パラノルディックスキーのアジアカップ札幌大会最終日は9日、北海道・札幌市の白旗山競技場で行われ、北京冬季パラリンピック男子20キロクラシカルで金メダルを獲得した川除大輝(23、日立ソリューションズ)が、男子5キロフリー(立位)で、貫録の走りをみせ優勝した。
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川除は生まれつき両手足の一部の指がなく、ストックを持たずに滑るため、両腕を大きく振ることで推進力を補っている。上半身と下半身を連動させ、スキー板をしっかりと踏むことで雪面に力を与え、スキーを滑らせている。
今年初の国際大会となった今大会には、日本のほか、強豪・中国やウクライナなど5か国から30人余りの選手が出場。今日の男子5キロフリーでは、川除が苦手とするフリー走法でのレースだったが、調子が悪い中でもしっかりと勝ち切ってみせた。
「今シーズン、国際大会での表彰台は初めてだったからうれしかったが、課題としている上り坂の滑りが自分の思っている通りに出来なかった」と、反省点も口にした川除。それでも来年に迫る、ミラノ・コルティナダンペッツォパラリンピックに向けては、「今回の勢いをそのままに1年後のパラリンピックでも北京パラリンピックに続いて2連覇したい」と意気込みを語った。
*写真中央が川除大輝選手。
■川除大輝(かわよけ たいき)
2001年2月21日生まれ。富山県富山市出身の23歳。
生まれつき両手足の指の一部が欠損している。6歳の時にクロスカントリースキーを始める。パラリンピックを目指すきっかけとなったのは、日本のパラクロスカントリースキー界のレジェンド、新田佳浩の存在だった。新田を目標とし、努力を重ねた川除は、19年の世界選手権で日本史上最年少での金メダルを獲得。2度目のパラリンピック出場となった22年の北京パラリンピックでは、男子20キロクラシカルで金メダルを獲得した。