猫と生活するということ|日常で気を付けたいことや注意すべきトラブルについて【現役獣医が解説】

2025-03-08 17:20

SNSやテレビなどでたくさんのかわいい猫ちゃんの映像を見つけることができます。きっと猫ちゃんの飼い主さんもいろいろなあこがれがあって一緒に生活をすることを決めた方が多いでしょう。しかし、人間とは違う生き物である猫ちゃんはどのようなことに注意が必要なのでしょうか。相手を知ることで、より暮らしやすく絆が深まることもあります。

猫ちゃんとの生活で飼い主さんはどうあるべき?

角から覗く猫

猫ちゃんを家庭にお迎えして、いろいろな飼い主さんたちにそれぞれのあこがれの生活があるでしょう。

しかし、猫ちゃんにはその生物種特有の性質があり、飼い主さんのあこがれやライフスタイルに合わせさせることで、猫ちゃんにとっては大きなストレスとなってしまう場合があります。

猫ちゃんとの生活で、飼い主さんはどんなことを踏まえた生活をしなければならないのでしょうか。

距離感

まず、猫ちゃんと飼い主さんの距離感は少し独特に感じるかもしれません。

ずっとかわいがってあげたい気持ちが飼い主さんであれば芽生えると思いますが、猫ちゃんはそれを望まないかもしれません。

猫ちゃんの性格にもよりますが、いつでも一定の距離をとりたい猫ちゃんや自身の望むときのみスキンシップをとりたい猫ちゃん、自分から寄ってきてかわいがっていたらこれ以上はいや!とご機嫌を損ねてしまうような自分の中で飼い主さんとのふれあいの程度が決まっている気まぐれな猫ちゃんもいて様々です。

一方で飼い主さんのおトイレまでついてくるようなべたべたするスキンシップを好む猫ちゃんもいます。

お家に猫ちゃんを迎えたら、まずはどんな性格なのか、どの程度のスキンシップを望むのか、よく観察をして把握してあげることが大切です。

あくまでも猫ちゃんのペースに合わせ、飼い主さんの理想通りに無理強いさせてはいけません。

また、猫ちゃんの性格も環境や年齢に応じて変化します。お家の猫ちゃんが何を求めているのか把握してあげてください。

こだわり

猫ちゃんはとてもこだわりが強い生き物です。時にはそのこだわりが飼い主さんも理解できないようなものであることもあります。

例えば飲み水にほんのわずかについてしまうような金属の匂いが苦手なために、陶器のようなあまり匂いのしないものを好む子や、常に循環している水を好む子などもいます。

猫ちゃんの場合、自分の好むものしか取り入れない場合も多く、健康を維持するために、猫ちゃんのこだわりを正しく理解し、そのこだわりに寄り添ってあげることも大切です。

普遍的に同じものを与え続けることも良いと思いますが、万が一環境の変化などが起こった際に近いものを提供できるようにするためにも、こだわりを把握しておくことが役立つ場合が多いです。

嫌なものを知る

猫ちゃんは怖いものや苦手なものがはっきりしている場合が多いです。

嫌な経験や怖いものを知ってしまうと、その経験をした場所自体も嫌い、避けるようになってしまうこともあります。

例えば、今までトイレできちんと排泄をしていたのに、嫌なことがあってその場で排泄をできなくなり、よそで粗相をする頻度が増えたり、我慢をして膀胱炎になってしまうケースなどもあるため、嫌がるものや怖がるものを避けてあげる必要があるでしょう。

何か怖い経験をしたり嫌なことがあったことでその場所でのごはんを好まなくなる場合などもあります。

猫ちゃんにとっての恐怖や嫌なものとの遭遇は健康を害する場合もあるため、何がきっかけかを振り返るために、ある程度把握しておくと安心です。

排泄ができなくなった、ごはんをその場所で食べなくなった、警戒心が強まったなどの変化が見られた場合、お家の中で怖い経験をしたり嫌なものとの遭遇していないか、振り返って環境を変えてあげると良いでしょう。

猫ちゃんの生態

グルーミングする猫

色々な動物がいる中で、猫ちゃん特有の生態もあります。

人間のライフスタイルとは異なるため、知らないことで負担をかけてしまったり、飼い主さんが不安に思うなどの場合があります。

猫ちゃんの生態を知っておくことで、普段の生活を見ながら小さな違いに気づきやすくなるというメリットもあります。

グルーミングを行なう

猫ちゃんは、長毛の子であっても短毛の子であっても毛づくろいをする習慣があります。これをグルーミングと呼びます。

猫ちゃんの舌はざらざらしているので、舌で毛をなぞるように舐めとったり、前足で被毛をなでつけるような仕草をします。

体調が悪かったり、体の違和感や痛みなどでグルーミングができないことで被毛の様子が普段と違っているように見えたりすることもあり、猫の体調を知る一つのサインにもなり得ます。

また、よくグルーミングをする猫ちゃんは被毛のタイプによって腸内で毛玉になってしまい、便秘などの物理的な閉塞につながる危険性もあります。

よく吐いたり便が出にくい、便の量が少ないなどの場合にグルーミングによる毛玉が関連している場合もあるため、かかりつけの先生を受診のうえレントゲン検査などで腸の運動の状態を確認すると安心です。

排泄時の習性

猫ちゃんは習性として、砂場などに排泄をして自分の排泄を隠すなどの行動を行なうことが多いです。そのため、猫ちゃん用のシステムトイレは深めの器で専用の砂を使用する必要があります。

よく自分の排泄したものに砂をかけて隠そうとしたりする行動は野生の本能的な行動の名残で自分の痕跡を敵に見つからないようにするためでもあると言われています。

排泄時に落ち着いて排泄できる環境かどうかということは、家庭で生活している猫ちゃんにとっても大切なポイントです。

猫ちゃんの性格によって、目隠しがある方が安心できるタイプ、壁がない方が安心できるタイプ、猫砂の粒の大きさや踏みしめる触感によって好みが分かれているなど、それぞれの猫ちゃんによってお気に入りのトイレが存在します。

安心して排泄ができない環境では健康を害してしまう危険性があるため注意が必要です。

ごはん

人間は1日3食を決まった時間に食べるという習慣があります。一方で猫ちゃんは食べ方の特性が様々です。

一般的なのは1日2食で出されたら都度食べるパターンですが、1日かけて自分の好みのタイミングで食べる場合や、飼い主さんがご飯を食べたり何かものを食べるタイミングで一緒に食べたい場合など様々なタイプの猫ちゃんを見かけます。

食欲の有無を健康チェックの項目として管理するために、1日に与える回数や量を決めてどれだけ食べているかを把握できると安心です。

飼い主さんの仕事の都合などによっては1日数回の給餌が難しい場合もあるかもしれません。

その場合、フィーディングマシンなどの機械を上手に利用してごはんが与えられると飼い主さんの負担が大きくなりすぎない可能性が高いです。

1日中ずっと食べる習慣の猫ちゃんの場合、食べている量の管理として、決まった量を与えること、決まった時間になったら残っている量を計測してどの程度食べているかということを把握するようにしましょう。

また、夏場など置き餌は脂質が酸化したり細菌が繁殖しやすくなるなど品質が劣化しがちです。

劣化しにくくないようなごはんのタイプを選択したり、季節によって餌の置き場所の温度なども含めて給餌方法を見直すことをおすすめします。

猫ちゃんだからこそ?気を付けたいトラブル

観葉植物にいたずらする猫

一緒に生活していると様々なトラブルに直面することがたくさんあります。その中でも猫ちゃんの特性によって起こりやすいトラブルもあります。

まさかこんなことが!?ということが起こる場合もあります。飼い主さんが知っておくと対策もとれるでしょう。

いたずらによる誤食や感電

猫ちゃんは好奇心が旺盛です。手で遊ぶこともありますが、まずは口にしてみることも多いです。

そんなときに、おいしそうなにおいがついているものだと食べ物と間違えて飲み込んでしまったり、おもちゃとして遊んでいるものも興奮やふとしたタイミングで飲み込んでしまう場合もあるため注意が必要です。

特に猫ちゃんは個体差はあるものの、ひも状のものに興味を示し、おもちゃとして好む傾向がありますが、ひも状のおもちゃは飲み込んでしまうと腸を傷つけたり切断してしまうこともあり、電気コードを咬んで遊ぶ習慣があると感電などのトラブルにつながる危険性があります。

特にお留守番時は、手の届かない場所に収納することや猫ちゃんをフリーにせずにケージ内にいてもらうようにするなどの対策をとることが大切です。

皮膚や被毛トラブル

猫ちゃんはグルーミングをする習性があるというお話をさせていただきました。

猫ちゃんの種類や個体によって被毛の性質や長さは異なりますが、舐めとりながら飲み込んでしまうことも多いです。

グルーミングの頻度や腸の運動によっては舐めとった被毛が閉塞の原因になってしまったり、便秘や嘔吐などの消化器症状につながる場合があります。

また、皮膚トラブルや精神的な負荷によってグルーミングが増えることで、ざらついた舌が皮膚を刺激して外傷になってしまうこともあります。

お家の猫ちゃんのグルーミングの頻度などを把握し、グルーミングがトラブルの原因にならないよう、被毛を便に排出しやすいようなごはんに切り替える、舌が皮膚を直接刺激しないよう洋服を着せるなどの対策をとると良いでしょう。

多頭飼育でも猫間トラブル

猫ちゃんが1匹でいると寂しいのではと感じ、多頭飼育をする飼い主さんもいます。

しかし、猫ちゃん同士の相性や本能的な性別差などもあり、猫間でのトラブルに発展してしまうケースもあります。また、おうちなどの環境が多頭飼育に向かない場合もあります。

どんなに仲の良い猫ちゃん同士だったとしても、トイレやごはんのタイミングなど他の猫ちゃんと触れ合いたくないときもあります。

それぞれのスペースがきちんと確保されることや、1匹で落ち着ける時間が作れるかどうかということも多頭飼育に踏み切る前に考慮しなければなりません。

お家の広さなどの関係で、仲が悪くなった時にそれぞれのお部屋や一部屋でも仕切りをして隔離することができない、気になって排泄ができないなどトイレが複数必要となる場合に一定間隔をあけて設置することが難しいなどの場合、多頭飼育が猫ちゃんにストレスを与えてしまったり、健康を害してしまう場合もあるため注意が必要です。

まとめ

猫と飼い主

存在してくれるだけで大きな癒しとなり得る猫ちゃんですが、猫ちゃんにも幸せに生活してもらうために、きちんと猫ちゃんのことを理解し、生活を猫ちゃん仕様にしてあげることが大切です。

これらのトラブルは猫ちゃんの命の危険につながる危険性もあります。

愛するお家の猫ちゃんの健康を守るためにも、どんなトラブルが起こり得るかということやどんなことが負担となってしまうかということを正しく理解し、寄り添ってあげましょう。

猫ちゃんの生態について書いてある書籍などもたくさん市販されているので勉強をすることは可能ですが、わからないことや行動が自分たちの知識と結びつかないこともたくさんあると思います。

そんなときはかかりつけの先生、ブリーダーさん、ペットショップの店員さんなどの専門家に相談してみてください。

学びながら楽しい猫ちゃんとの生活を送っていただけたらと思います。

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