■第103回全国高校サッカー選手権・決勝(13日、国立競技場)
全国高校サッカー選手権の決勝が13日に国立競技場で行われ、関東勢同士の決勝は前橋育英(群馬)がPK戦で流通経済大柏(千葉)を下し7年ぶり2度目の優勝を果たした。
全国3800校の頂点を決める決勝、チケットは完売となり、国立競技場には過去最多となる5万8347人が集まった。2017年、前橋育英が初優勝を飾った時以来、決勝での対戦となった。ともに高校サッカー最高峰リーグのプレミアリーグEASTに所属する強豪。
気温12℃、風速7.7m/sと風が強いコンディションとなった。前半開始早々から流経大柏は前線からプレッシャーをかけてボールを奪うと、宮里晄太朗(3年)がファーストシュートを放った。
前半12分、流経大柏は左サイドでJ2カターレ富山に内定している亀田歩夢(流経大柏、3年)がボールを持つと、中央に切り込み2人を交わすと、落ち着いてゴール右隅に叩きこみ、貴重な先制点を奪った。
流経大柏は前半26分、コーナーキックから粕谷悠(3年)が打点の高いヘディングシュートを放ったが、ゴールの上に外れてしまった。
前半31分、ここまで押されていた前橋育英は右サイドで黒沢佑晟(3年)が粘ってボールをキープし、センタリングをあげると、中央で柴野快仁(2年)がヘディングで合わせて同点に追いついた。
後半に入っても前橋育英ペースだが、流経大柏はキャプテンの佐藤夢真(3年)がここまで4得点あげているエース・オノノジュ慶吏(前橋育英、3年)に対し、体を張ってのディフェンスでチームに流れを呼び込んだ。
後半10分、流経大柏はチャンスを作ると、中央の山野春太(流経大柏、3年)が右足でややアウトサイドにかけたミドルシュート、これを前橋育英のキーパー、藤原優希(3年)が横っ飛びで完璧にはじき出した。
後半18分、流経大柏は一気に3人を交代し、勝負を仕掛けた。19分にはゴール前のこぼれ球を粕谷悠(3年)がミドルシュートを狙ったがキーパー正面。さらに奈須琉世(3年)もこぼれ球を狙ったがこれもキーパーの正面となってしまった。23分にはロングスローから奈須がヘディングで狙ったがゴール右に外してしまった。
攻撃を仕掛けていた流経大柏だったが後半18分に途中交代した和田哲平(3年)が右足首を痛めて、まさかの負傷交代となった。
33分にはここまで攻め続けられていた前橋育英はカウンターで途中出場の白井誠也(2年)がドリブルでボールを持ち込むと、中央で待つオノノジュ慶吏(3年)にアーリークロスもわすかにつながらなかった。43分には前橋育英は流経大柏ディフェンスを崩すと同点ゴールを奪った柴野が中央から狙ったがゴールの上に外してしまった。
お互い意地と意地のぶつかり合いは90分では決着が付かずに延長戦へ、延長戦半から前橋育英ペースだが流経大柏はディフェンスで遅れるシーンもあったが、シュートコースに体を入れてディフェンス、体を張ってシュートを防いだ。
延長後半10分を戦っても決着がつかず、決勝では4大会ぶりとなるPK戦へ突入となった。先行は流経大柏・亀田が落ち着いて決めた。お互いに2人目、3人目を成功させ、PK戦でもお互い一歩も引かない。
流経大柏は4人目、奈須が落ち着いてゴール左隅に決めると、前橋育英は4人目・竹ノ谷優駕(2年)も完璧に決め返した。流経大柏の5人目はキャプテンの佐藤も左隅に決めた。前橋育英の5人目・鈴木陽(3年)が決めて両チーム5人が成功した。
6人目、7人目も成功すると流経大柏の8人目がキーパー藤原に止められた。決めれば優勝の前橋育英は途中出場の白井がゴール上に外して優勝を決められず。9人目はお互い成功すると流経大柏の10人目をまたもキーパー藤原が好セーブ。前橋育英は10人目がしっかり決めて、9-8で前橋育英が7年ぶり2度目の優勝を果たした。
激闘を見せてくれた両チームに集まった5万8347人が大きな拍手を送り続けた。