アメリカのトランプ次期大統領はデンマークの自治領グリーンランドと中米のパナマ運河について、自らが主張する領有や返還の実現に向けて軍事力の行使も排除しないと発言しました。
【動画】トランプ次期大統領、グリーンランドとパナマ運河について“領有や返還の実現に向けて軍事力の行使も排除しない”と発言
アメリカ トランプ次期大統領
「パナマ運河とグリーンランドについて、(軍事的・経済的圧力を)かけないとは確約できない。経済安全保障のために必要だと言うことはできる」
トランプ次期大統領は7日、パナマ運河の返還と、デンマーク自治領グリーンランドの領有に向けて軍事力の行使も排除しないと強調しました。
グリーンランドについては「デンマークに所有する法的権利があるかどうかも分からない」とし、「自由な世界の安全保障を守るために放棄すべきだ」などと一方的な主張を展開しています。
グリーンランドには長男のトランプ・ジュニア氏が7日、プライベートジェット「トランプ・フォース・ワン」で訪問し、圧力を強めています。
また、トランプ氏はロシアのプーチン大統領が「私と会いたがっている」と話しました。
ただ、「就任後24時間以内で終わらせる」と豪語していたウクライナ侵攻については「就任から6か月、できればそれよりかなり前に終わらせたい」と発言を後退させています。
トランプ氏は、NATO=北大西洋条約機構の加盟国についても言及しました。
トランプ次期大統領
「NATO加盟国は国防費を5%にするべきだ。2%では不十分だ」
トランプ氏は、NATOの加盟国は国防費を十分に負担していないとして「アメリカに甘えている」と不満を表明。国防費をGDP=国内総生産の5%にまで大幅に引き上げるよう求めました。
そして、中東情勢をめぐっては、パレスチナ自治区ガザでイスラエルと戦闘を続けるイスラム組織「ハマス」に対し、拘束している人質の解放を求めて圧力をかけました。
トランプ次期大統領
「私が大統領に就任するまでに人質が解放されなければ中東は地獄になるだろう」
アメリカの「ニューズ・ウイーク」は、「トランプ氏は一国主義的な外交を展開するだろうが、方向転換してさらに不確実性を高めるかもしれない」と伝えています。