犬が突然発作を起こす『てんかん』とは?主な原因や適切な対処法、予防策まで【獣医が解説】
ある日突然、愛犬がけいれんを起こしたら…。慌てず冷静に対応するために、犬のてんかんの基礎知識と、飼い主が知っておくべき応急処置や治療の選択肢を紹介します。
犬のてんかんとは?発作の種類と原因

犬のてんかんとは、脳の異常な電気活動によって発生する繰り返しの発作を指します。発作は突然のけいれんだけでなく、一時的な意識喪失や異常行動として現れることもあります。
特に注意すべきは5分以上けいれんが止まらない、またはけいれんが連続して起こり意識が回復しない状態、あるいは24時間以内に複数回の発作が起こる状態で、重篤な神経障害や命に関わるリスクがあります。
てんかんの原因は、脳の構造異常(腫瘍、炎症、外傷など)、代謝異常(低血糖、肝疾患など)、遺伝的要因による特発性てんかんなどさまざまです。診断には、神経学的評価、血液検査、MRIや脳波(EEG)検査が用いられます。
発作が起きたときの応急処置と動物病院での治療

発作を目の当たりにしたときは、まず落ち着くことが大切です。発作中は以下を守りましょう。
- 犬に触れすぎない(噛まれる危険あり)
- 頭をぶつけないよう周囲を片づける
- 時間を計る(5分以上続く場合は緊急対応)
- ビデオ撮影できるなら記録する(獣医師の診断に有用)
もし発作が5分以上続く場合は、すぐに動物病院を受診してください。治療の第一選択薬はミダゾラムやジアゼパム(といったベンゾジアゼピン系の薬剤です。自宅での応急処置には、ミダゾラムの鼻腔投与やジアゼパムの直腸投与が有効とされています。
動物病院では、静脈内投与が最も効果的であり、発作が止まらない場合は持続点滴(CRI)による治療が行われます。第一選択薬で発作が止まらなければ、レベチラセタムやフェノバルビタールなどの第二選択薬、さらにケタミンやプロポフォールといった全身麻酔薬が使われることもあります。
特にミダゾラムは、速効性・安全性が高く、ジアゼパムに比べてより推奨される薬剤とされています。
発作の予防と長期管理、飼い主ができること

てんかんは一度発症すると、再発の可能性があるため、長期的な管理が必要です。以下のポイントが大切です
- 獣医師と相談のうえ、抗てんかん薬を継続的に投与(例:フェノバルビタール、レベチラセタム)
- 定期的な血液検査で薬物濃度を確認
- 発作日誌をつけて発作の頻度や状況を記録
- ストレスや環境変化をできるだけ避ける
発作が続く、または薬が効かない場合は、多剤併用療法なども検討されます。さらに重度のケースでは、の外科的対応も研究段階で行われています。
重要なのは、「一度発作が止まった=完治」ではないということ。飼い主としての観察力と継続的なケアが、愛犬のQOLを大きく左右します。
まとめ

犬のてんかんは早期発見と迅速な対処がカギです。特に5分以上続く発作は緊急事態。正しい知識と日頃の備えが、愛犬の命を守ります。
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