3人に1人が発症するのに9割が知らない「脱腸」のリアルと治療の選択肢

2025-06-07 13:00
3人に1人が発症するのに9割が知らない「脱腸」のリアルと治療の選択肢

「脱腸」という言葉に、思わず身構えてしまう人は少なくないだろう。響きのインパクトに加え、「手術が必要そう」「恥ずかしい部位の病気」といった先入観から、正確な理解よりも不安が先に立つケースが多い。鼠径(そけい)ヘルニア──通称“脱腸”は、実は多くの人が人生のどこかで向き合う可能性のある疾患だ。特に男性では、生涯で3人に1人が発症するとされている。ところがその実態を知る人は多くなく、軽い症状であれば「様子見でいい」と放置されがちだ。たとえ違和感や痛みを感じても、手術への恐怖心や、「恥ずかしい場所の病気」という心理的ハードルが、受診をためらわせる要因になっている。

また、治療と聞けば「長期入院が必要」と思い込んでしまい、仕事や家庭との両立を諦めてしまう人もいるだろう。しかし医療技術の進歩により、今では日帰りで手術が完了し、翌日から通常の生活に戻れるケースも増えてきた。治療そのものだけでなく、“治療を受ける形”も変わりつつある。とはいえ、まだまだその認知は十分とは言えない。実際、人々は鼠径ヘルニアに対してどのようなイメージを抱いているのか。そして、いざ発症したときにどのような行動を選ぶのか──。

そこで今回、鼠径ヘルニアの日帰り手術専門クリニック『Gi(ジーアイ)外科クリニック』(https://gi-clinic.net/)を運営する医療法人Giは、鼠径ヘルニア(脱腸)の未経験者を対象に、「鼠径ヘルニア(脱腸)の印象と病院選びの決め手」に関する調査を実施した。

3人に1人が発症、それでも知られていない鼠径ヘルニアの実態

今回の調査では、まず「鼠径ヘルニア(脱腸)」という病名を聞いたときの印象について尋ねた。その結果、もっとも多かったのは『痛みが強そうな病気』(53.1%)で、次いで『手術が怖そう』(26.2%)、『恥ずかしい場所の病気という印象』(21.5%)が続いた。言葉の響きや「脱腸」という表現が持つ視覚的なイメージが、不安や恐怖を連想させる要因となっているようだ。

実際、鼠径ヘルニアは、男性の約3人に1人が一生のうちに一度は発症するとされる、決して珍しくない疾患である。ところが、この発症率を正しく認識している人はごくわずかにとどまる。

「男性のうち、どのくらいが鼠径ヘルニアを発症すると思うか」との問いに対して、最も多かった回答は『6人に1人(16%)』(43.2%)。一方、正解である『3人に1人(33%)』と答えた人はわずか6.7%だった。9割以上の人が、実際の発症率よりも少ないと認識していたことになる。

さらに、「どのようにしたら治るか」という設問では、70.7%が『手術で治る』と回答する一方で、『生活習慣の改善(10.0%)』『薬で治る(8.3%)』『安静にしていれば治る(6.8%)』『自然に治る(3.4%)』とする声も一定数あった。実際には、鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく、外科的治療が必要とされる病気である。それでもなお、誤解や思い込みが根強く残っていることが、今回の調査で浮き彫りになった。

手術が怖い、恥ずかしい…治療の第一歩をためらう理由

鼠径ヘルニアは外科的手術による治療が必要とされる病気だが、実際に発症した場合、すぐに受診・治療へと踏み切れる人は少ないのが現実だ。

今回の調査では、「鼠径ヘルニアの症状が出たとして、すぐに病院へ行かない理由」についても尋ねられた。その結果、最も多かったのは『手術などの治療が怖い』(28.9%)で、『痛みがなければ急がなくてよいと思う』(26.2%)、『恥ずかしい部位の病気なので相談しづらい』(23.2%)といった回答が続いた。
手術への漠然とした恐怖や、「恥ずかしい」という心理的ハードルが、医療機関へのアクセスをためらわせる要因となっている。では、そうした不安を抱えながらも、もし実際に鼠径ヘルニアと診断された場合、人々はどのような対応を望むのだろうか。

「もし診断されたら手術を受けたいか」という問いに対し、『すぐに手術を受けたい』と答えた人は20.6%にとどまり、『症状が強ければ手術を受ける』が39.5%と最多だった。一方で、『なるべく手術を避けたい』(28.7%)、『手術はしたくない』(11.2%)と、消極的な回答も合わせて約4割にのぼった。こうした状況を踏まえると、治療に対する“心理的な負担”をいかに軽減できるかが、医療機関側に求められる課題であることは明らかだ。

費用も時間も抑えたい!日帰り手術が現代人にフィットする理由

その中で注目されているのが「日帰り手術」という選択肢である。「もし手術をするならどちらを選ぶか」との問いには、『日帰り手術(その日のうちに帰宅可能)』を選んだ人が53.3%と過半数を占めた。仕事や家庭の事情で長期入院が難しい人にとって、短時間で治療を終えられる日帰り手術は、現実的かつ望ましい選択肢といえる。

では、なぜこれほど支持されているのか。「日帰り手術についての印象」では、『費用が抑えられそう(39.9%)』『身体への負担が少ない(38.0%)』『早く社会復帰できる(30.6%)』といった実利的な評価が目立った。生活との両立を重視する現代人にとって、日帰り手術は合理的な治療スタイルといえる。

一方で、「術後のケアが不安」「入院の方が安心」といった声もあり、選択にはサポート体制の整備が欠かせない。つまり、治療法を自分で選ぶ時代には、選択肢そのものと同時に、その選択を後押しする環境が重要なのだ。

“誰に、どこで”治してもらうか?医療機関選びの決め手とは

日帰り手術など治療スタイルの選択肢が広がるなかで、もうひとつ大きな課題となるのが「どこで治療を受けるか」という判断だ。

今回の調査では、鼠径ヘルニアの治療情報をどこで調べるかを尋ねたところ、最も多かったのは『病院やクリニックの公式ホームページ』(55.2%)。次いで『かかりつけ医に相談する』(31.5%)、『医療情報サイト』(31.3%)が挙がり、信頼性の高い情報源にアクセスする姿勢がうかがえる。では、医療機関を選ぶ際に、何が決め手となっているのだろうか。最も多かったのは『医師の専門性・経験』(42.7%)で、次いで『手術費用や自己負担額の明確さ』(24.9%)、『治療プランの充実』(23.4%)が続いた。加えて、『症例数・成功率』(22.1%)や『交通アクセスの良さ』(19.3%)も重要視されており、安心感と利便性の両立が求められていることがわかる。

また、「鼠径ヘルニアの治療において魅力的だと感じる要素」としては、『高い手術成功率』(44.4%)が最も多く、次いで『身体へのダメージの非常に少ない術式の採用』(39.5%)、『入院費削減での低コストでの治療』(29.1%)が挙がった。ここでも、効果・安全性・コストのバランスが重視されていることがうかがえる。医療機関に求められるのは、単なる「設備の良さ」や「知名度」ではなく、実績に裏打ちされた技術力と、患者に寄り添った治療環境である。

情報があふれる時代だからこそ、「誰が治療するのか」「どんな体制が整っているか」「いくらかかるのか」といった透明性のある要素が、選ばれる医療機関の前提条件になっている。

調査概要:「鼠径ヘルニア(脱腸)の印象と病院選びの決め手」に関する調査
【調査期間】2025年5月17日(土)~2025年5月19日(月)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,006人
【調査対象】調査回答時に鼠径ヘルニア(脱腸)の未経験者と回答したモニター
【調査元】医療法人Gi(https://gi-clinic.net/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

今回の調査を通じて明らかになったのは、鼠径ヘルニアという病気に対する認識と現実とのギャップである。発症率の高さに対する認知不足、自然治癒への誤解、さらには「手術が怖い」「恥ずかしい」といった感情が受診を遠ざけている実態が見えてきた。

一方で、日帰り手術のように、身体的・経済的な負担を抑えながら治療を受けられる選択肢に対する支持も高まっており、「どのように治療を受けるか」を自分で選びたいという意識が、確実に広がっている。

重要なのは、病気の正しい知識に触れること。そして、自分のライフスタイルや価値観に合った治療法と、それを信頼して任せられる医療機関を選ぶことだ。医療の進歩が選択肢を広げている今、患者自身の「知る力」と「選ぶ力」が、より良い治療への第一歩になるだろう。

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