アメリカのバイデン前大統領は、20日の退任直前に、1月6日の議会襲撃事件へのトランプ氏の関与を調査した議会の委員会のメンバーらに「予防的恩赦」を出しました。トランプ氏の報復を避ける狙いです。
バイデン前大統領は20日朝、声明を発表し、1月6日の議会襲撃事件へのトランプ氏の関与を調査した議会の委員会のメンバーらに「予防的恩赦」を出すと表明しました。
大統領に就任したトランプ氏が政治的な訴追などを通じて報復するのを避ける狙いで、対象には共和党の中のトランプ氏批判の急先鋒として知られるリズ・チェイニー元下院議員も含まれます。
また、▼「独裁者に宣誓したいと思わない」とトランプ氏を批判したととられる発言をしたミリー前統合参謀本部議長と、▼新型コロナウイルス対策の重要性を訴え、トランプ氏と対立したファウチ元大統領首席医療顧問も恩赦の対象となりました。
バイデン氏は声明で「私は法の支配を信じているが、これは例外的な状況で、何もしないわけにはいかない。根拠のない政治的動機に基づく捜査は個人や家族の生活と安定、経済的安定に大打撃を与える」と説明し、恩赦への理解を求めています。