実業家とスタートアップ企業が注目するタイの「無限の可能性」

2025-09-23 12:22

「確かな実績を伴う投資政策により、世界経済の不安定さに対抗できる」

バンコク(タイ)、2025年9月23日 /PRNewswire/ -- タイへの投資で数十億ドルを稼いだ起業家たちは、不確実な世界において東南アジア経済が有望なビジネス拠点として成長し続けると確信しています。

実業家とスタートアップ企業が注目するタイの「無限の可能性」
実業家とスタートアップ企業が注目するタイの「無限の可能性」

経済危機や政治的変動を幾度となく乗り越えてきたバンコクを拠点とする外国生まれの実業家4人は、独占インタビューに応じ、人口7千万人のこの国が今後も自社だけでなく新規投資家にも利益をもたらし続けるだろうと予測しています。

William Heinecke氏、Harald Link氏、Aloke Lohia氏、Yeap Swee Chuan氏の4名は、タイで合計250年以上にわたり事業展開している企業を経営しています。彼らのコメントは、最近開始された「Thailand: Invest in Endless Opportunity(タイ:無限の可能性に投資を)」と題した政府のマーケティング・キャンペーンに強い説得力を与えています。

公式統計によると2025年上半期にタイ投資委員会(以下BOI)に提出された投資申請が前年比139%増の過去最高の1兆600億バーツ(約325億ドル)に達しました。これは、AIスタートアップ企業から高級レストランまで幅広い事業を立ち上げるために、海外から帰国した優秀なタイ人の「逆頭脳流出」の動きとも重なっています。

「海外からは見えにくいが、タイには安定した基盤がある」と語るのは、米国生まれの実業家Heinecke氏。同氏のMinor International PCLは、1978年にバンコク郊外のビーチ・リゾート1軒から始まり、60か国以上で8万人の従業員を雇用し、640以上のホテルを擁する世界的なホスピタリティ企業に成長しています。「この国を際立たせているのは、アクセスの良さ、インフラの整備、法の支配です。これらはすべて、自社だけでなく、ここに来るあらゆる投資家に安心感を与えてくれます。」

同氏は世界中で約2,700軒のレストランも運営しています。しかし、同社の国内外にて爆発的な成長にもかかわらず、国内でのさらなる機会を探し続けていると言います。

一例を挙げれば、タイは、ビーチ、文化、スポーツを中心とした休暇の目的地として世界をリードするだけでなく、医療観光の国際的な拠点としても成長しています。高級ホテルに併設されたスパが取り上げられている同氏は、現在、医療ウェルネスを提供する高度なクリニックに大規模な投資を進めていると語っています。

同氏はまた、タイ料理、ムエタイ、そしてサムイ島とプーケット島にある自身のAnantaraとFour Seasonsのリゾートで主に撮影された大ヒット・テレビ・シリーズ「The White Lotus(ホワイト・ロータス)」の第3シリーズなどのテレビ番組に対する熱狂を通じて、タイが国際的に発信する「ソフト・パワー」によってさらにチャンスが生まれると見ています。

多くの投資家が米国との貿易をめぐる不確実性に懸念を抱く一方で、同氏は、「タイはASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国の中心に位置しており、7億人の消費者を抱える世界最大級の経済圏の一部であり、更に中国とインドという合計28億人の人口を擁する巨大市場にも近接している。」と指摘しています。

「タイには多くのチャンスがあり、地域全体に視野を広げれば、さらに多くの可能性が広がっています。そうした可能性を最大限に活用できる理想的な立場にあり、政府も海外からの投資を手厚く支援しています。」とも述べています。

1988年、インド出身の実業家Aloke Lohia氏がタイの地方で、それまでは動物の飼料としてしか使われていなかったトウモロコシの芯から、バイオ化学物質「フルフラール」を製造する工場を設立する際、タイ政府の支援がいかに手厚いかを実感することとなりました。

最初の窓口は、当時も今も外国直接投資家に優遇措置や支援を提供している重要な政府機関であるBOIでした。

同氏は、「BOIへの投資申請が迅速に承認された後、すぐに2つの銀行から融資の提案を受けたことを思い出します。そのうちの1つ銀行は、15年後に米国事業開始にあたり、大規模な海外買収の資金も提供してくれました。」と述懐しました。

現在、Heinecke氏同様、同氏もビリオネアであり、同氏の企業、Indorama Ventures PCLは世界トップ30の化学企業の一つで、32か国114拠点で事業を展開しています。

2024年の売上高が154億ドルに達成した同社は、世界最大級のポリエチレンテレフタレート(PET)の製造・リサイクル企業のひとつです。PETは透明で100%リサイクル可能なプラスチックで、食品包装、飲料ボトル、衣料品、医薬品など幅広い用途に使用されています。

現在、利益のほとんどはタイ国外から得ているものの、「上場しているバンコクにグローバル本社を置き続ける決意に変わりはない」と同氏は述べています。

道路や港湾を含む優れたインフラ、効率的な資本市場、熟練した労働力、そして外国人スタッフを惹きつけ、定着させることを可能にするライフスタイルなの利点を列挙し、「ここには東洋の快適さと西洋の先進性やインフラが全て揃っています」と同氏は述べています。

今回インタビューを受けた4人の実業家のうち、スイス生まれドイツ育ちのHarald Link氏とタイとのつながりが最も長い歴史を持っています。同氏が経営するB.Grimmは1878年に薬局として設立され、その後147年間でタイ最大級の複合企業および独立系発電事業者に成長し、15か国で事業を展開しています。

その間、同社は「タイが2度の世界大戦、アジアおよび世界的な金融危機、不況、パンデミック、政権交代、そして自然災害を乗り越えるのを目の当たりにしてきた。」と述べています。

「いかなる局面においても、国は安定を維持するだけに留まらず、投資を誘致し、経済成長を促進し、産業基盤を拡大し続けてきました。これらの経験があるからこそ、タイはその回復力と適応力によって、現在の不確実性を再び克服し、繁栄を続けると確信しています。」と同氏は述べています。

同氏は、タイの将来を担う2つの産業、クリーンエネルギーとデータセンターに大規模の投資を行っています。2025年、同社はシンガポールのDigital Edgeと提携し、96メガワット、10億ドルのAI対応データセンターを建設しました。これは、東南アジアのAIとクラウド・テクノロジーのハブになるというタイの国家的な目標を支援するものです。同社はさらに2030年までに電力事業の発電能力を4,140メガワットから10,000メガワットに拡大し、2050年までにネットゼロ排出企業(温室効果ガス排出量実質ゼロ)になることを目指しています。

同氏は、これまでの事業展開が迅速に進んだのは、政府の政策とBOIの優遇措置によるものだと評価しています。「タイの再生可能エネルギー導入に関する大胆な国家目標は、クリーンエネルギー分野への投資に大きな可能性を生み出します。」と同氏は述べています。

マレーシア生まれの自動車部品業界の実業家Yeap Swee Chuan氏は、「タイでは、政権が変わっても、投資政策は一貫している。」と指摘します。

それもそのはずです。同氏は1996年にAAPICO Hitech PCLを設立して以来、年間200万台もの自動車とトラックを生産する世界トップ10に入る自動車製造拠点の構築において重要な役割を果たしてきた。

タイ政府は当初、自動車産業の成長を促進するため、メーカーに対し1トンピックアップトラックの製造と輸出に対する優遇措置を提供しました。それに続いて、燃費の良い、いわゆるエコカーの普及政策が進み、最近のタイの戦略は、同国を世界有数の電気自動車(EV)生産拠点へ進化させることを目指して展開されている。「どれも素晴らしい政策でした。タイの自動車産業の成功は、タイ政府の自動車政策の成功そのものです。」と同氏は述べています。

日本、中国、米国、欧州の大手自動車メーカーを誘致していることに加え、タイが成し遂げた最も注目すべき成果のひとつは、世界水準の部品メーカーにより洗練されたサプライチェーンを構築したことです。その中でも6,500人の従業員を擁するAAPICO Hitechは最大規模のメーカーです。

「タイの自動車は100か国以上に輸出されており、そのことが国際的な高品質を証明しています。」と同氏は述べています。

「彼ら起業家たちは、戦略的な立地、質の高い労働力、優れた接続性、一貫した投資促進政策など、タイが提供してきた無限の可能性の好例です。」と語るのは、BOIのNarit Therdsteerasukdi事務局長。「私たちが提供する支援には、税制優遇から投資家のタイ滞在を容易にする10年間のLTR Visa(長期居住者ビザ)まで多岐にわたります。」

海外で学び働いた後、帰国を決意したタイ生まれの起業家たちも、タイの可能性を逃してはいません。その中には、シリコンバレーのAIスタートアップ専門家で、現在はタイ最古の銀行であるSiam Commercial Bankを中核企業とするSCBX Groupのイノベーション部門SCB 10XでAI戦略責任者を務めるKasima Tharnpipitchai氏や、ニューヨークで修行し、最近世界最高の女性シェフに選ばれたChef PamことPichaya Soontornyanakij氏がいます。

Pichaya氏は、Culinary Institute of Americaで学び、ニューヨークの有名なミシュランの星付きレストラン「Jean-Georges」で数年間修行した後、タイに戻って自分のレストランを開くことを決意しました。

同氏の成果の象徴とも言えるのが、バンコクの歴史あるチャイナタウンにある築120年の建物に彼女がオープンしたミシュラン星付きのタイ・中華料理高級レストラン「Potong」です。この建物は、同氏の先祖が伝統的な漢方薬を製造・販売していた場所でもあります。この地域は近年急速に高級化が進んでおり、 Potongは地元客にも観光客にもとても人気があるため、予約で何週間待ちになることもあるほどです。かつてバンコクにおけるタイ系中国人の商取引の激戦地であった周辺地域は、現在ではタイのソフト・パワーを象徴する場所へと変貌を遂げています。

一方、Kasima氏は、自らを「テクノロジーとタイ文化の交差点」と位置づけ、タイ語に最適化された一連のオープンソースAI言語テクノロジーの開発に取り組んでいます。同氏は、生成AIと大規模言語モデルの可能性を認識し、「その2つが現代の知識労働やタイ社会に変革をもたらすと考えている」と述べています。

「ここでの生活の質はとても高く、タイ独自の技術エコシステムを育成する巨大な可能性がまだまだあると思います」と同氏は述べています。

BOI Website:https://www.boi.go.th/index.php?page=index&language=en
LTR Website:https://ltr.boi.go.th/
Youtube (Japanese):https://www.youtube.com/watch?v=v3u8ZztrO2Q
Youtube (English):https://www.youtube.com/watch?v=Oi1e8vxjd3Y

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