「学校に行きたくないあなたへ」3人が選んだ“自分の生き方”【news23】

「学校に行けない、行きたくない」と感じているあなたに伝えたいことがあります。「不登校の日々は無駄じゃなかった」陽生さん。「そんなに頑張らなくていい」ふたばさん。「新しい友達ゼロでも“推し”がいれば」ゆななんさん。
3人が考え、自ら選んだ“自分の生き方”とは。
「頑張りすぎた」大好きだった学校がつらい場所に
最上ふたばさん(仮名・16)
「小学校の時は体育が大好きだったんで、ずっと外で遊んでるような子どもですね。先生も好きだったんで、大好きでした、学校は。全く想像してなくて、学校行かないなんて選択肢ないから」
最上ふたばさんは中学1年の途中から、学校にほとんど行けなくなりました。
ふたばさん(仮名・16)
「これは中学3年生の時なんですけど、68日中、休んだ日が66日。1学期も2学期も同じように休んでる感じ」
自分から積極的に勉強し、部活では県大会2位 。しかし、学校はつらい場所でした。
ふたばさん(仮名・16)
「テニスはゲーム制なんですけど、1ゲーム取られただけで怒られて、すごく厳しかったです。それが割ときつめの言葉で、行くたびに絶対に怒られる、先生に。1年生の中でもよく試合に出させてもらっていたので、失敗しちゃいけない、 とにかく頑張らないとって。勉強も両立しないといけないって頑張りすぎちゃったところもあって、ご飯が食べられなくなってどんどん痩せて、(中学1年の)3学期から入院して」
13キロ痩せた。診断は摂食障害。退院後は、ギターを弾いたり、テレビドラマを見たりしました。頑張るのは当たり前だから…誰かに相談しようと思わなかった。
中学3年の時、教室に戻ったけど、クラスメイトは知らない子ばかり。また学校に行けなくなった。
ふたばさん(仮名・16)
「高校生になれるのか、不安が一番大きかった。自分の場合は、『授業へ参加してないため評価できません』って通知表。家で勉強やろうと思ったけど、教えてくれる先生がいないので、どんどん遅れちゃってこんなんで大丈夫かなって」
ふたばさんは、 この春「通信制高校」に進学。オンラインで勉強し、レポート提出などで単位が得られます。これに加え、 通信制高校の生徒を支えるサポート校にも入学し、中学の勉強を学び直しています。
ふたばさん(仮名・16)
「このまま高校行って大丈夫かな…と、自分も思ってたけど、サポートする学校があるから全然悩む必要は無いと思います。学校に無理して行くと、状態が悪くなることもあるから、そんな頑張らなくていいと思います」
“友達ゼロ”でも「推し」がいれば毎日楽しい
――自己紹介をお願いします
「ゆななんです!多分15さいです!女です!好きなことは、超特急、M!LK、地下アイドル…です!苦手なことは、勉強、人ごみに行くことなど」
――チャットでの取材を希望した理由を聞いてもいいですか?
「話しても聞こえないかなーとおもったので!!(声が小さいだけ)」
中学校はどんな場所だったか、聞いてみました。
「めんどくさいとこ」
「陰でなんか言ってるひといるから」
「物をぶつけてきても、あやまらないひとがいるから」
――何をぶつけられたの?
「ぶあついかみ、と、ふせん」
「ちなみに、中学の新しい友達は0です★」
それでも、学校にはほぼ休まず通っています。ムリして友達を作らなくても、“推し”がいれば、毎日は楽しい。
――今後挑戦してみたいことはありますか?
「推しのライブ、全ステしてみたいです!!!」
「毎日消えたかったけど、今は生きたい」不登校は“無駄”じゃない
佐藤陽生さん(18)
「一番は家庭環境ですよね。お父さんが手を上げてきて、それで嫌になったのもそうだし。お父さんとお母さんのケンカを聞くのがすごく嫌で。友達とかもそんなにいなかったんで、毎日死にたいと思ってた」
中1の夏休み明けから不登校になり、自分の部屋からも出られなくなりました。
佐藤さん(18)
「誰にも見て欲しくなかったんです、自分のことを。誰からも目を付けられない場所に、ずっといたいって思ってたから、部屋にこもってたんだと思う。死にたいっていうか消えたくて」
今は、夜間定時制高校の生徒会長。「消えたい気持ち」を変えてくれたのは、通学のため、今は離れて暮らすお母さんでした。
佐藤さん(18)
「学校行きたくないのに、(お母さんは)学校行きなさいと言う。自分のこと、どうでもいいからそう言うのかなと思っていた。本当に死にたくて、自分を刺そうとした時に、お母さんが来て止めてくれて、“自分のこと思ってくれてるんだ”って、自分もお母さんも大泣きで抱き合った」
不登校の日々は、無駄じゃなかった。引きこもっていた時、“生きる理由”を見つけたから。
YouTubeで知ったヒップホップ。つらい記憶が歌詞に変わる。不登校の経験だって“武器”になる。今は音楽の世界で生きることを目指しています。
佐藤さん(18)
「めっちゃ緊張してます。楽しみます」
8月、ラップバトル全国大会の予選に参加。試合は日曜の夕方に行われ、小学1年生も出場していました。
“周りと違う存在”を受け入れない世界もある。でも、受け入れてくれる世界もある。
ベテランと対戦し、延長の末、敗退しましたが、誰にも見られたくなかった頃の自分は、もういません。
佐藤さん(18)
「逆にもう見られて、自分のラップを聞いてほしい。自分の好きなものを見つけて、練習していく中で、だんだん自分に自信がついてきて、変わってきたと思います」
“様々な選択肢を知って” 学校とは別の居場所を持つことも…
小川彩佳キャスター:
子どもたちの表情・言葉をどんなふうにご覧になりましたか。
トラウデン直美さん:
学校に行きたくない理由も、行けなくなる理由も全員違うし、前向きになれる理由や、前向きになる方法も全員違うので、一元的な解決策というのは無いと思います。
実は私も、中学生のときにあんまり学校に行きたくない日々がありました。そのときに母から「オーディションを受けてみなさい」と言われて、別の居場所ができたことで、学校に行くことも嫌じゃなくなりました。学校とは違う居場所を持つことも、選択肢の1つかなと思います。
「学校に行きたくないな」と思った経験がある人は、たくさんいると思います。その時期を抜け出してきた経験から、アイディアを提示することが、学校に行きたくないと思っている子どもたちに、出来ることなのかなと思いました。
小川キャスター:
取材をする中でどんなことを感じましたか。
news23 垣田友也ディレクター:
「学校行きたくないんだ」という声を聞いたときに、「だったら無理しなくていいよ」と言う人が多いと思います。「行かなくていいよ」と言ったところで、満足してしまう人も多いと思います。
実際、学校に行けてない子どもたちは「将来どうしよう」「進学どうしよう」という心配が1番大きくなります。その後の人生に、どのような選択肢があるのかということを伝えるなど、選択肢を増やしていくことが大切だと思います。
藤森祥平キャスター:
身近な親が、どう接すればいいのか。不登校児童生徒の調査やケアプログラムの研究・実践を行う、横浜市立大学の宮崎智之医学群教授に話を聞きました。
【不登校対策は】
・生活リズムを整える
・日常を学校生活に近づける
・無理をしない、させない。2日登校して1日休むなど
授業について行けない、毎日笑顔でいなきゃいけない、友達を持たなきゃいけないとか、そういうことではなく、いろんな人がいろんな事情を抱えていて良いということを伝えようということですよね。
news23 垣田ディレクター:
オンラインの高校というと「ずっと家にいて、ネットの世界ばかりで生きるんじゃないか」と心配な方もいると思います。
実際は、通信制高校でもオンライン上でクラスメイトと仲良くなって現実世界で遊んだり、学校外でアルバイトをしたりして友達ができたり、実生活の交流を楽しんでいる子もいます。
選択肢が充実してきているということも、知ってほしいなと思いました。
小川キャスター:
行き止まりはないんだということですよね。2学期に入る前に知っていただきたいと思います。
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<プロフィール>
垣田友也
news23ディレクター
児童虐待や子どもの貧困について取材
虐待防止のシンボルカラー・オレンジを愛用
トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行