【インタビュー】菊池日菜子&小野花梨&川床明日香、「戦後80年 この作品を通して見えてくるものは変わらない」 映画『長崎―閃光の影で―』公開

2025-08-07 10:18
【インタビュー】菊池日菜子&小野花梨&川床明日香、「戦後80年 この作品を通して見えてくるものは変わらない」 映画『長崎―閃光の影で―』公開

日本赤十字社の看護師たちによる手記「閃光の影で-原爆被爆者救護赤十字看護婦の手記―」を原案に、当時看護学生だった少女たちの視点から原爆投下という悲劇を描いた感動作、映画『長崎―閃光の影で―』が公開。

1945年、原爆投下直後の長崎で若き看護学生たちが命を救おうと奔走していたという手記に記された体験をもとに脚色を加えながら生み出された3人の少女たちを菊池日菜子、小野花梨、川床明日香が好演。話を聞いた。

――最初に出演が決まった時、どのようなことを想いましたか。

菊池:わたしは今回の脚本をいただく前から自分が戦争映画に携わることへの恐怖を感じていました。脚本を読み、残酷でむごい事実を知り、それでもわたしは作品の中で自分の役を生きなければならないと思い、ひしひしと実感が強くなりました。とにかく撮影中は、ずっと怖かった思い出があります。

川床:わたしもとても覚悟の要るお話だなと思いましたし、自分が作品に携わることの責任を強く感じました。それと精神的な面で撮影期間を乗り切れるのかという不安もありましたし、自分がミサヲとして生きられるのかという不安もありました。

小野:戦争、原爆というものがどんなものなのかを想像し続けなければならないということ。そして17歳の看護学生の葛藤や不安定さを演じるということ。覚悟を持って挑まなければならないと思いました。

――本作の原案となる手記もありますが、演じるにあたりどのような準備をされましたか。

菊池:手記は、わたしたちが思っていたことと異なる事実が多かった印象でした。当時を生きていた方たちには、それぞれ背負っているものがあって。それこそ看護に携わることで自分を保てている人もいたり、3人それぞれの境遇にもあるように、失った人への悲しみもあるけれど、想像しきれないほどの辛さが、いろいろな角度から存在していることを感じました。他人ごとではなく自分ごととして捉えるといろいろなものが見えて来ると手記から感じたので、戦争は怖く繰り返してはいけないという認識だけでなく、生の辛さを忘れないようにしようと思いました。

川床:監督は、わたしたちが役になり切るための準備や機会を何度も作ってくださいました。原爆の映像資料を一緒に観たり、3人の関係性を作るために一緒に遊ぶ時間を作ってくださって、とてもありがたかったです。

小野:一緒に刺繍をしましたよね。私は原爆ドームに改めて行きました。外国人の方が出口のところで頭を抱えて辛そうにされている光景がとても印象的でした。

――それぞれ演じた役柄について教えてください。

菊池:わたしが演じた田中スミは3人の中で一番未熟だと思っていて、自分の正義が見つけらずそのことでもがき苦しんでいる姿が作品の中で描かれています。あどけなさと言うと簡単に聞こえますが、それぞれ大事にしたい信念がある2人を横で見ていて、自分は恵まれている環境にいると思っている。なかなか芯が持てない役だったなと思います。

川床:岩永ミサヲはクリスチャンで、信じるということはどういうことなのかを撮影期間中ずっと考えていました。ミサヲ自身もお父さんに「助けに行きなさい」と言われるのですが、その誰かのために動くということを、ミサヲは30日間かけて自分の中で考えながら、そのことと自分が信仰しているものを照らし合わせながら過ごしていた女の子なのだと思いました。

小野:大野アツ子は、勝気なお姉ちゃんというイメージでした。わたしも勝気なところがあるので、そういう部分はとても共感できました。

――戦後80年、今この作品が公開されることについて想うことはありますか。

菊池:公開年が戦後80年という節目であるだけなのかなと思っています。年月が経つにつれて認識が変わっていくことは仕方のないことだと思うのですが、このような作品を残すことで、受け取り方はさまざまだと思いますが、作品を通して見えてくるものは変わらないと思うんです。事実を描いた作品だなと思うので、この先もその変わらない事実が観られ続けていけばいいなと思っています。

川床:戦後80年という数字が大きくなればなるほど、当時を知っている人は少なくなると思うのですが、だからこそこのような作品が作られる意味が、より大きくなっていくのかなと思うので、今回俳優として今作に携われたことは、意義があると思っています。

小野:戦後80年と言えることのありがたさを強く感じました。戦争を知らないわたしたちと言えることがどれだけありがたいか。その80という数字がどこまでも大きなものになってほしいですし、こういう作品はそのためにあるのだと思いました。

公開中

(C) 2025『長崎―閃光の影で―』製作委員会

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