犬を『可愛い』と感じるのはどうして?明らかにされている科学的な理由をご紹介
『犬を可愛いと感じる理由』についてまとめました。なぜ人間は犬を見て、犬と触れ合って「可愛い」と感じるのか、科学的な理由と共に解説します。
犬を可愛いと感じる理由

1.触れ合うことで愛情ホルモンの濃度が上がるから
犬を可愛いと感じる理由は、触れ合うことで愛情ホルモンの濃度が上がるからです。
これは、麻布大学の研究によって、“愛犬と飼い主が触れ合ったとき、体の中でオキシトシン(愛情ホルモン)の濃度が上がった”ということが明らかにされています。
オキシトシンは、信頼や絆を深める作用があり、心を落ち着かせたり、幸福感をもたらしたりするホルモンです。
そのため、犬と触れ合うことで自然と心が安らぎ、優しい気持ちになれるのでしょう。
2.人間の庇護欲を刺激するから
犬を可愛いと感じる理由は、人間の庇護欲を刺激するからです。
庇護欲とは、自分よりも弱い者を守ってあげたい、という欲求のことを言います。犬には“ベビースキーマ”という身体的な特徴があるのですが、その特徴によって、人間の庇護欲を刺激します。
ベビースキーマとは、動物行動学の研究者である、コンラード・ロレンツさんが定義したものです。
犬のベビースキーマ(身体的な特徴)には、体がふっくらとしていること、目が大きく丸いこと、手足が短めであること、体が小さいことなどが挙げられます。
これらの身体的な特徴を持った犬を目にしたとき、本能的に「可愛い」「守ってあげたい」「手助けしてあげたい」と感じます。
3.コルチゾールが犬の性格を穏やかにしているから

犬の性格の穏やかさも、人間が「可愛い」と感じる要因のひとつです。この性格の違いに関わっているのが、副腎皮質ホルモンの一種「コルチゾール」です。
コルチゾールはストレスや興奮時に分泌されるホルモンで、過剰に分泌されると攻撃性が高まります。ロシアの研究では、人慣れしていないキツネ(イヌ科)の血中コルチゾール濃度は、人慣れしているキツネの約2倍であることが判明しています。
この結果から、人懐っこくて穏やかな性格の犬ほど、コルチゾールの分泌量が少なく、より可愛らしく感じられる可能性があると考えられています。
4.人間とのコミュニケーション能力が高いから
犬が可愛いと感じられるのは、人間と高いレベルでコミュニケーションがとれる動物だからでもあります。
犬は人間の言葉を覚えるだけでなく、飼い主の感情まで感じ取ることができます。毎日かけられる言葉の「音」だけでなく、その言葉に込められた「気持ち」にも反応しています。
たとえば、愛犬に声をかけるとしっぽを振って喜んだり、笑顔を見せてくれたりします。反対に、飼い主の機嫌が悪いときは、不安そうな表情を見せることもあるでしょう。
このように感情を通わせられる存在だからこそ、犬をより愛おしく、可愛いと感じるのです。犬が望んでいるなら、毎日たっぷりと声をかけたりスキンシップを取ったりして、信頼関係を深めていきましょう。
まとめ

犬を可愛いと感じる理由を4つ解説しました。
- 触れ合うことで愛情ホルモンの濃度が上がるから
- 人間の庇護欲を刺激するから
- コルチゾールが犬の性格を穏やかにしているから
- 人間とのコミュニケーション能力が高いから
私たち人間の感情は、ホルモンの働きによって左右される部分が多くあります。犬との触れ合いもそのひとつで、オキシトシンなどのホルモンの作用によって「可愛い」と感じさせてくれていると考えられます。
そしてその気持ちは、犬にも伝わります。愛犬にとっても「飼い主が大好き」と思えるような、優しくあたたかい関係を築いていきたいですね。
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