ラグビーの全国大学選手権決勝が13日、秩父宮ラグビー場で行われ、帝京大学が早稲田大学に33ー15で勝利し4連覇を達成した。最多16度の優勝を誇る早稲田は5大会ぶりの優勝に手が届かなかった。
早稲田は開始早々、いきなり2トライを決められ苦しい立ち上がり。それでも、前半終了までに日本代表でもある矢崎由高(2年)のトライなどで2点差に詰め寄り、反撃ムードで折り返した。後半2分には野中健吾(3年)のPGで逆転に成功。しかしその後は何度も敵陣に詰め寄るもトライを奪うことができず。逆に帝京にトライを決められ徐々に突き放され、優勝にあと一歩届かなかった。
最後までグラウンドに立っていた早稲田の主将・佐藤健次(4年)はノーサイドの瞬間、チームメイトと抱き合い健闘を称えあっていたが、客席に挨拶をする際には涙をこらえることができなかった。その後、会見場に目を赤く腫らしながら現れ、外から帝京の喜ぶ声が聞こえる中で敗因を語った。
「自分たちは全て出したが、帝京大学さんの方が勝つ執念が勝っていた。22mに入ったところの精度、何回も22mに入ったが得点できなかったところ。帝京大学さんのディフェンスが良かった」。何度も敵陣に迫りながらもノートライで抑えられた後半、気持ちで負けてしまったと悔しげに語った。
そして、早稲田で過ごした4年間について言葉を詰まらせながら振り返った。
「このような素晴らしい舞台で大学の最後の試合ができたことを嬉しく思います。23人のメンバーを誇りに思いますし、多くの方に支えられながらこの1年やってきたので、最後はふがいないキャプテンだったかもしれないですけど、このラグビー部で主将をやれて幸せな1年でした」
佐藤は2024年に日本代表に招集されるなど、将来を期待されている22歳。2025年度からリーグワン1部の埼玉パナソニックワイルドナイツに加入することも決まっている。「本当に大学ラグビーで得たこと、きょうの試合での悔しさを一生忘れずに27年(W杯で)スタメンで出ます」。この日の涙を糧に、今後の躍進を誓った。