東京・東村山市にあるハンセン病療養所「多磨全生園」の自然と歴史を親子で楽しみ、学ぶイベント

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2026-02-24 06:00
東京・東村山市にあるハンセン病療養所「多磨全生園」の自然と歴史を親子で楽しみ、学ぶイベント

多磨全生園を「人権の森」として残し、地域の人が楽しみ、学ぶ場に

東京・東村山市にある国立のハンセン病療養所「多磨全生園」で、1月24日(土)、「あつまれ人権の森~親子でたのしむ多磨全生園~」というイベントが開かれました。
多磨全生園は約35万平方メートル、東京ドーム7個分ほどの広さがあります。

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その中には、国の政策でかつて強制的に隔離された人たちが「いつかはハンセン病への偏見や差別を乗り越えて、一緒に花見をしたい」と植えた桜並木や、「故郷に戻ることができない自分の生きた証」としてお金を出し、一人で一本ずつ植えた木など、約250種類、3万本の樹木があります。

入所者の自治会は2002年、多磨全生園そのものを「人権の森」として残し、地域の人が楽しむ場、そして、歴史を物語り、歴史を学ぶ場にしようと働きかけてきました。

今回のイベントは東村山市が主催し、企画・運営は、自然と共生できる「まちづくり」を進める「NPO birth」です。

園内の自然について知り、楽しむ

会場の園内「さくら広場」では様々な企画を実施していました。

「森の探検」の時間になると、birthのレンジャーが希望者を集め「ここで暮らした人たちが思いを込めて植えた木々の下には、様々な植物、そして、様々な生きものが集まってきます」と説明を始めました。

その場で早速、モグラが掘った穴をいくつも見つけ、レンジャーがモグラの生態について、説明します。             

その後、園内を療養所で暮らす人たちの邪魔にならないよう、1時間ぐらいで回りました。
はがきの語源になったとも言われる、タラヨウの葉に木の枝で字を書いたり、松ぼっくりを拾ったり。
キツネのものと思われる穴を見つけたり、様々な野鳥の鳴き声に耳を澄ませたり・・・

園内にある史跡や建造物をめぐり、説明を受ける

途中に、差別や偏見から故郷に戻れない人たちが眠る納骨堂も通ります。
多磨全生園の学芸員が「治っても、故郷の家とか家族の元に帰ることができない人がまだまだいて、亡くなった後も、この納骨堂内で、静かに眠っています。これからも、来た時はここでお参りしていただけたら、ありがたいです」と話します。

また、納骨堂を出たところで音楽が聞こえてくると、学芸員は「後遺症で目が見えない入所者さんが、園内の誰々さんの所に行きたい、という時、例えば、この音を二つ聞いた角を曲がったら行ける、となっているんです」と説明しました。

この他、園内には様々な史跡や建造物があります。
子供の入所者が通った小中学校の跡に建つ石碑や、入所者の逃走を防止する堀を入所者自らで掘った時の残土を積み上げ、登って遠くの故郷に思いをはせた「望郷の丘」。かつて図書館として使われ、文化財に指定されている古い建物などをめぐって、出発点に戻りました。

「さくら公園」では、竹を楽器にして思い思いに鳴らしたり、木の枝で秘密基地を作ったり、木の実や枝でたき火をしたり。

園内には10数年前、民間の「花さき保育園」が移転してきましたが、参加者は園内の自然物を使って、園児が普段やっているように、飾りを作ったり、絵を描いたりしていました。

東村山市によると、この日の参加者は325人。

割と最近、この辺りに引っ越してきたという男性は「息子が花さき保育園に通って、そこのお知らせで知りました。東京の東のほうに暮らしていたので、全生園のことは全く知らなかったです」と話します。

また、隣の小平市から誘い合わせてきたという女性は「きょうみたいに、気軽に来られて、ここにそういう歴史があるんだ、と学んでもらえる場所になってほしいなと思っています」と話していました。

多磨全生園の将来に向けて一緒に考えるために

2025年3月、東村山市、多磨全生園、入所者自治会などで作る委員会が協議してまとめた「将来構想」が公表されました。

〇入所者が暮らし、療養する「入所者・施設運営」エリア 
〇自然の中で、地域と交流する「地域交流・自然公園」エリア 
〇ハンセン病問題の歴史を学び、人権について考える「史跡・教育」エリア

園内をこの3つに分け、今後、具体的な整備を進めるとしています。

イベントを主催した東村山市の企画政策課、濵﨑浩太郎課長
「きょうのイベントは『人権の森』と呼ばれる園内の自然を大切にして、楽しみながら、それをきっかけに、ここで起きた歴史を学んでいただくもの。今後は、この園をどのようにしていくか、入所者の思いを大切に受け止めながら考えて行きます。市民の皆さんと一緒に考えていけたらと思います」。

隔離や差別の歴史をなかったことにしないためにも、歴史を物語る実際の建造物や自然を残すことが重要です。
隣には国立ハンセン病資料館もあります。

ハンセン病が治る病気となった後も続いた、誤った国の強制隔離政策。

その歴史から学び、考えるために、多磨全生園を「人権の森」としてどう残すのか、入所者の高齢化が進む中、地域と一緒に、具体化への道筋をつけることが急がれます。

TBSラジオ「人権TODAY」担当: 崎山敏也記者

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