犬の里親になる前に備えておくべき『4つの心得』 飼い主に必要な覚悟や幸せに過ごすための配慮まで

2025-10-23 16:00

犬を迎える手段の一つに里親があります。しかし、他の手段よりもハードルが高いと感じる方も多いようです。ペットショップやブリーダーから迎える場合と比べると、難しい点があるのは事実ですが、だからといって諦める理由にはなりません。個々の犬と向き合う必要があるのは、どんな犬でも同じです。事前に知っておくべき里親になるための心得や覚悟、配慮ポイントをまとめました。

保護犬とはどんな犬?

保護犬(モノクロ)

里親になるとは、保護犬を家に迎え入れるということです。保護犬とは、何らかの事情により飼い主がいなくなった犬のことで、多頭飼育崩壊、ブリーダー崩壊、捕獲された野良犬、飼い主の死去や施設への入所などで手放されたといった理由で行政や民間の愛護団体などに保護された犬たちのことです。

保護犬の中には劣悪な環境や虐待されていた犬なども多く、健康障害やトラウマ、人への強い警戒心など、心身に問題を抱えているリスクが高いことは否めません。しかし、そのことを理解し、覚悟を決めて迎え入れれば、里親になることに特別高い障壁があるわけではないと言えます。

犬の里親になる前に備えておくべき心得

里親募集中の保護犬

里親になるためには、犬と暮らすための心得に加え、リスクの高い保護犬を迎えるための心得を備えておくことが大切です。

1.その子の生涯に責任を持つ

迎え入れた犬は、基本的にその日からあなたの家族の一員です。犬は、自分の意思で自分の行動を決められません。そのため、その子の生涯を全うさせる責任は、飼い主さんが負うことになります。

犬の平均寿命である15年以上の間、たとえ飼い主さんの身にどのような変化が起きようとも、その子が最期まで幸せに暮らせるようにする覚悟と準備をしておく必要があります。

2.5つの自由(動物福祉)を保障する

家族に迎えるということは、ただ寝る場所や食事を提供すれば良いというわけではありません。人に人らしく生きていく権利があるように、犬にも犬らしく生きていく権利があります。その権利を守るために必要とされている5つの自由(動物福祉の基本原則)を保障するのは、飼い主さんの責任です。

<5つの自由>
1.飢え・渇きからの自由
2.不快からの自由
3.痛み・負傷・病気からの自由
4.(犬)本来の行動がとれる自由
5.恐怖・抑圧からの自由

3.継続的な社会化を行う

社会化とは、犬が人間社会の中で安心して暮らせるよう、さまざまな人や動物とのコミュニケーション方法や暮らしのルールを学ばせることです。犬が最も社会化されやすい時期は生後3〜14週齢ごろだということが分かっており、この時期を社会化期と言います。

保護犬の場合、社会化期に適切な社会化トレーニングを受けられなかった犬も多いですが、その犬の性格に合わせて少しずつ、根気良く時間をかけてトレーニングを行えば、社会化できることも分かっています。諦めずに継続的な社会化トレーニングを積極的に行う覚悟があれば、保護犬にも穏やかな気持ちで過ごしてもらえるようになるでしょう。

4.家族となり居場所を作る

大切なのは、犬が飼い主さんご家族を自分の家族と感じ、安心して過ごせる居場所だと思えるようにすることです。人のちょっとした動きにも過敏に反応したり、なかなか体を触らせてくれなかったりしても、愛情を持って根気良く人に慣れてもらい、「ここが自分の家だ」と心の底から思ってもらえる努力を続けなければなりません。

心得から紐解く「飼い主に必要な覚悟や幸せに過ごすための配慮」

攻撃的な犬

万が一の場合もその子の生涯に責任を持つ覚悟と準備

犬を迎える場合、それが保護犬であろうとなかろうと、基本的には「終生飼養」が原則です。子どもはやがて自立しますが、犬は自立できません。その子の一生に責任を持ち、最期の日まで面倒を見なければならないのです。

しかし、飼い主さん自身が愛犬よりも先に生涯を終えたり、病気や怪我で世話をできなくなるかもしれません。自分に何があったとしても、愛犬が最期まで幸せに暮らせるような準備が必要です。

特にご高齢の方が里親を希望される場合は、愛犬を預けたり引き取ってくれる知人の確保や、ペット信託、負担付遺贈、負担付死因贈与契約等により、いざという時に備える準備を進めながら譲渡の交渉を行うと良いでしょう。

正しい知識と情報の収集と創意工夫による環境改善

犬と暮らすためには、犬の習性や本能、そして陽性強化法といった最新の知見によるトレーニング方法を学ぶ必要があります。日進月歩の研究による最新の情報に基づいた創意工夫により、愛犬の環境改善を最期まで続けていきましょう。

特に心に傷を負っている犬の場合、どんなにトラウマと向き合う覚悟や根気があっても、正しい知識や最新の情報に基づいた接し方やトレーニング方法を身につけなければ、幸せにしてあげることは難しいでしょう。

予防を重視した健康管理

犬の平均寿命は年々延びてきています。しかし、ただ長生きできれば良いわけではなく、大切なのは健康な状態で長生きしてもらうことです。病気や怪我、またストレスによる問題行動が出てから治療するのではなく、予防を重視した健康管理を行うことが大切です。

まとめ

保護犬と里親

ペットショップやブリーダーから迎える犬と比べると、保護犬は過去に辛い経験をした、心身に問題を抱えている犬が多いです。しかし、だからといって何か特別な資格や条件を満たしていなくても、里親になれないというわけではありません。

里親を募集している愛護団体等によっては、とても厳しい条件を設定している場合もありますが、想定されるリスクを乗り越えるための準備や対策を行い、誠意と犬への愛情を行動で示すことで、飼い主さんと犬がお互いに求め合える幸せな出会いを見つけられるはずです。

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