「高額療養費制度」自己負担額の上限引き上げ“全て見合わせ”へ 石破総理が表明 政府3度目の方針転換に厳しい批判も…【news23】
「高額療養費制度」をめぐり、7日夜に大きな動きがありました。石破総理は、自己負担額の上限引き上げについて、予定していた今年8月を含め「全て見合わせる」と表明しました。今回の石破総理の判断に与野党からは懸念の声や批判が相次いでいます。
3度目の方針転換…負担上限額引き上げ“見送り”表明
石破総理
「(高額療養費制度の)本年8月に予定されております定率改定を含めて見直し全体について、その実施を見合わせるという決断をいたしました」
高額の医療費がかかった際に、患者の自己負担額を抑える「高額療養費制度」。7日夜、石破総理は負担上限額の見直しについて、予定していた8月の引き上げも含め「全て見合わせる」と表明しました。秋までに改めて方針を検討し、決定するとしています。
石破総理
「本件の検討プロセスに丁寧さを欠いたとのご指摘をいただいておることを政府として重く受け止めねばならない」
負担上限額の引き上げについては与党内からも懸念の声が上がっていました。
公明党 谷合正明 参院議員
「命に関わることでありますので、改めて多様な国民の声を伺って判断していただきたい」
会見に先立ち、石破総理はがんの患者団体と面会。団体の代表者らは、上限引き上げに反対する13万を超える署名や、制度を利用する患者の声などを集めた3600を超えるアンケートを石破総理に手渡しました。
全国がん患者団体連合会 天野慎介 理事長
「負担に苦しむ患者・家族の声を聞いていただき、いったん全面凍結、いったん立ち止まって命のために再検討をお願いしたい」
石破総理は「患者に不安を与えたまま見直しを実施することは望ましくない」と説明。政府の方針転換は3度目で、総理の判断のブレに厳しい批判が相次いでいます。
立憲民主党 野田佳彦 代表
「ようやくようやく、石破さんも遅すぎる。これは英断ではなく優柔不断だった」
今後は、新年度予算案の再修正の可能性も含め、自民・公明両党に対応を検討するよう指示しています。
石破総理
「予算案が衆議院を通過いたしました後に、このようなことを申し上げるのは大変申し訳ないことだと思っておりますが、引き続き予算の年度内成立に向けて努力をしてまいる所存でございます」