「壊滅的な気温上昇」それでも進まぬ再生可能エネルギー... あくまで“民間事業”かそれとも“支援”か 問われる国の再エネへの本気度【サンデーモーニング】

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2025-09-07 16:48
「壊滅的な気温上昇」それでも進まぬ再生可能エネルギー... あくまで“民間事業”かそれとも“支援”か 問われる国の再エネへの本気度【サンデーモーニング】

記録的猛暑となった2025年の夏。東京都心では、9月になっても3日連続の猛暑日、年間で28日と、最多記録を更新しています。

【写真で見る】「開発継続は困難」再生可能エネルギーはなぜ進まない?

気象庁異常気象情報センター 及川義教所長(1日)
「この130年近い統計データがある中で、ダントツで高い記録となっているので、異常気象であったと言って差し支えない」

2025年6月〜8月の全国の平均気温は、平年と比べ+ 2.36°Cと、統計史上最高を記録しました。

温暖化対策を定めたパリ協定では、世界の平均気温を産業革命前と比べ、上昇幅1.5°Cまでに抑える目標を掲げました。ところが2024年の平均気温は1.6°C上昇し、早々と抑えるべき目標を超えてしまったのです。

また国連は、世界の温室効果ガス排出量が、過去最多となったとする報告書を公表しています。

【2023年の世界の温室効果ガス排出量】
571億トン(過去最多)※国連環境計画

国連 グテーレス事務総長(2024年10月)
「現在の(各国の)政策は、今世紀末までに3.1°Cという、破滅的な気温上昇をもたらそうとしている。排出量の増加と頻発・激甚化する気候災害との間には、直接的なつながりがある」

進まない再生可能エネルギー 環境負荷やコストの問題が

日本も温室効果ガス削減に取り組んでいるものの、発電量における化石燃料の割合は68.6%(資源エネルギー庁2023年度)と、依然として高い水準。

この状況に国が力を入れているのが、再生可能エネルギーの促進。国の計画では太陽光発電の割合を、23年度の約1割から、40年度には最大3割に増やすとしています。

【第7エネルギー基本計画(2月)】
太陽光発電(見通し)
・23年度…9.8%
・40年度…23~29%程度

ところが、懸念される出来事も。

北海道の釧路湿原周辺に、約6600枚の太陽光パネルを設置する「メガソーラー」建設計画。

しかし、近くには国の特別天然記念物のタンチョウなどが生息。また事業者が建設予定地の一部の許可申請を行っておらず、北海道は工事の一部中止を勧告しました。

この問題に、専門家は...

自然エネルギー財団 石田雅也研究局長
「再エネの発電設備を増やしていくためには、当然、その環境負荷を抑えることは大前提。自然環境を保護しなければいけない。そういったところは規制区域という形にして、設置できる場所としてはいけない場所をきちんと分けましょうと。国として、そこは早急に進める必要がある」

こうした太陽光のケースだけでなく、風力発電も前途多難。国の計画では、風力発電の割合を、23年度の約1%から、40年度には最大8%にまで増やすとされています。

【第7エネルギー基本計画(2月)】
風力発電(見通し)
・23年度…1.1%
・40年度…4~8%程度

そこで国が強く期待していたのが、秋田県沖と千葉県沖に計画された洋上風力発電。2021年に、三菱商事などの企業連合が事業を受注していたのですが...

三菱商事 中西勝也社長
「残念ながら開発継続は困難という、判断をせざるを得なかった」

コストが膨らんだことで、三菱商事などが撤退を発表。建設資材や人件費高騰などから、決算(2024年4月〜12月期)では約500億円の損失を計上しており、今後も採算が取れないとの判断からでした。

期待された洋上風力の頓挫に、武藤容治経済産業大臣は...

武藤容治 経産大臣(8月29日)
「洋上風力というものは、まさに再エネの主力電源化に向けた重要な電源。それを途中で放棄する責任というのは極めて大きい」

一方で専門家は、これまで国が風力発電などの再エネ事業への支援を十分行っていないことにも責任があるといいます。

「再エネはまだ支援が全然足りない」再生可能エネルギーの行方

自然エネルギー財団 石田雅也研究局長
「洋上風力だけでなく、陸上の風力でも、そもそもの市場がまだ広がっていないので、いろんなもののコストが高くなる。国が経済的な支援をしていかないと、事業者としては採算をとりにくい。再エネは、基本的には民間でやる事業であると。それに対して原子力発電というのは国主導の発電事業。国の政策の支援の度合いというのも、差が出てきている」

日本のエネルギー政策を巡っては、これまで原子力に莫大な予算をつぎ込んできました。高速増殖炉「もんじゅ」には、1兆円以上の国費を投じるも、廃炉を決定。

核燃料サイクルの実現が見通せない中、青森・六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場の総事業費は15兆円を超えています。

自然エネルギー財団 石田雅也研究局長
「原子力に関しては、どこにどれだけのお金がかかっているのか、ブラックボックスで見えないところがある。これからさらに廃炉を進めていかないといけない。さらにコストがかかる可能性がある。それに対して再エネは、(支援が)まだ全然足りない。例えば、年間に数千億ぐらいの予算を何年かつけると、大分状況は変わると思う」

今後、日本のエネルギー政策をどうしていくのか。再生可能エネルギーに対する本気度が問われています。

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