犬に階段を上り下りさせるのは危ない?危険とされる4つの理由と特に注意すべき犬種をご紹介

2025-01-18 16:00

『犬が階段を上り下りするのはやめた方がよい』そう見聞きしたことはありませんか?なぜ危険なのかの理由と特に注意すべき犬種について解説します。

犬が階段を上り下りするのは危険な理由

階段を駆け下りるビーグルとスピッツ

お家の中はもちろん、散歩中も階段に出くわすことはよくありますよね。愛犬に上り下りをさせても問題はないのでしょうか?注意すべきリスクも存在するのです。

1.手足へのダメージの蓄積

犬の階段の上り下りが危険なのは、関節への負担が大きいからです。上るときは後足で全体重を支え、下りるときは反対に前足で支えます。

ということは、普段は4本足で立っている犬が階段を使うときは2本足で立つことになるため、手足へは相当の負担がかかります。階段を使う犬の足腰への負担は人間の3倍以上とも言われているのです。

手足の関節にダメージが蓄積されると関節炎を発症することも。肥満気味の犬はより負荷がかかるため早い段階で関節を痛めてしまいかねません。

2.腰や首への負担

犬が階段の上り下りをすることで腰や首への負担も相応にかかり、皆さんも見聞きしたことがあるでしょう「椎間板ヘルニア」を発症する危険性があります。

背骨の骨と骨の間にある椎間板が飛び出すことにより周りの神経を圧迫し、さまざまな症状が現れる病気です。

痛みが強いと日常生活にも支障をきたすようになり、歩行することが困難になる、また手足に麻痺が伴う場合もあるほど恐ろしい病気です。

3.滑りやすい

犬が階段を使うと危険な理由のひとつに「滑りやすいから」ということが挙げられます。一般家庭の階段は多くがフローリングと同じ木製の素材です。

滑り止めシートを敷くことで対策はできますが、まれに吸着が弱くシートごと滑ってしまうこともあります。ペット用の吸着が強いシートを使用することをおすすめします。

散歩中の階段や段差も、苔や落ち葉、降り積もった雪などで季節を問わず案外滑りやすいもの。危ないかな…と思えば避けて歩いた方が無難でしょう。

4.転倒・転落

犬が階段を使用することで転倒や転落のリスクも生じます。踏み外しや滑ることで一瞬のうちに事故は起こってしまいます。

犬は、下半身より頭部がある上半身の方が重い動物です。ですので階段を下りるときは重い上半身が下になってしまうため、犬は転ばないようにバランスを取らなくてはなりません。下りになるとへっぴり腰になるのはこのためです。

階段から落下した直後はいつも通りでも、数日たってから影響が出る可能性も。落下の衝撃で損傷した脳がてんかん発作などを起こすためです。もしも階段で転倒や転落をした場合は、すぐにかかりつけ医を受診してください。

階段の上り下りに注意すべき犬種

階段に手をかけるポメラニアン

犬が階段の上り下りをする危険な理由をご紹介しました。どの犬にでも起こり得るリスクですが、中でも注意すべき犬種が存在します。

  • ミニチュアダックスフンド
  • コーギー
  • フレンチブルドッグ
  • トイプードル
  • ポメラニアン

小型犬全般に共通することですが、負荷や衝撃がかかった際に骨が細いため骨折しやすいといえます。そもそも階段は人間用に設計されているため、特に体の小さな小型犬は上り下りがしずらいことは想像に難くありません。

上記に挙げた犬種たちは、遺伝的に椎間板ヘルニアになりやすい軟骨異栄養性犬種に分類されています。その中でも特にミニチュア・ダックスフンドは短い足をカバーするために腰を使って階段を上り下りします。そのため他の犬種より腰の負担が大きく、椎間板ヘルニアになる可能性が高まってしまいます。

膝の皿が外れる膝蓋骨脱臼も小型犬によく見られる疾患です。小型犬の中でもトイプードルやポメラニアン、フレンチブルドッグは発症率が高い犬種です。

中型犬の柴犬や大型犬のゴールデンレトリバーも発症リスクは高いとの統計があります。

まとめ

階段を降りる白い犬

『犬に階段は危険』といわれる理由をご紹介しました。難なく上り下りしているように見えても足腰へのダメージは蓄積されています。

特に骨の細い小型犬や遺伝的にヘルニアを発症しやすい好発犬種は十分な注意が必要です。滑り止め材を敷くなど愛犬が快適に過ごせる環境を整え、飼い主さんも日々注意深く見守ってあげてくださいね。

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