「逃げれば幸せになれた」不登校41万人超 過去最多 自分なりの生き方や居場所を探して... 「不登校で見つけたもの」動画コンテスト【サンデーモーニング・風をよむ】

9月1日から新学期という学校も多い中、不登校の子どもたちが今40万人以上います。そんな彼らによる動画コンテストが開かれました。
「不登校で見つけたこと」動画甲子園
8月24日に開かれたのは「不登校生動画甲子園」と題されたイベント。
不登校の経験がある10代の若者が、想いを1分の動画にまとめて投稿。「不登校で見つけたこと」をテーマに、全国から430本以上の応募がありました。
新潟の16歳の女性は、今も不登校から抜け出せない苦しみをストレートに表現しました。
16歳女性の作品
私は不登校になって見つけた事は
無い
不登校になってから見つけたことより
失うことが多かった
“楽しかった”学校も
“好きだった”友達との時間も
こんな私に前向きになる資格は無いのかもしれない
だけど 私は
生きる理由を見つけたい
同じ悩みを抱えた人に向け“マイナスだった日々を まずはゼロに戻そう”というメッセージを込めたといいます。
一方で、不登校中に「夢」を見つけたという高校生も。
しほさんの作品
学校を見ると体調が悪くなり
制服を着るのも嫌だった
家にも学校にも居場所がなかった
でもTikTokで久しぶりに笑える動画を見つけた
それが声優だった
その時に私は声で人を幸せにできる声優になろうと思った
少しずつ前に進むようになった
この動画を作った岡山の16歳・しほさん。
アカウント名「しほ」さん(16)
「新しい自分に出会えるというのは『不登校の強み』だと私は思う。声で人の感情を揺さぶれるような声優になりたい」
現在、通信制の高校で学びながら、声優の専門学校のオープンキャンパスに参加するなど、夢の実現に向け歩み始めています。
不登校を経験したからこそ 思い切り自分を出せるように
17歳 チョコさんの作品
私が不登校になって見つけたこと
友達や仲間
勇気と楽しさ
他にも沢山
そして私は一つの共通点に気づきました
全部【自分】が見つけたことだ
私は自分を見つけたんだ
今まで色んな自分を見つけてきた
まだ見つけてない自分もいる
次に見つけるのはどんな自分?
チョコさんは中学生になり、長く伸ばした爪や髪型を学校から受け入れてもらえず、「自分という個性」が失われることに不安を抱いたといいます。
アカウント名「チョコ」さん(17)
「学校とか、そういう社会の部分から、自分をつぶされている感じがしていた。不登校を経験したからこそ、縛られることがなく、思い切り自分を出せるようになって、自信につながっていきました」
今は高校を休学し「不登校で見つけた自分」を表現できる場を積極的に探していきたいといいます。
それぞれが語った「不登校」の経験。
現在、全国で「不登校」の状態にある子どもたちは文科省の2023年度調査によると約41万4000人、 過去最多となっています。
そうした子どもたちを受け入れる民間の施設があります。
不登校に悩む子どもたちが、一緒に学んだり語らったりする、いわゆる「フリースクール」です。
フリースクール流山 原野 有理 代表
「子どもたちはそもそもすごく多様な存在で、学校1種類だけでなく、自分の多様な形に合わせた居場所を選べるのが一番理想」
現在、こうしたフリースクールに通う子どもは、文科省によると全体の4.5%。
最近はオンラインの教室などに通う子どもも増えています。
自分なりの「生き方」や「居場所」を求めようとする子どもたち。今回の動画からはそうした彼らの心の声が多く聞かれました。
学校だけじゃない「逃げ道を見つけた」
そして最優秀作品に選ばれたのは、不登校で「逃げ道」を見つけたという、中学3年生のひなさん。
ひなさんの作品
私はブスなんだ
何度も何度も自分を傷つけた
不登校にだってなった
何気ない一言で人は飛び降りるかもしれない
絵はどん底の私を救ってくれた
逃げ道を作った
幸せになれるように
逃げて
逃げれば
幸せになれた
ひなさんは小学生の頃、容姿に関するいじめを受けて不登校になりましたが、「逃げ道」となった絵がフリースクールの仲間などに評価されたことで、前向きになれたといいます。
アカウント名「ひな」さん(15)
「すごく心も軽くなったし、前よりもネガティブにならなくなりました。逃げた先に幸せがあるか分からないけど、自分で作っていくものだと思う」
自身も不登校を経験し、これまで400人以上の当事者を取材。この動画甲子園を企画したジャーナリストの石井しこうさんは―
不登校ジャーナリスト 石井しこうさん
「今でも不登校の子は『甘えてる』『怠け』という見方は当然強いんですけれども、私はぜひ不登校も『育ち方の一つ』として社会で位置づけられないかと思っています。学校に行かない道や、多様な選択肢を認められるようになるべき」
「不登校はハンディキャップじゃなくて、レアリティ(希少性)。自分でも不登校したことがプラスに働いているし、立ち止まった経験というのは、大人になった時に悪い財産ではない」
多くの子どもたちが明日から2学期。
「学校に行けない」ことを思い詰める必要は無いのかもしれません。