東京都、4月から新築マンションへのEV充電設備の設置を義務化 日産自動車がEVの意識調査を実施

2025-03-28 16:00

地球温暖化が深刻化する中、東京都では、グローバルな目標でもある2050年カーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)の実現を目指し、電気自動車(EV)の普及を促進しています。日本のEV充電設備の設置台数は年々増加しているもののまだ十分とは言えず、EV普及における課題となっています。そこで、東京都では2025年4月から都内の新築マンションにEV(電気自動車)充電器の一定規模の設置を義務化。これを受け、日産自動車株式会社は、集合住宅等の新築住宅へのEV充電設備設置義務化に関する認識やEV購入意向について、1都3県の集合住宅に居住する500名を対象に調査を行いました。

「集合住宅でも自宅充電できればEVの購入意向上がる」74.4%

「集合住宅でも自宅にEV充電器が設置されることでEVの購入意向が高まると感じるか」という質問に、「とてもそう思う(23.0%)」、「まあまあそう思う(51.4%)」と回答した人は74.4%に上りました。この結果からも、自宅の充電環境が整うことが、EV購入意欲を高める重要な要素であることがうかがえます。

実際に、「集合住宅に充電器が設置されてから、EV利用者が増えたと感じますか」という質問では、63.7%が「とてもそう思う(25.0%)」、「まあまあそう思う(38.7%)」と回答しており、EVの浸透のためには身近な充電環境の整備が不可欠であることがわかりました。

東京都の新築建築物へのEV充電設備設置義務化、認知度は41.2%

2025年に東京都では、集合住宅等の新築建築物にEV充電設備の設置が義務化されます。この義務化の認知度は41.2%と半数以下である一方、この義務化によりEVの購入意向が高まると回答した人は62.0%に上りました。

また、「充電設備が整えば、EVの普及は加速すると考えますか」という質問では、73.8%が「とてもそう思う(22.0%)」、「まあまあそう思う(51.8%)」と回答しており、充電インフラの整備がEV普及の重要な要素であることがうかがえます。

「既存の集合住宅に充電設備を設置するサービス事業者があるのを知っていますか?」という質問では、60.8%「知らない」と回答。EV充電インフラの整備に関する認知度が低いことが浮き彫りになりました。

さらに、2024年に「マンション標準管理規約」のガイドラインが変更され、これまで4分の3以上の住民の賛成が必要だったEV充電設備の設置が、過半数の賛成で可能になりました。しかし、この変更を知っているかを尋ねたところ、68.6%が「知らない」と回答。上記の結果から、“自宅充電”が進むことでEV普及の一助になる一方、設置や補助金・住環境の制度の周知不足が課題であると言えます。

EV購入「直近3年未満」に検討53.0%も、「費用が高額」「自宅で充電できない」が障壁に

EV購入を検討している人を対象に、「EVの購入の検討している時期はいつ頃か」を聞いたところ、「直近3年未満」に検討していた人は53.0%と高い割合を占める結果となりました。

EVの検討者・保有者を対象に、EVを検討する理由を尋ねたところ、「環境にやさしいから(26.2%)」が最も多く、次いで「ガソリン価格の高騰(21.8%)」があげられました。

また、「昨今のガソリン高騰により、EVへの切り替え意向は高まりましたか」という質問に対しても、実に73.0%の人が「とてもそう思う(20.6%)」、「まあまあそう思う(52.4%)」と回答しました。これにより、昨今のガソリン価格の高騰がEV購入検討に影響を与えていることがうかがえます。

一方で、EVを購入する上で迷うポイント(ボトルネック)は、「費用が高額(59.4%)」に次いで、「自宅で充電できない(56.2%)」が多く、ともに半数以上を占めました。

「自宅で充電できない」ことで購入を諦めた人は52.2%と半数以上

「自宅の充電環境が整っていないため、EVの購入を諦めた(ためらった)経験があるか」を聞いたところ、「ある」と回答した人は52.2%と半数に上りました。このことからも、充電環境の整備がEV購入意向を高める重要な要素であることがわかりました。


調査概要
調査実施期間:2025年3月6日~2025年3月12日
調査方法:インターネット
対象地域:一都三県
調査対象:(事前調査)20,188名
(本調査) EV購入検討者(保有者含)、及び集合住宅にお住いの30~50代男女500名

地球環境のためにEVの購入や買い替えや検討している人の中には、自宅に充電設備がないことが障壁となり購入を諦めてしまった人もいるようです。また、今年4月から施行される東京都のEV充電設備設置義務化についての認知度は半数以下と低く、さらにマンション標準管理規約の改正により、EV充電設備の設置が従来よりも容易になったことを知らない人も多いことがわかりました。EVとEV充電設備が並走して普及することが重要であり、そのためにも充電環境の拡充に向けた制度や設置方法についての周知が課題と言えそうです。