猫は、さまざまな理由で嘔吐をします。ただすべての嘔吐を同じように扱えるわけではなく、放置すると命に関わるような危険な嘔吐も存在します。そこで今回は猫の嘔吐について詳しく解説し、特に注意すべき「危ない吐き方」と、様子を見ても問題ない嘔吐との違いについてご紹介します。
放置厳禁!猫の『危ない吐き方』6選
1.1日に何度も吐く
猫が1日に何度も吐く場合、注意が必要です。目安として、4回以上の嘔吐はアウトだと思ってください。
繰り返し嘔吐するのは、消化器系の問題や中毒、毛玉や異物などによる物理的な閉塞といった病気の兆候であることが考えられます。
とくに急性胃腸炎による脱水や腸閉塞、異物摂取などは緊急性が高いので、早急に動物病院にて処置を受けなければいけません。
2.数日間嘔吐が続く
猫が数日間嘔吐を繰り返す場合、深刻な健康問題の兆候である可能性が高いです。
このような状態が続く背景には、腫瘍による閉塞、消化器系の病気や腎臓病、脾臓・肝臓といった内臓疾患が隠れている場合があります。
また重度の寄生虫感染を起こしている可能性や、腫瘍が原因で閉塞による嘔吐が引き起こされているケースも考えられます。
嘔吐が続くと脱水症状が進行し、体力を著しく消耗するため、早急に動物病院での診察が必要です。
3.吐しゃ物に血もしくは異物が混じる
吐しゃ物に血液や異物が混ざっている場合は、猫の体内で深刻な問題が発生している可能性が高く、緊急性の高い吐き方です。
血液が混ざっている場合は、口腔内や消化管内での出血や潰瘍、腫瘍などの重大な疾患が疑われます。
また異物が混ざっている場合は、猫が危険な物を誤飲している証拠。その異物が消化管を傷つけたり、腸閉塞を引き起こしたりする危険があるため注意が必要です。
腸へ移行する前に完全に異物を吐き出すことができたのであれば問題ありませんが、飲み込んでしまった量と吐き出された量が見合っていない場合、まだ消化器の中に異物が残っている可能性があるため、処置が必要なケースが多いです。
このような状態は、放置すれば猫の生命に関わる事態に発展する危険性が極めて高いため、発見次第、直ちに動物病院を受診する必要があります。
とくに糸や紐などの線状異物は腸を切断してしまう恐れがあるため、自己判断は絶対にせず、獣医による適切な処置を受けてください。
4.えずいても吐けない
猫がえずいても吐けない状態は、危険な吐き方として認識しましょう。もし飲み込んだ毛玉や異物が詰まっていたりすると、腸閉塞のリスクを伴う緊急事態である可能性が高いです。
さらにえずく動作が続くことで、食道に損傷を負って、さらに重症に陥るリスクも懸念されます。そのため、できるだけ早急に動物病院を受診しましょう
なお猫が口を開けて首を伸ばし、苦しそうに呼吸をしている場合は、呼吸器疾患(咳)である場合も考えられます。
5.ぐったりしていて反応が薄い、もしくはない
猫がぐったりしていて、普段のような活発な様子が見られず、飼い主の呼びかけにも反応が薄い、もしくは全くない場合は、危険な状態である可能性があります。
嘔吐自体は猫にとってそれほど珍しいことではありませんが、これに加えて猫がぐったりしている状態は、速やかに対処が必要です。考えられる原因には、感染症、腎不全、尿路結石、肝疾患あるいは中毒などが考えられます。
そのため嘔吐後ぐったりして反応が薄い場合は、一刻も早く獣医師に連絡し、必要な診察と治療を受けましょう。
6.下痢の症状がある
猫が吐くと同時に下痢の症状を示す場合も、危険なサインである可能性があります。もしかすると中毒などを起こしているかもしれません。とくに嘔吐と下痢が同時に起こり、さらに食欲不振や脱水症状が見られる場合は、迅速な対応が必要です。
脱水になると体内の水分が失われることで血流が低下し、器官の問題が起こったり、電解質異常によって器官の清浄な機能がされず意識がもうろうとするなどの命に関わる場合があります。
そのため、このような症状が確認された場合、早急に動物病院で診察を受けましょう!
様子をみても問題のない嘔吐との違い
食欲の有無
猫が嘔吐をした後でも普段どおりに食欲があり、食事を摂ることができる場合は、それほど深刻ではない場合が多いです。
たとえば早食いや毛玉の排出が原因であれば、特に健康に大きな影響はなく、その後も変わった様子はみられないでしょう。
一方で嘔吐後に食欲が極端に低下したり、全く食事を受け付けない場合は、体調不良や病気の兆候が考えられます。
ほかの症状の有無
様子を見ても問題のない嘔吐かどうかを判断する際には、嘔吐以外の症状の有無も重要なポイントとなります。単発的な嘔吐で、他に異常な行動や症状が見られない場合は、それほど心配する必要はないでしょう。
しかし嘔吐とともに下痢、発熱、元気消失、体重減少、または異常な鳴き声などの症状が見られる場合は、体調不良や病気の可能性が考えられます。
吐く頻度の違い
様子を見ても問題のない嘔吐と注意が必要な嘔吐の違いのひとつに、吐く頻度があります。たとえば早食いや毛玉の排出による嘔吐は、頻度が低く、単発的であることが一般的です。
一方で、短期間に何度も嘔吐を繰り返す場合や、嘔吐が断続的に続く場合は、消化器系の異常や内臓疾患の可能性が考えられます。
元気の有無
様子を見ても問題のない嘔吐と注意が必要な嘔吐の違いとして、猫の元気の有無が重要な判断基準となります。繰り返さない嘔吐で、普段通りに遊び、食欲がある場合は心配する必要は少ないでしょう。
しかし嘔吐後に元気がなくなったり、活動が著しく低下する場合は、体調不良や何かしらの病気が関連している可能性が高いです。
まとめ
猫の嘔吐は、さまざまな原因によって起こります。放置すると命に関わるような危険な嘔吐もあるため、飼い主さんは嘔吐の原因や症状についてしっかりと理解しておくことが大切です。
もし猫が嘔吐した際は、落ち着いて状況を観察し、必要であればすぐに獣医師に相談しましょう。
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