2025年アルツハイマー病協会国際会議より:10年間の研究で、SNAP給付が認知機能の低下の遅延と関連することが判明

2025-07-30 21:00

主要ポイント

  • 全国規模の研究の分析結果によると、補充栄養支援プログラム(Supplemental Nutrition Assistance ProgramSNAP)への参加は、加齢に伴う認知機能の低下を防ぐ効果がある可能性が示唆されています。
  • 非参加者と比較して、SNAP参加者は10年間の研究期間中、認知機能の低下速度が緩やかであり、平均で23年分の認知機能の健康を維持することができました。
  • 食料不安は認知機能に悪影響を及ぼす可能性があり、SNAPへの参加は参加者の食事内容と栄養摂取を改善する可能性があります。

トロント、2025年7月31日 /PRNewswire/ -- 米国の補充栄養支援プログラム(Supplemental Nutrition Assistance Program、SNAP)に参加した人は、参加しなかった人よりも10年間で認知機能の低下速度が緩やかだったことが、本日トロントとオンラインで開催されている2025年アルツハイマー病協会国際会議®(Alzheimer's Association International Conference、AAIC®)で報告された新たな研究結果で示されました。

研究者らは、「この結果は食料支援プログラムが高齢者の認知機能の健康を支える可能性を示し、人種や民族グループ間で認知機能の老化における格差を縮小するためのさらなる取り組みが必要であることを示唆するものである」と指摘しています。また、低所得者やその家族が食料を購入するのを支援するSNAPのようなプログラムへの公平なアクセスを確保する公衆衛生政策の必要性についても強調しています。特に、参加に追加の障壁を抱える人口層に対しては、その重要性がさらに高まります。

全米を代表するHealth and Retirement Study(HRS)を用い、研究者はSNAP参加者と、同プログラムの資格がありながら参加しなかった人々を比較しました。研究者らは、SNAP参加者の認知機能の全体的な低下速度が0.10%遅く、10年間で2~3年分の認知機能の健康を維持できたことを明らかにしました。

「これまでの研究でも、食料不安は認知機能に悪影響を及ぼすことが示されてきましたが、今回の研究は、食料支援プログラムが認知機能にポジティブな影響を与える可能性を示した最初の長期研究の1つです」と、Alzheimer's Association首席科学責任者兼医療担当責任者のMaria C. Carrillo博士は述べています。「日常の簡単な行動が脳の健康に違いをもたらし、アルツハイマー病や認知症のリスクを低下させる可能性があるわけです。Alzheimer's Associationは、すべての人々がこの習慣を日常の生活に取り入れられるよう支援しています。これには、適切な食事(当協会の『脳のための10の健康習慣(10 Healthy Habits for Your Brain)』)も含まれます。」

研究者らは、人種的・民族的に代表的な50歳以上の対象者を分析し、2010年にSNAPに参加した1,131人(平均年齢約63歳)と、SNAPの資格がありながら参加しなかった1,216人(平均年齢約66歳)を比較しました。2010年から2020年の間に2年ごとに、電話またはウェブベースのインタビューを通じて、記憶力と実行機能(タスクを計画・遂行する能力)を評価しました。認知機能の初期評価スコアが27点中11点以下で、認知障害または認知症を示唆する対象者は今回の分析から除外しました。

年間認知機能の低下における0.10ポイントの差は一見わずかに思えるかもしれませんが、研究者らは、その長期的な影響は重大であると指摘しています。「認知機能のスコアが健康な状態から始まる人にとって、この緩やかな低下は、軽度認知障害の閾値に達するのをほぼ10年間遅らせる可能性があります」と、アセンズにあるUniversity of Georgiaの保健サービス研究の博士課程学生で、本研究の筆頭著者であるLinlin Da氏(MPH)は述べています。

「この結果は、SNAPまたは類似の栄養支援プログラムへの参加が、認知機能障害や認知症の発症を大幅に遅らせ、人々が薬の管理、財務管理、日常のタスクをこなす能力を長く維持できることを示唆しています」とDa氏。「これは最終的に、高齢期の自立性と生活の質向上を支えてくれるものです。」

「同時に、私たちはこの機能低下の抑制効果が全員に同じように現れるわけではないことを発見しました。非ヒスパニック系黒人およびヒスパニック系の高齢者の方の場合、非ヒスパニック系白人の参加者の方と比べて認知機能における恩恵は大きくありませんでした」とDa氏は付け加えました。

研究では、SNAPに参加した白人、黒人、ヒスパニックの参加者の認知機能の結果を、SNAPに参加しなかった同年代の参加者と比較した結果、3つのグループすべてが恩恵を受けたものの、白人のSNAP参加者はより強い恩恵を受け、認知機能の低下速度がより緩やかであることが観察されました。

「認知機能の低下を遅らせる可能性が、支援を必要とする患者に食料支援へのアクセスを確保するよう働きかける十分な理由となることを医療従事者が理解してくれることを私たちは願っています」と、当研究の責任著者であり、University of Georgia公衆衛生学部健康政策管理学科の助教であるSuhang Song博士は述べています。

アルツハイマー病協会国際会議®Alzheimer's Association International ConferenceAAIC®)について

アルツハイマー病協会国際会議(Alzheimer's Association International Conference、AAIC)は、アルツハイマー病やその他の認知症に焦点を当てた世界中の研究者が集まる世界最大の会議です。Alzheimer's Associationの研究プログラムの一環として、AAICは認知症に関する新たな知識を生み出し、活気に満ちた研究者コミュニティを育成する促進剤としての役割を果たしています。

AAIC 2025ホームページ:www.alz.org/aaic/

AAIC 2025ニュースルーム:www.alz.org/aaic/pressroom.asp

AAIC 2025ハッシュタグ:#AAIC25

Alzheimer's Association®について

Alzheimer's Associationは、アルツハイマー病のケア、支援、研究に取り組む世界的な任意団体です。同社の使命は、世界的な研究を加速させ、リスク軽減と早期発見を推進し、質の高いケアとサポートを最大化することで、アルツハイマー病をはじめとするすべての認知症を撲滅する道をリードすることです。同社のビジョンは、アルツハイマー病をはじめとするすべての認知症®のない世界を実現することです。ウェブサイトalz.orgをご覧いただくか、800.272.3900までお問い合わせください。

• Linlin Da(MPH)ほか。人種/民族グループ別における補充栄養支援プログラム(Supplemental Nutrition Assistance Program)への参加と認知機能低下との関連性:10年間の縦断的研究(The association between Supplemental Nutrition Assistance Program participation and cognitive decline by racial/ethnic groups: a 10-year longitudinal study)。(資金:National Center for Advancing Translational Sciences of the National Institutes of Health UL1TR002378)

ロゴ -https://mma.prnasia.com/media2/2689936/Alzheimers_Association_Logo.jpg?p=medium600

  1. 「無実を証明するために副社長職を辞任する」スペイン発アパレルブランド「MANGO」創業者の息子が公開書簡 “ハイキング中に転落死”の父親の死に関与した疑いで逮捕
  2. はま寿司 きょうから「まぐろ」など5品目値上げ
  3. ドライよりも冷房モード、夏でも長袖・長ズボン 睡眠の専門家が教える快眠の工夫と最新ハイテク寝具【Nスタ】
  4. 高野豆腐に肥満予防の可能性 新研究で“痩せホルモン”分泌も ガパオやかりんとうなど煮物以外の活用術【Nスタ解説】
  5. 総額15兆円投入の“支援”は支持率のため?「6月末に財源枯渇」試算でも電気・ガス・ガソリンの補助を継続する理由【Nスタ解説】
  6. 【 堀ちえみ 】「口腔がんには二度となりたくない」口腔内検診の様子を詳細に報告「歯の噛み合わせや形はとても大切」
  7. 【速報】太平洋側海域で中国空母「遼寧」から複数の航空機が発着艦 中国の最新鋭艦艇とともに航行
  8. 6月から病院の「キャンセル料」導入へ 背景に深刻な“損害”が…初診・入院費も一斉値上げ 【Nスタ解説】
  9. 韓国 “原子力潜水艦” 開発計画を発表 2030年代半ば進水へ 北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応 李大統領「自ら責任持つ象徴だ」
  10. ふと布団を見たら、猫が寝ていて…思わず二度見する『人間みたいな光景』に6万いいね「自然すぎて笑う」「顔出してるのがいいね」と話題
  1. 巨人・阿部慎之助監督が辞任 長女「殴る蹴るはない」とコメントも…なぜ児童相談所は警察に通報したのか【Nスタ解説】
  2. ソウルで高架道路が崩落 作業員3人死亡3人重軽傷 60年前に建設され去年9月から解体工事 韓国
  3. 【 上白石萌音 】書籍発売会見が一転、謝罪会見に〝もう二度とこのようなことがないように〟 最近の「ガブリ」も告白
  4. 千葉県が大規模地震の被害想定を更新 県内で最大12.8mの津波を観測も 死者は最悪の場合5万7000人以上に
  5. ACL優勝の北朝鮮女子サッカーチームが韓国から帰国 優勝賞金約1.6億円は経済制裁中のため直接受け取れず
  6. イランで機雷を敷設しようとしていた船などを米軍が攻撃「自衛のためで停戦は継続中」 濃縮ウランめぐりトランプ氏“アメリカ、イラン、または「適切な場所」で廃棄”
  7. 栃木・日光市の廃校3校で蛇口など約400点が盗まれる 被害総額少なくとも540万円以上
  8. 「生存者がいる兆候が確認できない」建設中のビルが倒壊 がれきの破片が近くの宿泊施設を直撃、観光客がけが 4人死亡 18人行方不明 フィリピン
  9. 【速報】太平洋側海域で中国空母「遼寧」から複数の航空機が発着艦 中国の最新鋭艦艇とともに航行
  10. 工事現場で流し込まれたセメントをかぶり…20代の男性作業員2人死亡 滋賀・草津
  11. 生保4社決算 過去最高益相次ぐ 金利上昇で含み損も拡大
  12. 話題の水牛「名前はドナルド・トランプです」 特徴的な毛並みがあの髪型にそっくり!?バングラデシュ