なぜ?「宿泊税」各地で導入ラッシュ 京都では最大“1万円” 問われる効果と使い道を専門家に聞く【ひるおび】

新たに「宿泊税」を導入する自治体が増えています。
1月の宮城県仙台市を皮切りに、北海道、栃木県、岐阜市、熊本市など、過去最多の26もの自治体が導入を決めています。
なぜ今「宿泊税」が必要なのでしょうか?
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏に聞きます。
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相次ぐ「宿泊税」効果と使い道は?
「宿泊税」は、自治体が宿泊客から徴収する税で、条例の可決と総務省の同意が必要となります。ホテルなどに泊まった際に徴収されます。
【宿泊税を導入している主な自治体(税額は1人1泊あたり】
・ニセコ町:100円~2000円
・東京都:100円~200円(1万円未満はなし)
・熱海市:200円
・高山市:100円~300円
・金沢市:200円~500円(5000円未満はなし)
・京都市:200円~1000円
・大阪府:200円~500円(5000円未満はなし)
・福岡県・福岡市・北九州市:200円~500円
・長崎市:100円~500円
今年新たに導入する自治体は、
宮城県・仙台市・北海道・札幌市・湯河原町・岐阜市・熊本市など26の自治体です。
1月13日から新たに宿泊税を導入した宮城県は、素泊まり料金が6000円以上の宿泊客から1人1泊あたり300円を徴収し、今年度・来年度合わせて約12億円の税収を見込んでいます。
導入の理由について村井嘉浩知事はー
「(宮城県内の)定住人口が減る中で、交流人口を活性化させることによって、経済的に大きな効果が見込めるのではないか」と話しています。
宿泊税を導入し、その税金を観光PRや旅行者の受け入れに必要な環境整備に使う考えです。
具体的には、インバウンド対策として県内のバス路線を地図アプリに反映する、空港から県内各地へのツアーバスを整備するなどとしています。
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、宿泊税の用途について
「地元住民や代理徴収を行う宿泊施設にメリットのある施策にすべき」と話します。
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
宿泊業者の方にとっては実質「値上げ」になってしまうんですよね。
お客様からお金を取るときは合計額でもらって、宿泊税の部分を自治体に納めるという形をとるので。
逆にこれを上手に使って、二次交通の整備や人手不足の問題などを解決してくれるんだったら、地元住民の費用負担が「ない」というところが大きいですよね。
弁護士 八代英輝:
明細を見てみると、何に使われているのか正直わからないところがあって。
事業者の方は本当に10円単位で宿泊料を上げないように苦労されている中、税金と言われるとポンと簡単に何百円か取られてしまう。
でも支払う側からすれば同じ金額じゃないですか。だから透明性を持った使われ方をするのが大事だと思いますね。
鳥海高太朗氏:
例えば熱海は、花火大会に市のお金をたくさん使っているのでそこに使います。
愛知県の常滑市は、セントレア空港とホテル・地元のスーパーのモールをつなぐ無料バスを宿泊税で運行しています。
宿泊税の使い道が具体的に見えている都市と、漠然としていて本当にちゃんと使っているのか?という都市。これは今見ていると、分かれていますね。
「宿泊税」いくらが妥当?
街の人はー
「500円だとちょっと高いような気がする。300円までかな」(40代会社員)
「観光地だったら1000円行かなきゃいい。子どもが転ぶのが怖いので道が綺麗な方がいい。ゴミも綺麗にしてくれていたらすごく助かる」(30代看護師)
「子どもは無料にするとか、軽減があったら家族の方はありがたいんじゃないかと思う」(30代団体職員)
「ひるおび」で行なったLINEアンケート(12202人が回答)で、「宿泊税」の許容できる金額を聞きました。
300円以内・・・36.4%
500円以内・・・37.5%
1000円以内・・・21.4%
2000円以内・・・4.7%
「500円以内」が最も多いという結果となりました。
コメンテーター 伊藤聡子:
500円も、人によって価値が違うと思うんですよ。本当にサイトで100円削って安いところを見つけて行っているような人もいれば、1泊5万円するようなところに泊まってる人もいるので、そこはやっぱり差をつけた方がいいんじゃないかなと思いますね。
鳥海高太朗氏:
金額は都市によって違っていて、宿泊料金によって金額が変わるところや、熱海など、どの宿に泊まっても200円のところもあります。
例えば北海道の倶知安町など、宿泊金額の何%という定率制のケースもあります。
「宿泊税」導入 なぜ今増加?
宿泊税の導入が増えている背景にあるのが、外国人観光客の増加です。
人気観光地としては、混雑緩和やゴミ対策などの、オーバーツーリズム対策に。
その他の地域としては、観光のPRや集客の対策にお金をかける必要があります。
鳥海氏は、宿泊税の導入が増えた理由として、
大都市を中心に宿泊税の導入が進んできたことにより、宿泊税が市民権を得てきたので、様子見していた地方が導入するようになってきたのではないかと見ています。
鳥海高太朗氏:
先行事例で大きなトラブルにはなっていないので、導入するというところですね。
渋谷区のセンター街のゴミの問題がありますけど、捨てるのは観光客など住んでいる人以外の外から来る人が多いので、そういうのは本当にこういう財源をあてて、ゴミ箱の整理とか清掃員を増やすのはありですね。
恵俊彰:
でもこれ「宿泊税」じゃないですか。宿泊税をゴミの行政サービスに充てる?
鳥海高太朗氏:
観光客がいっぱい来て日常生活が脅かされることに対して使うのもありだと思いますし、場合によっては来る人が増えて、それによって財源が増えて、道の整備や、過疎化でバスの減便が続いているなか二次交通を整備して観光客プラス地元の人を運ぶために使うんだったら、僕はいいのではないかなと思います。
導入済みの自治体では引き上げの動きも
京都市では、3月に宿泊税の引き上げを行なう予定です。
これまでは、宿泊料により、200円・500円・1000円と3段階で宿泊税を徴収していましたが、3月からはより細かく分かれます。
宿泊料
6000円未満⇒200円
6000円~2万円未満⇒400円
2万円~5万円未満⇒1000円
5万円~10万円未満⇒4000円
10万円以上⇒1万円
宿泊税の使い道は、ゴミ容器の設置や、ハイシーズンのゴミ収集の回数増加としています。
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
多くが1人当たり6000円から2万円のカテゴリーに入るので、日本人で普通に旅行される方は、大体1泊400円というのが基本のベースになっていく感じはありますね。
食事の料金は対象ではなく、素泊まり料金相当に対しての適用ということで、「1泊2食だと高くなっちゃう」ということはありません。
東京都も、2月の都議会で宿泊税の改正案を提出し、来年度の施行を目指しています。
これまでは、宿泊料金1万円以上1万5000円未満⇒100円、1万5000円以上⇒200円でした。
改正案では、1万3000円以上の宿泊料金に一律3%の定率制が導入となり、カプセルホテルや民泊なども対象になるとしています。
これにより税収は2025年度の約2倍、約190億円が見込まれています。
使い道は、都庁のプロジェクションマッピングや、観光情報センターの設置・運営、Wi-Fiやデジタルサイネージの利用環境の整備などとしています。
航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
東京は特に税収が多いので、何に使うかがより明確に問われる。
公共交通機関などがある程度満たされているので、逆にどういう形で使うかが一番難しい中で税額が上がるという形になりますね。
(ひるおび 2026年1月14日放送より)
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<プロフィール>
鳥海高太朗氏
航空・旅行アナリスト 国内外の旅行事情に精通
帝京大学非常勤講師 近著に「コロナ後のエアライン」