中国・北京を訪問している自民党の森山幹事長ら与党議員団に対し、中国の王毅外相が「歴史問題や台湾問題に対する日本の態度を各国が注視している」と述べ、日本が慎重な行動をとるよう、くぎを刺していたことがわかりました。
北京を訪問している自民党の森山幹事長ら与党議員団は14日、王毅外相と会談しました。
中国共産党で対外交流を担当する中央対外連絡部によりますと、会談のなかで、王毅外相は「私たちはパートナーであり、脅威ではないという正しい認識を堅持しなければならない」と主張したということです。
また、今年は抗日戦争勝利80周年にあたるとしたうえで、「歴史問題や台湾問題に対する日本の態度を各国が注視している」と述べ、日本側がこれらの問題について慎重な対応をとるよう、くぎを刺しました。
さらに、日本が2023年版の防衛白書で、中国を「これまでにない最大の戦略的挑戦」と表現していることについて、「やめるべきだ」と注文をつけました。
一方、中国共産党系の国際紙「環球時報」は15日、日本の与党議員団が訪中するなど日中の往来が活発になっていることについて、清華大学の専門家の分析を掲載しました。
それによりますと、「往来の活発化は、アメリカのトランプ次期政権の誕生を間近に控え、アジア太平洋地域の情勢が変化していることが背景にある」としたうえで、「日本はトランプ次期大統領との会談の前に中国との対話チャンネルを固め、地域情勢の複雑さによる不確実性を回避しようとしている」と分析しています。