猫の気分が『コロコロ変わる』3つの理由 気まぐれな性格にも、ちゃんと猫なりのワケがあった!

2025-05-30 17:00

愛猫の上機嫌からの急なブチ切れは、おそらく、猫飼いさんが一度は経験するエピソードかもしれません。猫の気まぐれさは、いったいどこに由来するのでしょうか?今回の記事では、猫本来の習性や生態に沿いながら、3つの要因を紹介します。愛猫を深く理解するためのヒントにしてみてください。

1.気まぐれさの秘密はルーツにあり!

鳩と黒猫

猫の気分のチャンネルは、主に4つあると言われています。「野生猫」をベースに、その場の状況に応じて、「子猫」「親猫」「おうち猫」という気分を瞬時に切り替えます。

現在では飼い猫として暮らしている猫たちも、起源をさかのぼれば、ネコの祖先・リビアヤマネコの時代に行き着きます。野生の世界では、常に危険と隣り合わせです。気分のチャンネルを固定化してしまうと、とっさのときに対応できません。

たとえば、天敵が迫っているのに、子猫気分でまったり過ごしていると、たちまち襲われてしまいます。危機を回避するためには、時や場所を選ばず、素早く「野生猫」に切り替えられる柔軟性が必要です。

つまり、迅速なチャンネル切り替えは、猫にとって、過酷な世界で自分の命を守るためのサバイバル・スキル、ということです。

みなさんの愛猫も、同じように、遠い祖先の本能を今でも引き継いでいます。気分がコロコロ変わるのは、まさしく野生時代の名残です。

2.鋭い五感がきっかけに

感覚を研ぎ澄ませる白猫

かわいらしい見た目とは対照的に、猫はもともと肉食ハンターです。大昔から単独で狩りして、命をつないできました。人間や犬と違って、仲間との協力を期待できない以上、自らの身体能力、感覚を頼りにするしかありません。

爆発的なダッシュ力や驚くほどのジャンプ力など、アスリート並みの運動能力に加え、猫の感覚は非常に研ぎ澄まされています。遠くにいても、音や匂いで獲物の気配を察知し、少々の暗がりであれば、障害物だらけの道もスムーズに歩き回れます。

音や匂い、視覚情報など、外からの刺激を絶えず感知し続ける猫の感覚は、いわば、センサーのようなものです。気になった刺激(たとえば、ネズミの足音)がセンサーに引っかかると、すぐさま狩人と化して、獲物を追いかけます。

五感の刺激をきっかけに、自分の行動を変化させる猫の早ワザは、前項でも説明したように、生き延びるうえでの必須能力であると言えます。

3.薄明薄暮性の動物だから

暗がりに佇む猫

猫は主に、明け方と夕暮れどきに活発に行動します。なぜかと言うと、野生の現場では、ネズミや鳥、昆虫などが活性化する時間帯だからです。この習性は「薄明薄暮性」と呼ばれています。

みなさんの愛猫が日中スヤスヤ眠りこけているのも、獲物に出会えるチャンスが増える明け方と夕暮れどきに備え、体力を温存しているためです。

一方で、夜中や早朝に限って、突然、繰り広げられる「猫の大運動会」は、野生の血、本来の「薄明薄暮性」がうずいた結果によるものです。

このように、感覚的な刺激だけではなく、時間帯によっても、猫の行動は大きく変わります。普段はおとなしい猫であればあるほど、その劇的な変化にひどく驚かされてしまう飼い主さんもいるかもしれません。

切れ間なく気分が変わり、目が離せないからこそ、私たち人間は猫の姿や行動につい惹かれてしまうのでしょう。

まとめ

草むらを歩く猫

人間には気まぐれに見える行動にも、猫なりの理屈があります。おそらく、猫は、自分のことをかなり筋の通った考えの持ち主だと自負しているはずです。

今回は、猫の気まぐれさの背景として、「ルーツ」「鋭い五感」「薄明薄暮性」という3つの視点を取り上げました。

気まぐれな性格や行動は、飼い主さんにとって、間違いなく愛猫の魅力を支える大きな要素にちがいありません。

これからも瞬時に変わる愛猫の気分に翻弄されつつも、刺激の多い猫暮らしを満喫してください。

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