3年前、神奈川県茅ヶ崎市の住宅で住人の男性を包丁で刺して殺害した罪に問われている男の初公判が開かれ、弁護側が無罪を主張しました。
起訴状などによりますと、住居不定・無職の高井靖弘被告(52)は2022年12月、神奈川県茅ヶ崎市の住宅で、住人の55歳の男性の胸などを包丁で刺して殺害したなどの罪に問われています。
きょう、横浜地裁で開かれた初公判で、高井被告は起訴内容について間違いがあるか問われ、「ないです」と述べ、起訴内容を認めました。
検察側は冒頭陳述で、「被告は生活保護を受け、被害者が所有するマンションに入居していたが、入居以来5年以上、一度も家賃を払わず、民事訴訟で強制退去させられたことを生活基盤を壊されたと逆恨みし、殺害した」と指摘。「被告には妄想性障害があったが、影響は一定程度にとどまるうえ、正常な行動ができている」として、「完全責任能力はあった」と主張しました。
一方、弁護側は、殺害行為に争いはないものの、「強制退去を命じられたことで生活基盤を崩され、相手は自分を殺しに来ていると思うようになった」と述べ、心神喪失だったとして、無罪を主張しました。