犬に対して「おいで」「カム」などの言葉で飼い主さんの足元まで来させることを「呼び戻し」といいます。これは犬と暮らすうえではとても大切なしつけの一つなのですが、なかなか反応してくれない犬もいるようです。
呼び戻しが必要な理由
犬を呼んで飼い主さんの近くまで来させる「呼び戻し」ですが、こちらはただかわいいだけの行動をさせているわけではありません。犬が人間社会で暮らすうえで、飼い主さんの呼び声に反応させることは安全のためとても重要な意味を持っています。
まず散歩をしているときなど、ちょっとしたアクシデントでリードが外れてしまったりハーネスが脱げてしまったりすることがあるかもしれません。その際、犬たちは身軽になって走り出してしまう可能性があります。
この状態で道路に飛び出したり、よその人に飛び掛かってしまったりしては取り返しのつかない事故につながる危険があります。そんなときに「おいで」「カム」などの言葉がけで犬が自分の足元に寄ってくるトレーニングができていると、このリスクを大幅に減らすことができるのです。
またほかの犬と接近した際も、「おいで」「カム」のトレーニングができていると、必要以上にほかの犬へ近づく前に呼び戻し、犬同士一定の距離を保つことができるでしょう。
「おいで」に反応しない理由と対策
犬が呼び戻しに反応しない理由にはいくつかの原因があります。
1.呼ばれて近づいたら嫌なことをされた
犬たちは嫌なことをされるとその直前の出来事と結び付けて覚えます。せっかく名前を呼ばれて飼い主に近づいたのに、無理やり抱っこされた、無理やり歯を磨かれた、無理やり爪切りをされた、大きな声で叱られたなどの経験をさせたことはありませんか?
これを繰り返すと、犬は「呼ばれた」=「嫌なことをされる」と思い出し、呼び戻しに応じることがなくなってしまいます。
もしこの状態に陥っていた場合、犬に「呼ばれたいいことがある」と覚え直してもらうようにしなければいけません。こちらは根気が必要で、おやつを使って犬を呼び近くに来たらしっかり褒めておやつをあげるといった練習を繰り返し繰り返し行います。
2.呼び方がたくさんあって覚えられない
犬を呼ぶ際、どんな呼び方をしていますか?
「おいで」「カム」「来て」「来い」など様々な言い方をしてはいないでしょうか。犬は人間の言葉をある程度は理解しますが、単語がばらばらだとそれぞれの意味を理解できなくて混乱してしまいます。呼び戻しを行いたい場合、家族の中で言葉を統一することが大切です。
3.飼い主が先に近づくから
犬を呼んでも近くに来ないからという理由で、ついつい飼い主が近づいてしまう経験はありませんか。これは犬にとって「行かなくても向こうからくる」ことが習慣になってしまって、呼び戻しに応じなくなってしまうパターンです。
また飼い主が追いかけてくるから楽しくなって逃げ回るという犬もいます。遊んでいる感覚なのでしょう。しかしこれは道路への飛び出しなどの可能性が高まり大変危険です。
こういった場合、まずは短めの距離から呼び戻しの練習をすることをお勧めします。リードの長さ程度の距離を開け、呼び戻しに応じたらおやつなどをあげてしっかり褒めてあげましょう。慣れてきたら少しずつ距離を伸ばしていきます。
ここでの注意点として、犬を呼んだら飼い主の方からは近づかないこと。追いかけられると犬は逃げるものなので、犬の方から近づいてくるのを根気よく待つことが必要です。
まとめ
犬の安全を守るためにも呼び戻しのトレーニングは大切です。おやつ、おもちゃなど犬の喜ぶものを利用して、まずは室内でしっかり練習をしていきましょう。
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