帝国データバンクは、人手不足倒産が過去最多を更新し、2年連続の大幅増となったと発表。
2年連続で過去最多
2024年の人手不足倒産は、累計で342件に達した。
前年の260件から約1.3倍と大幅に増加し、2年連続で過去最多を更新。
業種別では、建設業が99件(前年比+8件)で最も多く、物流業も46件(同+7件)と高水準だった。
建設・物流で顕著
また、新たな時間外労働の上限規制が適用された「2024年問題」に直面した両業種で、全体の4割強を占めた。
その他、労働集約型の産業である飲食店(16件、同+7件)や、美容室やネイルサロンなどの美容業(9件、同+5件)。
さらに、労働者派遣業(8件、同+5件)、警備業(6件、同+5件)なども急増した。
今後も深刻な人手不足
人手不足倒産のなかでも最も多くを占めている建設業は、今後も深刻な人手不足が想定される。
業種別のなかでも景況感は高水準であるなか 、毎月勤労統計を見ると総実労働時間や出勤日数など、2024年は減少傾向。
時間外労働の上限規制が影響したと考えられるが、人手不足のなか労働時間も減少したことで、より経営の舵取りが困難になったといえるだろう。
省力化・効率化が必要
加えて、高齢化の波も押し寄せる。
物流業では18.6%となり建設業と比較してやや低いものの、50歳以上の割合では49.5%と約半数にのぼる。
今後も建設・物流業における労働時間と就業者数はいずれも増加が見込みにくく、省力化・効率化が急がれる。