているとき」の3つです。
いくら空気を読む天才児であっても、手に余るレベルもあります。愛猫の手を煩わせないためにも、特に、日頃から風通しのよい家族関係を心がけましょう。
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