猫も『脱臼』することがある!症状や起こしやすいシチュエーション、対処法を解説

2025-09-18 06:00

今回は、猫の「脱臼」の症状をはじめ、発生率の高い状況や防止策についてひと通り解説します。あらかじめ基本的なことを理解しておくと、いざ起こったときに慌てなく済みます。今後の「脱臼」リスクを減らすためのヒントにしてみてください。

猫の「脱臼」とその症状とは?

骨折中の子猫

猫の「脱臼」とは、骨同士の接触面が、外圧がかかることによって、正常な位置からずれてしまう状態のことです。完全に外れている状態を「完全脱臼」、部分的につながっている状態を「亜脱臼」と言います。

ちなみに、「脱臼」は、外圧による「外傷性脱臼」、病気や神経異常、変形性関節症などが引き金となる「病的脱臼」に分類されます。

猫の「脱臼」の大半が「外傷性脱臼」で、なかでも、股関節に集中しています。股関節は、後ろ足を支えたり、身体の衝撃を和らげる重要な役割を担っており、その分、外からの力がかかりやすくなっている部位です。

「脱臼」の症状としては、「後ろ足を引きずっている」、「足の長さが違う」、「目立った外傷がある」などがあります。

実は、「脱臼」するような外圧がかかると、たんに骨同士の接触面がずれるだけでなく、胸部外傷や骨折、靭帯の損傷などの大ケガを伴うことも多いと言われています。

愛猫が落下事故に見まわれた場合、前述したチェックポイントに従って、「脱臼」状態に陥っていないか、まずは見極めてみてください。

「脱臼」が起こりやすい状況とは?

キャットタワーで遊ぶ猫

猫の「脱臼」は、交通事故や転倒事故など、外の世界に限って起こるアクシデントではありません。おうちで普通に暮らしていても、発生する危険性は十分にあります。

室内猫で「脱臼」が起こりやすいのは、高所からの転落(キャットタワーや窓辺、家具の上など)、同居猫同士の戯れ合い(ケンカ)といった状況です。

また、フローリングで足を滑らせて転んだ結果、打ち所が悪く、「脱臼」になるケースもあります。

猫の「脱臼」で注意したいのは、関節が未発達な子猫や足腰の弱ったシニア猫です。肥満傾向にある猫も、他の猫と比べると、関節に大きな負担がかかって、「脱臼(特に膝蓋骨脱臼)」になりやすくなっています。

どんな対処法が有効?

獣医師の腕の中にいる猫

もし転落事故などのトラブルが起こり、「脱臼」の疑いが生じたら、まず、愛猫をむやみに動かさないようにすることが大切です。そのうえですぐに動物病院で診てもらってください。

脱臼の治療法には、「非観血的整復法」、「観血的修復法」、「救済的手術」の3つがあります。

  • 非観血的整復法 全身麻酔後、手術せずに手で関節を元の位置に戻す
  • 観血的修復法 関節縫合手術、経関節ピン固定法で関節を修復する
  • 救済的手術 重度の変形関節症の場合、切除関節形成術を行う

ちなみに、「救済的手術」には、切除関節形成術(関節を取り除き、まわりの靱帯や腱、筋肉で安定化させる)だけでなく、股関節全置換術(人工関節を入れる)という方法もあります。

日頃からできる「脱臼」対策としては、滑りやすいフローリングやキャットタワー、階段のステップなどに、滑り止め用のマットを敷いておくことが挙げられます。さらに、肥満状態にならないように、毎日の適度な運動も欠かせません。

若いころは問題のなかった高さのあるおもちゃも、加齢とともにけがの原因になる場合もあります。運動能力によっては撤去も検討するようにしましょう。

人間と同じように、猫の場合でも、一度「脱臼」になると、再発しやすくなっています。愛猫の健康を守るためにも、今一度、安全面など、おうちの住環境を見つめ直すようにしましょう。

まとめ

ジャンプ中の猫

身体の構造上、猫の「脱臼」のほとんどは股関節で発生します。しかも、症例では5割近くで、骨折や腱、靭帯の損傷、胸部外傷などのケガを併発するのが大きな特徴です。

「脱臼」を防ぐには、体重管理などの愛猫の健康維持はもちろん、フローリングやキャットタワーの足元にクッション性のあるマットを敷くなどの対策が効果的です。

愛猫が「脱臼」で苦しまないように、飼い主さんは日々、万全な環境整備に努めてみてください。

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