市立川崎高校の文化祭で開かれた「バリアフルレストラン」

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2025-10-07 07:00
市立川崎高校の文化祭で開かれた「バリアフルレストラン」

体験型プログラム「バリアフルレストラン」

神奈川県川崎市にある市立川崎高校の文化祭で9月6日(火)、福祉科の生徒たちによる体験型プログラム「バリアフルレストラン」が開かれました。

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車椅子ユーザーが多数派を占める世界を体感

取材した日は、文化祭が一般公開された日で、様々な世代の人が立ち寄りました。

参加者はまず入る前に、バリアフルレストランは障害について考える場であり、車椅子ユーザーのほうが多数派、つまり、多数派と少数派が逆転した世界に入ることなど簡単な説明を受けます。

そして、レストランに入ると、車椅子に乗った店員役の生徒たちが出迎えます。

「いらっしゃいませ。二足歩行障害の方でしょうか?」

また、介助者がいるかどうか聞かれます。

天井の高さは160cm。たいていの大人は頭をぶつけそうになり、かがみこみ、中腰で動くことになりますが、車椅子の店員はそのまま動き回ります。 

体験プログラムなので実際の飲食はできませんが、ビュッフェスタイルになっていて、作り物のパンや水、コップ、取り皿などが用意されています。しかし食べるためのテーブルや座る椅子は見当たりません。

店員の生徒
「私たちは車椅子なので、膝の上にトレイを乗せて、好きな場所で食べられるんです」
「二足歩行障害の方のためにこの店は配慮しています」

店員からは、助成金で買ったヘルメットをかぶったり、ひとつだけある特別に購入した椅子を使ったりすることを勧められます。中には、「どうしたらいいの?」とうろうろしたり、「なんか腰がいたくなってきた」とつぶやく客もいます。

体験者の声

体験する時間は7、8分間。この日は168人が体験しました。

体験者へレストランを出た直後に話を聞きました。

川崎高校の友達に誘われたという高校生
「いつも当たり前だと思っていることが、なんか違う視点になることで気づくことがあるなと思いました」

友達を誘った生徒
「何ていうか難しいけど、対等に接してない感じがしました。障害って何だろうっていうのを授業の方でもやってるんで、勉強にはなりました」

小さい子供を連れた母親が「自分が少数派の人なんだというのを思い知らされる場面があまりにも多くって」と答えると、小さいので中では自由に動き回れた子供から「つらかったの?」と聞かれ、「普通じゃないのかな、私って、思い知らされる感じがしました」と話しました。障害とかバリアフリーについて、あらためて考えさせられたようです。

レストランの外に出ると、体験を振り返って考えるため、「社会から障害を考えてみよう」という一連のパネルへ「生徒が作った映像」で誘導されます。

障害は、目が見えない、足が動かない、といった個人の心身の状態に原因があると考えるのではなく、社会に目を向けてみようということです。

多数派を前提にした社会を変えるため、「障害の社会モデル」を知る

国連「障害者の権利条約」では、「障害の社会モデル」という考え方、障害のない多数派を前提に作られた、社会の作りや仕組みに障害が生じる原因があると考えます。交通機関や建物などのインフラ、法律や制度、多数派の慣習や情報提供のあり方、考え方などです。

それを体感し、考えるきっかけにして、行動を変えることにつなげようと、公益財団法人「日本ケアフィット共育機構」がこの「バリアフルレストラン」のプログラムを提供しています。

川崎市は、東京五輪・パラリンピックが終わった後も、誰もが自分らしく暮らし、
自己実現を目指せる地域づくりのため、「かわさきパラムーブメント」を推進する部署を置き、様々な取り組みを行っています。

「バリアフルレストラン」もその一つとして取り入れていて、4年前から、各区役所や福祉祭り、駅前広場などで開催、市立川崎高校の文化祭は3回目になります。

日本ケアフィット共育機構が、強度のある段ボールで組み立てるキットを用意し、その監修のもと、今回は15人ほどの福祉科の生徒たちが会場の運営にあたりました。

当日の役割分担、このチラシの作成、一連の流れ、店員の演技の練習など、2年生の中心メンバーは「障害の社会モデル」を学ぶところから始め、3か月以上準備をしてきました。

終わった直後に中心メンバーに話を聞きました。

中心メンバーとなった生徒
「準備期間が長かったっていうのと、自分たちが主になってやるっていうので考えることも多かったっていうのもあって、やった感があります」
「準備も当日もすごい大変だったけど、来てくださった方たちが、楽しかったよ、とか、すごいいい学びになった、とか言ってくださったので、やってよかったなと思ってます」
「小学生くらいの子でも、質問したらしっかり応えてくれたり、少し困惑したりっていう場面があって、大人の方だけでなく、子供の方にもしっかりと考えていただけたんだなって思って、手応えを感じました」

生徒たちは、将来は福祉や教育関連の仕事を目指しているということで、良い体験になったようでした。

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